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WindowsでWSL2を使い、Ubuntuを日本語化&zsh+oh-my-zsh導入、Bunまでセットアップする手順

2025/01/19に公開

Windowsで快適にLinux環境を使う方法として、WSL2(Windows Subsystem for Linux 2)を利用する方法があります。本記事では、Ubuntu 24.04.01 LTSをWSL2上にセットアップし、日本語化やzshへの切り替え、oh-my-zshの導入、そして高速なJavaScriptランタイムであるBunのインストールまでの流れをまとめています。


1. WSL2のインストール

手順1: PowerShellを管理者権限で起動

  1. スタートメニューを開き、「PowerShell」と入力して検索します。
  2. PowerShellを右クリックし、「管理者として実行」を選択します。

手順2: WSL2の有効化

以下のコマンドを実行し、WSL2を有効化します。

wsl --install

インストールが進み、次のようなメッセージが表示されれば成功です。

操作は正常に完了しました。
要求された操作は正常に終了しました。変更を有効にするには、システムを再起動する必要があります。
...

メッセージに従ってPCを再起動してください。

手順3: インストール確認

再起動後、再度PowerShell(管理者権限)を起動し、以下のコマンドを実行します。

wsl -v

WSLのバージョン情報が表示されればWSLのインストールは完了です。例:

WSL バージョン: 2.3.26.0
カーネル バージョン: 5.15.167.4-1
...

手順4: デフォルトバージョンをWSL2に設定

wsl --set-default-version 2

これで、インストールするLinuxディストリビューションが自動的にWSL2を使用するようになります。


2. Ubuntuのインストールと起動

手順1: Microsoft StoreからUbuntuを入手

  1. Microsoft Store|Ubuntu 24.04.01 LTSを開きます。
  2. ダウンロード」ボタンを押してインストールします。

手順2: 初回起動とユーザー設定

インストール完了後、Ubuntuを起動すると以下のような設定が求められます。

  • ユーザー名の設定
  • パスワードの設定(2回入力)

手順3: パッケージの更新

以下のコマンドで、システムを最新の状態にします(パスワード入力を求められたら、先ほど設定したものを入力)。

sudo apt update && sudo apt upgrade -y

3. Ubuntuの日本語化

Ubuntuを日本語で使いたい場合は、日本語パッケージをインストールしロケールを設定します。

sudo apt install -y language-pack-ja
sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8
sudo reboot

WSLでsudo rebootを実行しても再起動できない場合
Windows側のPowerShell(管理者権限)で以下のコマンドを実行し、WSLを一度シャットダウンして再度起動してください。

wsl --shutdown

その後、再度Ubuntuを起動しましょう。

日本語化確認

日本語ロケールが有効になったかどうかは、以下のコマンドで確認できます。

date

日付表示が以下のように日本語となっていれば成功です。

2025年  1月 18日 土曜日 12:27:20 JST

4. シェルをzshに変更

Ubuntuのデフォルトシェルはbashですが、より快適なシェル環境を求める場合はzshに切り替えましょう。

手順

  1. zshをインストール
    sudo apt install -y zsh
    
  2. デフォルトシェルをzshに変更
    chsh -s $(which zsh)
    
  3. ターミナル(WSL)を再起動または exit 後に再ログインします。
    • WSLを完全に再起動する場合は、Windows側で以下を実行してから再度Ubuntuを起動します。
      wsl --shutdown
      

初回起動時に、下記のようなメッセージが表示される場合があります。

This is the Z Shell configuration function for new users,
zsh-newuser-install.
You are seeing this message because you have no zsh startup files
(the files .zshenv, .zprofile, .zshrc, .zlogin in the directory
~).  This function can help you with a few settings that should
make your use of the shell easier.

You can:

(q)  Quit and do nothing.  The function will be run again next time.

(0)  Exit, creating the file ~/.zshrc containing just a comment.
     That will prevent this function being run again.

(1)  Continue to the main menu.

(2)  Populate your ~/.zshrc with the configuration recommended
     by the system administrator and exit (you will need to edit
     the file by hand, if so desired).

--- Type one of the keys in parentheses ---

推奨設定を使う場合は 2 と入力して続行しましょう。

  • シェルがzshに切り替わったかどうかは、以下のコマンドで確認できます:
    echo $SHELL
    
    /usr/bin/zsh と表示されれば成功です。

5. oh-my-zshの導入

Oh My Zshはzsh向けのカスタマイズフレームワークで、テーマやプラグインの導入が簡単になります。

手順

  1. curlを使う場合
    sh -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/ohmyzsh/ohmyzsh/master/tools/install.sh)"
    
  2. wgetを使う場合
    sh -c "$(wget https://raw.githubusercontent.com/ohmyzsh/ohmyzsh/master/tools/install.sh -O -)"
    

インストール中にzshの設定ファイルを上書きするかどうか尋ねられる場合があります。

インストールに成功すると、以下のようなメッセージが表示されます。


6. NeoVimのインストール(任意)

Ubuntuには標準でnanoという簡易テキストエディタが付属していますが、より高機能で拡張性のあるエディタとしてNeoVimを使うのもおすすめです。

手順1: NeoVimインストール

sudo apt install -y neovim

手順2: nanoのアンインストール(不要な場合)

sudo apt remove -y --purge nano
sudo apt autoremove -y

注意: nanoに慣れている場合はアンインストールせずに共存させても問題ありません。


7. Gitの最新版インストール

UbuntuにプリインストールされているGitは、LTSリリース時点では最新版でない可能性があります。最新機能を使いたい場合はPPAリポジトリを使用してインストールするとよいでしょう。

