論文用のlatex環境構築してみた
なぜつくったのか
latexの環境構築わからねーって方多いんじゃないですか?わたしも全然わからずにtexliveのインストールに3時間くらいかけてノーパソに入れた記憶があります。そんなこと2度と繰り返したくないし将来皆さんが使うときもやってほしくありませんなので,今回githubにすぐ環境構築できるリポジトリを作成しました。
このテンプレートで解決したいこと
このリポジトリの目的は非常にシンプルです。
- LaTeX の細かい設定で消耗しない
- 論文の「中身」に集中できる
- 将来また使うときにも迷わない
特に以下のような方を想定しています。
- 日本語LaTeXを初めて使う学生
- 卒論・修論・レポートを LaTeX で書きたい方
- 毎回環境構築をやり直している方
テンプレートの特徴
このテンプレートには、論文執筆でよく使う構成と運用をあらかじめ組み込んでいます。
セクション分割による論文構成
sections/
├── introduction.tex
├── related_work.tex
├── methodology.tex
├── experiments.tex
├── results.tex
└── conclusion.tex
論文をセクションごとに分割して管理できるため、
長い main.tex を編集し続ける必要がありません
BibTeX による参考文献管理
main.bib に文献を追加し、本文では
\cite{}
を書くだけです。
ビルド時に参考文献処理まで自動で行われます。
npm スクリプトによるビルド管理
LaTeX のコマンドを覚える必要はありません。
npm run build
この一行で、
- LaTeX コンパイル(3回)
- BibTeX 処理
- PDF 生成
までをすべて実行します。
開発中はウォッチモードも利用できます
npm run watch
GitHub Actions による自動PDF生成
GitHub に push するだけで、
Actions 上で自動的に PDF がビルドされ、成果物としてダウンロード可能です。
- ローカル環境が壊れても安心
- CI 的な運用が可能
- 提出前の最終確認にも便利
環境構築は最小限でOK
必要なのは以下だけです。
- Node.js / npm
- TeX Live(日本語環境)
Linux(Ubuntu)であれば、以下で十分です。
sudo apt-get install texlive texlive-lang-japanese
細かい LaTeX パッケージ選定で悩む必要はありません。
使い方は非常にシンプル
git clone https://github.com/takapi-s/latex-template.git
cd latex-template
npm install
npm run build
あとは sections/ 以下を書き進めるだけで、
output/main.pdf が生成されます。
AI エディターとの相性について
このテンプレートのもう一つの大きな利点は、Cursor などの AI エディターと組み合わせることで、AI を活用した論文執筆が現実的になる点です。
論文が sections/ 以下でセクションごとに明確に分割されているため、
「このセクションの文章を改善してほしい」
「実験結果の考察を追加したい」
「関連研究の要約を書いてほしい」
といった指示を、対象ファイルを限定して AI に投げることができます。
結果として、AI が文脈を誤解しにくく、修正や補完の精度が高まります。
また、LaTeX のビルドや参考文献処理はテンプレート側で完結しているため、
LaTeX 構文の細かいエラー対応
ビルド失敗時の原因調査
といった本質的でない作業を AI と人間の双方が意識する必要がありません。
人間と AI がともに「論文の中身」に集中できる環境が自然に整います。
AI エディターによる補助は、あくまで執筆を加速させるための手段ですが、
その効果を最大化するには、構造化されたリポジトリ設計が不可欠です。
本テンプレートは、その土台としても有効に機能します。
おわりに
LaTeX は一度環境が整ってしまえば、
Word よりもはるかに再現性が高く、論文向きのツールです。
しかし、その入口が不親切なのも事実です。
このテンプレートが、環境構築でつまずく人を一人でも減らせれば嬉しく思います。
バグ報告や改善提案、プルリクエストも歓迎しています。
ぜひ活用してみてください。
Discussion