記事を書いてみると感じる "いいこと"
今年もミライトデザイン Advent Calendar をやりますよ!
いろいろな技術系記事がエントリーされていますね。
今年もたのしみです。
おかげさまでミライトアドカレは去年 4 年連続完走を達成して 100 記事になりました。
今年もみなさんと完走目指してがんばりたいと思います。
初日は例年どおりアドカレ隊長の ほげさん ( Zenn ) です。
毎回アドカレとしても僕個人としても Tech カテゴリの内容が多いので、初日くらいは Idea に読み物でもという感じで一本書いてきました。
みなさん記事って書いていますか
今日ぼくがいう「記事」というのは、Qiita や Zenn に限らずなんらかのオープンなプラットフォームにおける発信のこと全般です。
テキスト形式に限らずスライドを使った発表などや、GitHub リポジトリなんかでもいいでしょう。
とりあえず一番イメージが湧きやすいもので「記事」という単語を使いますね。
で、普段記事って書きますか?
書いてみたいと思いますか?
公開する心理的なハードルってありますか?
書く書かないは個人のスタンスなのでどちらでもいいと思いますが、今日は「記事を書くといいことあるよ」「発信することを過度に怖がらなくいいよ」「やればできるようになるよ」というおはなしです。
この記事は「書くなんて考えたことなかった」「書いてみようとは思ってるが...」というひとの軽い一押しになるかなというものです。
そういうひとに「ふーん」と気楽に読んでもらえればと思います。
やればできるようになるよ
ほげさん ( Qiita, Zenn ) の記事は 120 ~ 130 くらいあるようで、なかなかの反応をいただいた記事もいくつかあります。
まさかという感じでしたが、書籍化のお話をいただいたものもあります。
頻度は高くないですが、スライドを作っての発表というのもやっています。
これを「すごいでしょ」と言いたいわけではまったくなくて、むしろ言いたいことは逆なんです。
僕はテキストを書くのと発表するのは致命的に下手でした。
そんなやつでも何年かやってればそれなりになるんだよと、もともとのひどさのほうにこそ注目してほしいんです。
新人時代の社内プレゼンなんて「何を言っていて何を伝えたいのか、まったくなにもわからない」という評価でしたし、週報には赤ペンをしこたま入れられました。
僕の書いたテキストより赤ペンの方が文字数あったんじゃないかってくらい。
チャットだったかメールだったかで「相手の苗字を間違えてはいけない」という思いだけに支配された結果、苗字だけコピペして満足しずっと呼び捨てにしてたこともありました。
極めつけに、これは Qiita に初めて書いた記事です。
これドヤ顔で書いたのにばかみたいなバグがあって速攻でコメント通知きて、心臓バクバクで顔真っ赤でしたね。
( 後日修正記事としてちゃんとしたタイトルの内容で出し直して、記事中でも誘導しています )
情報を整理して精査してから出力するということが下手でしたが、苦手だとは思ってなかったのが一層タチ悪かったと思います。[1]
今はそれなりの出力スキルになったと思いますが、これはもうただただ継続したからです。
大学出てからでもできるようになるので「自分には今生では無理」なんてことはないんだと思います。
ここからは継続 ( 挑戦 ) する心理的ハードルを下げるはなしと、継続すれば少しずつできるようになる根拠を僕なりに紹介します。
発信することを過度に怖がらなくいいよ
僕なんか新人のころは GitHub に Public Repository を作るのすら怖くていやでしたね。
誰かに見られて ( 自分にそれが伝わらなくても ) 叩かれたり笑われたりしたらいやだと思っていました。
でも叩かれたり笑われたりしたことは結局なかったし、晒し者になったことも一度だってないです。
大丈夫です。だれもそんなこと名指しでしてこないです。
それから、コメントは敵じゃないんです。
仮に内容を批判されても、それはあなたを否定しているわけじゃありません。
そもそも批判は否定ではありません。
根拠を持って事実に対し良し悪しを議論し、改善や理解を深める行為です。
「この記事には一部誤りがある」と「だからこの記事はクソだ」は連動しないし関係ないんです。
ましてや「だからおめーはクソだ」なんてことは断じてありません。
万が一間違えてしまったら、その事実と批判を受け入れて糧にすればいいだけです。
僕はそれを怖がりすぎても怖がらせすぎてもいけないと思います。
記事を書くといいことあるよ
直接的というか表面的というか、ひとつの "いいこと" はバズることでしょう。
でも、それ以外にもいいことはたくさんあります。
まずは "フィードバックが得られること" です。
学びにはフィードバックが不可欠ですが、大人になってテキストに指摘をもらうことはそう多くありません。
普段のチャットは流れていきますし、議事録などでもそうでしょう。
「精査が足りなかったな」
「書き方が悪かったな」
「そういう受け取り方もあるのか」
「当然だと思ってたけど少数派なのか」
「こんなことでも褒めてもらえるのか」
内容はさまざまでしょうが、こういうフィードバックを得られることにとても価値があると思います。
僕自身もたったひとことのコメントが莫大な経験値につながったという体験が何度もあります。
