Workflow as Code としての Agent Skills
TL;DR
- Agent Skillsを活用することで、業務手順・判断基準・フォーマット・例外処理をテキスト化し、LLMによる自動実行とバージョン管理を実現する「Workflow as Code (WaC)」を導入できます。
- 業務をコード化するWaCは、AIを補助装置として業務に組み込み、生産性を向上させる強力な手段となります。
Workflow as Code(WaC) とは?
筆者による造語です。
同じような造語に PaC (Product as Code) も最近聞いたりするかもしれません。
インフラの世界で「Infrastructure as Code(IaC)」が当たり前になったのと同じで、
- 業務手順
- 判断基準
- 入出力のフォーマット
- 例外時の扱い
こういったものを口頭説明ではなく テキストで記述し、レビューして、バージョン管理する。
そのテキストを LLM が「読んで」「解釈して」「実行する」ことで、業務を AI 化していくことを指します。
ここで出てくるのが Anthropic の Agent Skills です。
これはまさに、WaC を実用レベルで回すための「入れ物」として設計されていると思っています。
Anthropic Agent Skills は WaC の「入れ物」
Claude の世界をざっくりレイヤーで見ると、こんな感じになります。
-
LLM 本体(Claude 4.5 など)
-
ツール / MCP
- 外部 API や DB、ストレージに触るための“腕”
-
Agent Skills
- その腕を使って どういう手順で仕事するか を書いた業務マニュアル
-
UI / 実行環境
- Claude.ai / Claude Code / 自前アプリ(API / Agent SDK)
Agent Skills はモデルやツールそのものではなく、
ツールにアクセスできる Claude に対して、
「この仕事はこういう順番で、こういうルールでやってね」
と教えるためのパッケージ
という位置づけになります。
ここに WaC のテキスト(業務フロー)が乗るイメージです。
Agent Skills の中身
1つの Agent Skills は、ファイルシステム上の ただのフォルダ です。中身はだいたいこんな構成になります。
.claude/
skills/
my-skill/
SKILL.md
scripts/ (必要なら)
resources/ (必要なら)
核心は SKILL.md です。ここに WaC を書きます。
-
この Skill の目的
- 例)「生の会議メモを、決まったフォーマットの議事録に整形する」
-
どんな入力を想定しているか
- 箇条書きのメモなのか、タイムラインなのか
-
手順
-
- メモを読み取り議題を推定
-
- 決定事項 / TODO / 論点に分類
-
- 指定の見出し構造で出力 …のような流れ
-
-
出力フォーマット
- 見出し、箇条書き、敬語/常体などのルール
-
入力と出力のサンプル
必要であれば、
- 集計や変換を行う スクリプト(Python など)
- PowerPoint / Excel / Word / PDF の テンプレート
を scripts/ や resources/ に置いておくこともできます。
まとめると、
SKILL.md = 業務フローをテキストで書いた WaC 本体
scripts / resources = それを支える補助ツール・テンプレ
という関係です。
どんなときに Agent Skills を使うと良いか
全部を Skill にする必要はなくて、向き不向きがあります。
向いているのは、だいたい次のような仕事です。
-
毎回ほぼ同じ手順でやる作業
- 月次レポート、定例議事録、リリースノートなど。
- 「説明すると長いけど、やることは毎回だいたい同じ」系。
-
人によってアウトプットがブレる作業
- 仕様レビュー、デザインレビュー、簡単な契約チェックなど。
- WaC としてルールを SKILL.md に書いておくと、ブレが減る。
-
軽いコード実行やファイル操作を含むワークフロー
- CSV 読み込み → 集計 → グラフ → コメント までの一連の流れなど。
逆に、毎回やり方もゴールも違うような「完全フリースタイル」なタスクは、
素の Claude にそのまま喋った方が向いています。
かんたんな使い方
meeting-notes という名前の Skill について考えてみます。
1. フォルダを用意する
作業ディレクトリで、次のような構造を作ります。
.claude/
skills/
meeting-notes/
SKILL.md
2. SKILL.md を書く
中身は Markdown です。最低限、次の情報を書きます。
* Skill の目的
* 例: 「会議メモを読みやすい議事録に整形する」
* `SKILL.md`の冒頭に、このSkillが何をするものなのかを明確に記述します。
* ```markdown
# Meeting Notes Generator Skill
このSkillは、与えられた会議メモを読み込み、決定事項、TODO、論点に分類し、
指定されたフォーマットで議事録を生成します。
```
ここまで書くと、
会議メモを貼って「議事録にして」と頼む
→ Claude がmeeting-notesSkill を読んで、
その WaC に沿って処理する
という動きになります。
コードを書き込む、というより 「ちゃんとした業務マニュアルを Markdown にする」 という感覚に近いです。
まとめ
Agent Skills を使うと業務手順・判断基準・フォーマット・例外処理をテキストとして書き、LLM がそれを読んで業務を実行することができそう。
Workflow as Code(WaC)みたいな感じで業務をコード化することでAIを補助として業務に組み込むことができるようになってきている。
最初の一歩としては、難しく考えずに、「毎回めんどくさいけど、やることは毎回ほぼ同じ仕事をひとつ選ぶ → その手順とルールを SKILL.md に書いて Skill にする」のようにすると良さそう。
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