手順1: 既存のGitをアンインストール

sudo apt remove -y --purge git
sudo apt autoremove -y

アンインストール後、git --versionを実行するとエラーが表示されれば削除成功です。

手順2: 最新GitをPPAからインストール

sudo add-apt-repository ppa:git-core/ppa

以下のようなメッセージが表示された場合は、Enterキーを押下して続行します。

For release candidates, go to https://launchpad.net/~git-core/+archive/candidate .
More info: https://launchpad.net/~git-core/+archive/ubuntu/ppa
Adding repository.
Press [ENTER] to continue or Ctrl-c to cancel.

以下のコマンドを実行して、最新のGitをインストールします。

sudo apt update && sudo apt install -y git

手順3: インストール確認

git --version

Gitのバージョンが表示されればOKです。

手順4: Git初期設定

  1. ユーザー情報を設定

    git config --global user.name "Your Name"
    git config --global user.email "your.email@example.com"
    git config --global init.defaultBranch main
    

    Your Nameyour.email@example.comは実際の情報に置き換えてください。

  2. エイリアスの設定(任意)

    git config --global alias.co checkout
    git config --global alias.br branch
    git config --global alias.ci commit
    git config --global alias.st status
    

    詳細はGit公式ドキュメントGitエイリアスを参照してください。


8. GitHubにSSH接続する方法

GitHubとの通信をパスワードではなくSSHキーで行うと、セキュアかつパスワード入力の手間が不要になるメリットがあります。

手順1: GitHubアカウントを用意

GitHubでアカウントを作成し、ログインしておきましょう。

手順2: SSHキーの生成

WSLのUbuntuでターミナルを開き、既存のSSHキーがあるかどうか確認します。

ls -al ~/.ssh/id_*

もしid_rsa.pubid_ed25519.pubが存在しない場合は、以下で新規に生成します。

ssh-keygen -t ed25519 -C "your_email@example.com"
  • your_email@example.com はGitHubに登録しているメールアドレスを指定してください。
  • キーの保存場所はデフォルトで問題なければEnterを押し続けてOKです。
  • セキュリティを強化したい場合はパスフレーズを設定します。

手順3: 公開鍵をGitHubに登録

  1. 公開鍵ファイルの内容を確認

    cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
    

    表示された公開鍵の内容をコピーしておきます。

  2. GitHub上で設定

    • GitHubにログイン → 右上プロフィールアイコン → Settings
    • サイドバーのSSH and GPG keysNew SSH key
    • Titleはわかりやすい名前(例: WSL Ubuntu SSH Key)
    • Keyに先ほどコピーした公開鍵の内容を貼り付け → Add SSH key

手順4: 接続確認

以下を実行し、接続が成功するか確認します。

ssh -T git@github.com

以下のようなメッセージが表示された場合は、yesと入力して続行します。

This key is not known by any other names.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])?

次のようなメッセージが表示されれば成功です。

Hi <username>! You've successfully authenticated, but GitHub does not provide shell access.

9. Node.jsのインストール

Node.jsは、JavaScriptをサーバーサイドで実行するためのランタイムです。**nvm(Node Version Manager)**を使用することで、複数のNode.jsバージョンを簡単に管理できます。

手順1: nvm(Node Version Manager)のインストール

まずは、nvmをインストールします。以下のいずれかの方法を使います。

nvmの最新バージョンについては、公式サイトのインストール方法を参照してください。

  1. curlを使う場合
curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.40.1/install.sh | bash
  1. wgetを使う場合
wget -qO- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.40.1/install.sh | bash

手順2: nvmの初期化

インストールが完了したら、nvmを有効にするために以下のコマンドのいずれかを実行します。

source ~/.bashrc  # bashの場合
source ~/.zshrc   # zshの場合

手順3: インストール確認

以下のコマンドで、nvmが正しくインストールされたか確認します。

nvm --version

バージョンが表示されれば成功です(例: 0.40.1)。

手順4: Node.jsのインストール

nvmを使用して、Node.jsのLTS(Long Term Support)バージョンをインストールします。

nvm install --lts

手順5: 現在のNode.jsバージョンを確認

nvm current

10. Bunのインストール

BunはNode.jsやDenoに次ぐ新しいJavaScriptランタイムとして注目されています。高速性や組み込みツールなどが魅力です。

手順1: パッケージのインストール

sudo apt install -y unzip
curl -fsSL https://bun.sh/install | bash
# zshの場合は以下で反映できます(bashの場合は .bashrc)
source ~/.zshrc

手順2: インストール確認

以下のコマンドを実行した後、バージョン等が表示されれば成功です。

bun --version
bun --revision

10. まとめ

ここまでで、Windows上にWSL2を使ってUbuntu環境を構築し、

  • 日本語化
  • zshとoh-my-zshの導入
  • NeoVimのインストール(任意)
  • 最新Gitのセットアップ
  • GitHubへのSSH接続設定
  • 高速JavaScriptランタイム Bun の導入

といった流れが完了しました。

これでWindows上でも、Linuxに近い開発環境を手軽に利用できます。今後は各種ツールやプラグインを追加して、自分好みにカスタマイズしてみてください。


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