"読むひとの存在を意識できるようになる" ことも、フィードバックとある意味でセットの "いいこと" です。
「どういう技術スタックのひと?」
「どれくらいの経験のひと?」
「どの事前情報を知ってるひと?」
「どれくらいそういうひとは存在しそう?」
とあるとき気になるようになります。
「このフィードバックはどういうひとから来たんだろう」と何回か思うと、次第に「今書いているものはどういうひとが読んでどういうフィードバックが来るだろう」と考えるようになるんです。
この感覚を知ると、普段のチャットひとつから格段に変わります。
"書く" が "狙った相手に伝える" になるからです。
「この前提は念のため最初に再掲しておいたほうがいいな」
「この内容は寄り道しすぎだから外そう」
「この表現は厳密にしたほうがいいな」
「この表現はあっち目線の単語にしたほうがいいな」
というセルフチェック機能が発現するようになります。
ほかにいくつもの "いいこと" がありますが、さいごは "整理と精査の意識がつく" ことにしましょう。
公開して人の目に晒すので、いろいろなセルフチェックをする必要があります。
「技術的な内容に誤りはないか」
「これは事実か、それとも意見か」[2]
「だれが・なにをがはっきりしているか」
「ヘッダレベル ( ## や ### ) は揃ってるか」
「正確な表現を使っているか」[3]
書いてもすぐ消せたり直せたりするチャットでは、なかなか意識しないと思います。
「だっる」と思うかもしれませんが、一度気になると当然になるのでそんなにだるくないですよ。
ちょっとだけ注意点を...
まず大大大前提として、「とにかくなんでもいいから書け!」というわけではありません。
書いちゃいけないことは書いちゃいけないので気をつけましょう。
そこは "良し悪し" ではなく "だめ" でいいです。
企業秘密やプラットフォームの趣旨に反するものですね。
あとは「あってるかあってないか知らんけど」という "精査しないことで生じる誤った情報" もよくありません。
要するに、無思慮や無責任はよくないよという当たり前の話です。
なので「書いてみようかな」と思ったら、「たくさん書く」より「じっくりしっかり書く」のをおすすめします。
今回僕が伝えたいのは「投稿数を増やそう」みたいなことではなく「書く経験で自分の機能を強化しよう」というはなしなので、その面で大事なのは量より質です。
量は文字数や投稿数、質はかけた時間と言ってもいいでしょう。
時間をかけるというのは「現時点では力及ばずでも、少なくとも真剣に整理・精査して上限まで品質を上げる」ということです。
それでも最初はレベルが低かったり間違えたりします。でもそれはしかたないじゃないですか。はじめは。
書きたいと思ったら自分のために書く。ついでに誰かの役に立つかもしれない。成長したらちゃんと還元する。そういう循環が生じればいいじゃないかと僕は思います。
おわりに
僕らは日々チャットしますし、Pull Request で Description や Comment を書きますよね。
Notion や Google スプレッドシートなどに何かまとめることもあるでしょうし、Jira や Asana のようなかんばんツールに起票することもあるでしょう。
起票するといえばバグ報告とかもしますね。
AI 時代に出力スキルなんていらないと思うかもしれませんが、AI への指示もテキストでやっていますね。
"いいこと" を見てもらえれば、少なくとも僕がこの記事でいう出力スキルというのは「ですます調が揃っていて難しい内容をかっこよくまとめた文章を作ること」 "だけ" ではないとわかります。
僕がこの記事で出力スキルと言ったものは、情報を集めて理解して整理して精査して狙った相手に伝えるというプロセスのことです。
そういうスキルは、必ずあなたの役に立ちます。
というわけで、心理的ハードルを下げて自分のために記事を書いてみるのはどうでしょうか。
ミライトアドカレはみなさんの参加をお待ちしております。
という盛大な前振りでしたとさ。[4]
明日は弊社の ブッチ です。
おたのしみに。
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子供の頃から読書量だけは多く、国語のテストが得意だったし文字を読むのは速いし得意だったんですよね。 ↩︎
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たとえば「
forでもmap / filterでも同じ結果を得られる」のは事実。「普通はmap / filterでできることをforでやらない」は意見。自分にとっては常識でも意見は意見。意見には良し悪しがあるから、自分が合意を形成できる範囲より広い不特定多数への過度な押し付けはよくないと僕は思う。 ↩︎ -
Javascript? JavaScript? Java Script? → JavaScript, Github? GitHub? Git Hub? → GitHub ↩︎
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オチはまぁ冗談としても、うちのカレンダーはそういう練習を兼ねたエントリーも歓迎しますよというのは本当です。 ↩︎
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