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40代マネージャーがVibe Codingでドキュメントレビューシステムを作ってみた

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はじめに

こんにちは。最近40代の世界に足を突っ込んだインフラエンジニアです。世間一般で言われるユーザ系Sierでマネージャーを任されています。

最近のAI技術の進歩は目覚ましく、特にコーディング支援ツールの進化には驚かされます。コーディングをすべてAIに任せたVibe Codingという手法も登場しています。
その進歩の早さに圧倒されて「AIを使ったコーディングって若い人向けだよね」「マネージャー業務で忙しくて技術に触れる時間がないんだよね」と遠巻きにみていました。

そんな私がふとしたきっかけから Vibe Codingで業務で使えるドキュメントレビューシステムのプロダクトを開発してみました。

今回はかつての私と同じようなスタンスで考えている方向けに 「Vibe Codingでこういうものが作れるのか。」 と見て貰いたいな思い記事にしました。(といいつつ承認欲求もあり。)

作ったもの

AWS上で稼働するドキュメントレビューシステムを作りました。

紹介資料

サービス紹介資料をCursor+Marpで作成したので、ぜひそちらを見ていただければと思います。(資料作成のうち、自分の手を動かしたのは20%ぐらいでした)

開発の背景

私はマネージャーという立場上、設計ドキュメントのレビューをする機会が多くあります。

私の性格もあるのでしょうが体裁や文章表現の不備が多いと本質である設計内容について十分なレビュー時間が確保できないことがあったりします。また再レビューで指摘が直っていなかったりすると、レビュー回数が増え作成者、レビュアー双方の疲弊が積み上がり、完成するまでに結構な時間がかかったりします。

良いものを作りたいという気持ちは双方同じなのにあまりに指摘が多いとメンタルやモチベーションがやられてくるという悲しい状態になったりもします。

そんな背景から、細かいチェックは機械的にできれば、みんなの負担が減って楽になるよなー。と普段から思っていました。

なぜAIコーディングに挑戦したのか

私のチームではSlack APIとLLMモデルを連携させたAIチャットボットを活用しているのですが、たまたま簡単なツールの作成依頼をしたら思いのほか良いものを出してくれました。

それを見たときに「あれ・・・ チャットボットレベルじゃなくて専用のコーディングエージェント使ったら、機械的にチェックできる自動レビューシステム作れるのでは?」と思ってClineやCopilot、Cursorをさわりはじめたのがきっかけでした。

さわり始めたのはたしか、2025年3月ぐらいでCursorやCopilotなどにエージェント機能が追加されて丁度HOTな時期だった記憶があります。

開発を踏まえて

実際の開発体験談などは別の記事にするとして、今回の記事ではVibe Codingを進める中で重要だなと感じたことを3つほど整理しようかなと思います。

その1:身銭を切るべし

世の中にはAI支援と称して月に数万円程度の補助が出たり、会社がAIに投資してくれる素敵な会社があるそうですがそうでない人は、ぜひ身銭を切ってAIコーディングエージェントに触りましょう。

AIエージェントの世界は技術が進むのも早いですがコスト還元もわりと早かったりします。私がメインで使っているCursorは使い始めた時は『20ドルで500リクエスト。それ以上は従量課金』という料金体系でしたが2025年6月中旬ぐらいからMAXモードと呼ばれる性能高モードを使わなければ回数無制限になりました。(20ドルのまま)

20ドルといえば150円/ドル換算で3,000円です。ゲーム1本もしくは毎日のむジュースやタバコを我慢すればアプリやシステム開発が1人で出来ますし、ゲーム1本分ぐらいは十分遊べます。

その2:ハルシネーションを恐れるな

AIが誤った回答をすることをハルシネーションと呼びますよね。巷では 「AIはハルシネーションがあるから使い方には気をつけないといけない。」ともよく言われます。
たしかにその通りです。ただ語弊を恐れずに言います。「ハルシネーションは、そこまで恐れなくても平気」

ひと昔前のAIならともかく今のAIはかなり高性能です。3か月に1回のペースで新しいモデルが出てますし、AIが処理できる入出力量もどんどん増えていってます。

もちろんハルシネーションはゼロにはならないと思いますが人間の方がミスします。
また、Cursorの場合ルールをうまく活用することでハルシネーションの発生確率や暴走も抑えられる気がします。

Cursorのルールについては以下動画を参考にさせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=DU28RWBNfjc

その3:設計を大事に

AIが優秀すぎるので、ちょっとお願いすればパッと出てきますがツールレベルのものではなくアプリやWebサービスの類を作る場合は、ちゃんと設計工程を踏んだ方がいいなと感じました。
ここをおろそかにしすぎると後でめちゃくちゃ泣きを見ます。具体的には以下の様にAIに問いかけて進めると良いと思います。

言語化+文書化という行為は既存開発でもVibe Codingでもおなじく重要でした。

  1. 要件定義
AIを用いたXXXができるシステムを開発したいです。開発する前に要件を整理したいので必要なこと質問してください。
また私が回答した内容を踏まえて要件定義ドキュメントを作成してください。
  1. 設計
AIを用いたXXXができるシステムを開発したいです。開発する前に設計内容を整理したいので必要なこと質問してください。
また私が回答した内容を踏まえて設計ドキュメントを作成してください。なお、命名規則など開発標準化に必要なルールも一緒に規定しましょう

さいごに

今回の開発で実感したこと

  • やっぱりモノづくりって楽しい
  • 門外漢の領域もAIの力を借りれば、学習コストがかなり抑えられるのでVibe Coding 素敵
  • AI関連で技術を進歩させてくれているみなさま、ありがとうございます

次のステップ

とりあえず、無償レベルのものは開発できたと思うので、チューニングとマネタイズに向けて機能拡張していこうと考えています。
マネタイズも視野に入れるとまた色々勉強が必要だと思いますがそれもAIの力を借りて進めていこうと思っています。


この記事が、どなたかの役にたてば嬉しいです。
正直なところ、AI関連の進歩についていけないと感じることもありますが、AIの力を借りれば 「自分が欲しいものを自分だけで作れる」 時代になりました。

一緒に新しい技術領域に挑戦していきましょう!

ps
AWS環境をお持ちであれば、ぜひReviewMasterを自身のAWS環境にデプロイして触ってみてください。フィードバックや改善要望お待ちしています。

[ReviewMasterのGithubリポジトリ] ※構築手順はSETUP.mdを見てください。

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