うさぎでもわかる!SECCONとCTF開催情報の収集方法
うさぎでもわかる!SECCONとCTF開催情報の収集方法
こんにちは!今回は日本最大のセキュリティコンテスト「SECCON」とCTF(Capture The Flag)について、そして世界中のCTF開催情報をどうやって集めるのかをシンプルに解説していきます。
セキュリティ技術に興味を持つうさぎさんも多いと思いますが、「CTFって何?」「SECCONって聞いたことあるけど詳しく知らない」という方も安心してください。この記事を読めば、CTFの世界への第一歩を踏み出せます!
SECCONとは何か?
SECCONの概要と歴史
SECCON(Security Contest)は、日本国内最大級の情報セキュリティコンテストイベントです。実践的情報セキュリティ人材の発掘・育成、技術の実践の場の提供を目的として設立されました。
SECCONの歴史は2012年2月に九州工業大学で開催された「SECCON CTF福岡大会」から始まりました。それから10年以上が経ち、今では国内外から多くの参加者が集まる大規模なイベントとなっています。
SECCONの構成イベント
SECCONは単なるCTF大会ではなく、様々な構成イベントから成り立っています:
- SECCON CTF - セキュリティの総合力を試す日本最大規模のハッキングコンテスト
- SECCON Beginners - CTFに初めてチャレンジしたい人向けのイベント
- CTF for GIRLS - 情報セキュリティ技術に興味がある女性を対象としたコミュニティ
- SECCON Workshop - セキュリティ技術をハンズオンで学ぶワークショップ
- SECCONCON - セキュリティに関する新たな競技・コンテストの企画を立て、実施するイベント
- 電脳会議 - セキュリティ技術者のためのオープンカンファレンス
このように、SECCONは様々な角度からセキュリティ技術に触れる機会を提供しています。初心者から上級者まで、それぞれのレベルに合わせた学びの場があるところが特徴です。
CTF(Capture The Flag)とは?
CTFの基本概念
CTF(Capture The Flag:旗取り合戦)は、情報セキュリティのスキルを競い合うセキュリティコンテストです。参加者は与えられた課題の中から隠された「FLAG」と呼ばれる文字列を見つけ出し、得点を競います。
CTF(Capture The Flag)の基本概念と形式、カテゴリ、参加のメリット
FLAGの例: flag{this_is_example_flag}
や SECCON{you_got_the_flag}
CTFは1990年代に始まった比較的歴史のある競技で、現在では世界中で様々な機関が開催しています。セキュリティ技術を楽しく学べる場として、また実践的なスキルを磨く場として人気があります。
CTFの形式
CTFには主に以下の2つの形式があります:
-
Jeopardy形式(クイズ形式)
- 最も一般的な形式
- 様々なカテゴリの問題が出題され、解いた問題の得点を競う
- オンラインで開催されることが多い
- 初心者でも比較的参加しやすい
-
Attack & Defense形式
- チーム同士でサーバーを攻撃・防御する実践的な形式
- 自チームのサービスを守りながら、他チームのサービスを攻撃
- リアルタイムの攻防戦が見どころ
- 主に上級者向け
CTFの主なカテゴリ
CTFで出題される問題は通常、以下のようなカテゴリに分類されます:
CTFで出題される問題の主なカテゴリとその特徴
-
PWN(Binary Exploitation)
- バイナリの脆弱性を利用して、システムをハックする問題
- バッファオーバーフローなどの技術を使う
-
Crypto(暗号)
- 暗号解読や暗号アルゴリズムに関する問題
- RSA暗号やBase64エンコードなどの知識が必要
-
Reversing(リバースエンジニアリング)
- バイナリファイルを解析し、その動作を理解する問題
- デコンパイルやデバッグの技術を使う
-
Web
- ウェブアプリケーションの脆弱性を探し出す問題
- SQLインジェクションやXSSなどの技術を使う
-
Forensics(フォレンジック)
- デジタルフォレンジック技術を使った問題
- メモリダンプやネットワークパケットなどの解析
-
Misc(その他)
- 上記カテゴリに当てはまらない様々な問題
- クイズ形式や、特殊なフォーマットの解析など
CTF参加のメリット
CTFに参加することには、多くのメリットがあります:
-
実践的なセキュリティスキルが身につく
- 机上の知識だけでなく、実際に手を動かすスキルが身につく
-
セキュリティの幅広い知識が得られる
- 暗号や脆弱性、プログラミングなど多様な知識が必要
-
問題解決能力が向上する
- 複雑な問題を解く論理的思考力が鍛えられる
-
コミュニティとのつながりができる
- 同じ興味を持つ仲間や専門家との交流の機会
-
転職やキャリアアップに有利
- セキュリティ分野での実績としてアピールできる
うさぎさん「なるほど!CTFってゲーム感覚でセキュリティが学べるんだね!」
世界中のCTF開催情報の収集方法
CTFTimeの活用法
CTFの開催情報を集める最も効率的な方法は、CTFTime(https://ctftime.org/)というポータルサイトを活用することです。CTFTimeは世界中のCTF大会の情報が集まっている最大のプラットフォームで、以下のような機能を提供しています:
CTFTime及び関連リソースを活用した情報収集のフロー
-
CTF開催カレンダー
- 今後開催されるCTFのスケジュールを確認できる
- 日付、時間、大会形式などが一目でわかる
-
チームランキング
- 世界中のCTFチームのランキングを確認できる
- 年間ランキングや過去のランキングも閲覧可能
-
過去の大会アーカイブ
- 過去に開催されたCTFの情報や結果を確認できる
- 優勝チームや問題の難易度などの情報も
