Rails開発のtips

require 'rails/all'について

Railsアプリケーションを開発する際、config/application.rbでよく見かけるのがrequire 'rails/all'という記述です。この記述は、Railsの主要なコンポーネントをすべて読み込むための重要な設定です。

何が読み込まれるのか

require 'rails/all'を実行すると、以下のRailsコンポーネントが読み込まれます：

require "rails"
[
  "active_record/railtie",
  "active_storage/engine",
  "action_controller/railtie",
  "action_view/railtie",
  "action_mailer/railtie",
  "active_job/railtie",
  "action_cable/engine",
  "action_mailbox/engine",
  "action_text/engine",
  "rails/test_unit/railtie"
].each do |railtie|
  begin
    require railtie
  rescue LoadError
  end
end

カスタマイズする場合

特定のコンポーネントのみを使用する場合は、require 'rails/all'の代わりに必要なコンポーネントのみを個別に読み込むことができます：

# config/application.rb
require "rails"
require "active_record/railtie"
require "action_controller/railtie"
require "action_view/railtie"
# 必要なコンポーネントのみを選択的に読み込む

注意点

不要なコンポーネントを読み込むと、アプリケーションの起動時間が長くなったり、メモリ使用量が増加する可能性があります。

strict_loadingとN+1問題対策

strict_loading とは

strict_loadingは、ActiveRecordの関連付け（アソシエーション）を遅延ロードする際に、明示的な事前ロード（eager loading）が行われていない場合に例外を発生させる機能です。これにより、意図しないN+1問題を開発段階で検出することができます。

基本的な使い方

# モデル全体で有効にする場合
class Person < ApplicationRecord
  has_many :works, strict_loading: true
end

# 特定のクエリで有効にする場合
Person.strict_loading.find(1)

config.active_record.action_on_strict_loading_violation

Railsでは、strict_loading違反が発生した際の動作を設定することができます。この設定はconfig/application.rbまたはconfig/environments/*.rbで行います。

# config/application.rb
config.active_record.action_on_strict_loading_violation = :raise  # デフォルト
# または
config.active_record.action_on_strict_loading_violation = :log    # ログのみ出力

設定値の意味

• :raise: 例外を発生させます（デフォルト）
• :log: ログに警告を出力するのみで、処理は継続します

実践的な使用例

1. 開発環境での設定

# config/environments/development.rb
config.active_record.action_on_strict_loading_violation = :raise

2. 本番環境での設定

# config/environments/production.rb
config.active_record.action_on_strict_loading_violation = :log

3. 特定のスコープでの使用

# 特定のスコープでのみstrict_loadingを有効にする
class Person < ApplicationRecord
  scope :with_strict_loading, -> { strict_loading }
end

# 使用例
Person.with_strict_loading.find_each do |person|
  person.works.each do |work|  # ここでN+1が発生すると例外が発生
    puts work.title
  end
end

ベストプラクティス

1. 開発環境では:raiseを設定し、N+1問題を早期に発見
2. 本番環境では:logを設定し、パフォーマンスに影響を与えないようにする
3. 必要な箇所でのみstrict_loadingを使用し、過度な使用を避ける
4. パフォーマンスが重要なクエリでは、必ずeager_loadやpreloadを使用する

rails consoleの効率的な開発環境設定

pry を使用しているので pry 用の設定になります
.pryrc ファイルを用意します

基本的な設定

Pry.config.pager = false

-- More -- のような表示がなくなり、全部表示されます。 Model.all のような場合も全部表示されますが、あまり全件を表示しないかつ、limit などで表示を絞れば良いかなと思い、自分はこのような設定をしています。

Rails固有の便利な設定

if defined?(Rails)
  Pry.config.prompt = Pry::Prompt.new(
    [
      proc do |obj, nest_level, _|
        prompt = ""
        prompt += "#{Rails.version}@" if defined?(Rails.version)
        prompt += "#{Rails.env.classify} "
        prompt += "#{obj}"
        prompt += "> "
      end,
      proc do |obj, nest_level, _|
        "* "
      end
    ]
  )

  # アプリケーションのルーティング一覧を表示
  def routes
    Rails.application.routes.routes.map do |route|
      "#{route.verb.to_s.ljust(10)} #{route.path.spec.to_s.ljust(40)} #{route.defaults[:controller]}##{route.defaults[:action]}"
    end.compact.each { |route| puts route }
  end

  # クエリの実行時間を計測
  def benchmark_query(relation)
    start_time = Time.now
    result = relation.to_a
    end_time = Time.now
    puts "\n実行時間: #{end_time - start_time}秒"
    puts "取得件数: #{result.size}件"
    result
  end
end

出力例

7.1.3@Development main> 

のように表示され、local 環境で開発していることが分かりやすくなります。

7.1.3@Development main> routes

GET /xxxxx/xxxxx xxxxxx/xxxxxx/xxxxxx#new
.....

のように表示されます。 rails routes でも良いですが、console でも見ることができます。

relation = User.where(email: '[e-mail]')
D, [2025-04-18T08:55:57.676558 #1] DEBUG -- :   User Load (1.0ms)  SELECT "users".* FROM "users" WHERE "users"."email" = '[e-mail]'
=> []
[4] pry(main)> 
[5] pry(main)> benchmark_query(relation)
D, [2025-04-18T08:56:07.871219 #1] DEBUG -- :   User Load (1.4ms)  SELECT "users".* FROM "users" WHERE "users"."email" = '[e-mail]'

実行時間: 0.003148417秒
取得件数: 0件
=> []

のように表示されます。クエリ の実行時間を簡単に知ることができます。

まとめ

Railsアプリケーションを効率的に開発するためには、require 'rails/all'の理解と適切な設定、strict_loadingを活用したN+1問題の対策、そして rails console の効率的な活用が重要です。これらの機能を適切に使用することで、パフォーマンスの高い、保守性の良いアプリケーションを構築することができます。

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