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web3いらなくね?

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ブロックチェーンに頼らない、新しい「Web3」のかたち

なぜ今、「Web3」をもう一度考え直す必要があるのか?

Web3とは「インターネットをもっと自由で、分散型にしていこう」という大きなビジョンです。
ブロックチェーンを使って、国や企業の中央集権を排除し、ユーザー自身がデータやサービスをコントロールする――そんな理想を掲げて、多くのプロジェクトが生まれました。

けれど、現実はどうでしょう?

  • 高額なマイニングコスト
  • 送金や投稿に時間がかかる
  • 一部の人にしか操作できない複雑な仕組み
  • そして、将来的に量子コンピューターで51%リスクが現実的になる可能性

理想に対して、技術的にも環境的にも、限界が見えてきているのです。


じゃあ、Web3は諦めるべきなの?

いいえ。
「ブロックチェーンに頼らなくても、Web3のビジョンは実現できる」――これが、この記事のテーマです。

答えは、昔からある仕組み=「HTTP通信」を使って、新しい分散型インターネットをつくること。


新しいWeb3のアイデアとは?

キーワードは「サーバーを自分で持つこと」

今のインターネットは、大企業が持っている大きなサーバー(例:Google、Amazon)に、私たちがアクセスして使う形です。

でも、これからのWeb3ではこうなります。


1人1サーバー時代の始まり

  • 自分専用の小さなサーバー(家に置いてもいいし、クラウド上でもOK)を持つ
  • そこに自分のデータ、投稿、メッセージを保存
  • 他の人のサーバーと直接つながる(SNSのようにフォローしあう)

これって、今ある分散SNS(Mastodonなど)よりもっと細かく分かれた、"家庭内SNS"みたいな世界なんです。


どうやってつながるの?

使うのは、今のインターネットと同じ「HTTP」と「HTTPS」。
つまり、今あるブラウザやアプリからそのまま使えるんです。

サーバー同士は、「ActivityPub」や「JSON API」のような軽いプロトコル(通信の約束ごと)でやり取りします。


なぜブロックチェーンを使わなくても大丈夫なの?

① データの信用性 → 電子署名とハッシュで保証

投稿やメッセージに「電子署名」と「ハッシュ(指紋のようなもの)」をつけておけば、改ざんされてないことを誰でも確認できます。

② 分散 → 信頼する人のサーバーを選べる

どのサーバーとつながるかは自由。信頼できる家族・友人・仲間のサーバーとやり取りすることで、「小さな分散ネット」が作れます。

③ 報酬システム → トークンじゃなく「協力」ベース

仮想通貨のように「お金を掘る」必要はありません。代わりに、

  • 他の人の投稿を保存してあげたり
  • 通信を中継してあげたり
    すると「その分、優先的にサービスを受けられる」ような仕組みです。

どんな未来が見えてくる?

  • 自分のデータは自分のサーバーに
  • 家族でSNSを持つ、学校ごとに共有サーバーを持つ
  • 会社の内部チャットも、オープンで分散的に
  • どこかの大企業が止まっても、自分たちの世界は動き続ける

最後に:ブロックチェーンを越えて、本物のWeb3へ

ブロックチェーンがWeb3の唯一の形じゃありません。
インターネットそのものの仕組み(HTTPやTLS)を上手く使えば、もっと軽くて、シンプルで、安全なWeb3が作れます。

それは、「個人が自分の情報とサーバーを持つ」ことから始まります。

Web3の核心は、技術よりも「分散という価値観」にあります。
そしてそれは、すでに今のインターネットの中に、道具としてそろっているのです。

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