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【読書メモ】アジャイルデータモデリング

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【読書メモ】アジャイルデータモデリング

『アジャイルデータモデリング』という書籍を通じて得た気づきや感想のメモです。

https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000380716

内容については、すでに他の方が紹介されている関連資料(「30分でわかる『アジャイルデータモデリング』」等)が非常に分かりやすいです。

https://kazaneya.com/17270d0c5ac880278b68ea190e4a2b4c

https://speakerdeck.com/hanon52_/30fen-dewakaru-aziyairudetamoderingu

以下では書籍を通じて自分が印象に残った点をいくつか記載します。

ビジネスイベントのモデリングから始まる

本書では、「ビジネスイベント(測定可能な出来事)を7W(Who, What, When, Where, Why, How, How Many)で語る」ことで、分析可能な構造を描き出すアプローチが紹介されます。これにより、どのような単位でデータを持ち、どのような視点で集計・分析するのかが明確になります。

これまで私は所謂IoT系のデータに関わることが多く、「ビジネス」イベントとして捉えるのは少し違和感があるなあと思っていました。しかし実際にやっていることとしては共通する点が多く、7Wの視点で改めて整理してみたいと感じました。

アジャイルにデータモデリングする

例えば「分析の効果が高そうなものから順に作っていこう」はひとつの進め方ですが、一方でサイロ化したデータマートが量産されるなどの負債を生む可能性もあると思います。

ビジネスプロセスのモデリングにより、イベントマトリックスや適合ディメンションの特定を通じて設計判断を行う考え方は、データ基盤を段階的に整備したいプロジェクトにとって現実的な指針になるものだと思いました。

BEAMテーブルの活用

非エンジニアの関係者とどのようにコミュニケーションを取るかというのは常に悩むところですが、その手段のひとつとしてBEAMテーブルはよいと思いました。何よりデータ(慣れ親しんだ表形式)に近い形であることと、それをベースにどのようにストーリーを掘り下げていくかという指針が示されている点がありがたいです。

スタースキーマによる整理

前述のとおり、IoT系のデータでこのような考え方を当てはめることに当初は違和感を感じていましたが、全然そんなことはありませんでした。

特に、変化するディメンションへの対応(SCDの考え方)やファクトテーブルの種類など、これまで(私が個人的に)悩んで対処していた内容に対してデータモデリングという形で説明を与えてくれるものや、もっと踏み込んだ考え方を与えてくれるものも多く、実務の際に手元において都度参照していきたいなと感じる内容でした。

他分野の関連

最近は、テーブルリネージやメタデータ管理などにも関心がありましたが、これらはどちらかというと「作った後の世界」の話です。対して、「どのように作るか」を考える段階でもっとやるべきこと(成果物を定義する、プロセスを整備する…)があると改めて感じました。

おわりに

これまでデータモデリングの学習を後回しにしてしまっていましたが、実際に読んでみると「もっと早く取り組むべきだった」と感じました。今後は身近な題材を使って、自分なりにBEAMテーブルやスタースキーマを取り入れていきたいと考えています。

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