-
Write-ups(解法解説)
- 参加者が投稿した問題の解法を閲覧できる
- 学習リソースとして非常に価値が高い
CTFTime利用の基本ステップ
- https://ctftime.org/ にアクセス
- トップページで直近のイベント情報をチェック
- 「Calendar」メニューで月間予定を確認
- 興味のあるCTFの詳細ページを開いて参加方法を確認
- チームを作りたい場合は「Teams」から登録可能
CTFTimeを定期的にチェックすることで、常に最新のCTF情報をキャッチアップすることができます。
その他のCTF情報サイト
CTFTimeの他にも、CTF情報を収集できるリソースがあります:
-
CTF関連のTwitterアカウント
- @CTFtime, @secconctf などの公式アカウント
- セキュリティ研究者や有名プレイヤーのアカウント
-
セキュリティ関連のフォーラム・掲示板
- Reddit r/securityCTF
- セキュリティ関連のDiscordサーバー
-
CTF大会の公式サイト
- SECCON: https://www.seccon.jp/
- DEF CON CTF: https://defcon.org/
-
CTF練習プラットフォーム
- CTF練習サイトでも、関連イベントの情報が得られることがある
- HackTheBox, TryHackMe, picoCTF など
CTFコミュニティへの参加方法
CTF情報を積極的に入手するには、コミュニティに参加することが効果的です:
-
チームに参加する
- 既存のCTFチームに参加することで、情報共有の輪に入れる
- 大学のサークルや企業内のセキュリティチームなど
-
SNSでのフォロー
- CTF関連のハッシュタグ (#CTF, #SECCON など)をフォロー
- セキュリティイベントの主催者や参加者をフォロー
-
セキュリティカンファレンスに参加
- SECCON電脳会議などのイベントに参加
- CTF関連のワークショップやセミナーに参加
-
オンラインコミュニティに参加
- CTF関連のDiscordサーバーやSlackチャンネル
- CTF専門のフォーラムやQ&Aサイト
うさぎさん「CTFTimeっていうサイトがあるんだ!これは役立ちそう〜!」
CTF初心者向けの練習方法
常設CTFプラットフォーム
CTFの技術を磨くには、常時アクセス可能な練習プラットフォームを活用することがおすすめです:
-
picoCTF
- 初心者に特におすすめの教育目的のCTFプラットフォーム
- 基礎から段階的に学べる問題構成
-
HackTheBox
- 実践的なペネトレーションテスト環境を提供
- 様々な難易度のマシンが用意されている
-
TryHackMe
- ガイド付きの学習コースを提供
- 初心者から上級者まで幅広くカバー
-
VulnHub
- 脆弱性のある仮想マシンをダウンロードして練習できる
- ローカル環境で安全に練習可能
-
CTF365
- 年間を通じて常時アクセス可能なCTF環境
- 実際のCTFに近い形式で練習できる
おすすめの学習リソース
CTFに必要な知識やスキルを学ぶためのリソースも豊富にあります:
-
オンライン学習サイト
- Cybrary, Udemy, Coursera などのセキュリティコース
- CTF専門の学習サイト(CTF101, CTFLearnなど)
-
書籍
- 「Practical Binary Analysis」
- 「Web Application Hacker's Handbook」
- 「CTFの問題を解く技術」
-
YouTubeチャンネル
- LiveOverflow
- IppSec
- John Hammond
-
CTF解法ブログ
- CTFレポートを公開しているブログ
- Write-upサイト(CTFTimeのWrite-upセクションなど)
練習環境の構築方法
自分専用の練習環境を構築することも、CTFスキル向上に役立ちます:
-
仮想マシン環境
- Kali Linux(ペネトレーションテスト用OS)をVirtualBoxやVMwareで実行
- 複数の脆弱なOSを同時に動かして練習
-
Docker環境
- CTF問題をコンテナ化して手軽に実行
- 環境構築の手間を省ける
-
クラウド環境
- AWSやGCPの無料枠を使った練習環境
- 複数人での共同練習も可能
-
ホームラボ
- 使わなくなったPCなどを活用した自宅ラボ
- 長期的なセキュリティ学習に適した環境
うさぎさん「初心者はpicoCTFから始めるのがいいみたいだね!早速試してみよう!」
まとめ:CTF参加への第一歩
CTFとSECCONについて、そして世界中のCTF開催情報の収集方法について解説してきました。最後に、CTF参加への第一歩をまとめます:
-
CTFTimeでイベント情報をチェック
- 定期的にサイトをチェックして、参加できそうなCTFを探す
-
初心者向けCTFから始める
- SECCON Beginnersなどの初心者向けイベントに参加
- 常設の練習プラットフォームで基礎を固める
-
仲間を見つける
- 一人で参加するより、チームで参加する方が学びが多い
- 大学のサークルや企業内のセキュリティチームなど
-
継続的に学習する
- セキュリティの知識は日々アップデートが必要
- 定期的に新しい技術や手法を学ぶ習慣をつける
-
楽しむことを忘れない
- CTFは競技であると同時に、学びの場でもあり、コミュニティでもある
- 結果だけにこだわらず、プロセスを楽しむ姿勢が大切
SECCONやCTFの世界は、セキュリティ技術者としてのキャリアを築く上で非常に価値のある経験となります。この記事が、あなたのCTF参加への第一歩となれば幸いです。
うさぎさん「よーし、私もCTFに挑戦してみるぞ!まずはCTFTimeでイベントをチェックだね!」
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