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中間解析:αエラーの累積とそれを防ぐための原理
臨床試験デザインに関する学習記事です。中間解析を繰り返すと
1. なぜ\alpha エラーが累積するのか?
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1回だけ有意水準
(例:0.05)で検定すると、\alpha エラーは0.05。\alpha -
例えば、3回中間解析を行い、各回で
= 0.05で検定した場合、全体の\alpha エラーは本来0.05に抑えたいのに、0.14に膨れ上がってしまう。\alpha 1 - (1 - 0.05)^2 \approx 0.1426
2. それを防ぐための原理
2-1. \alpha 消費関数
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:情報割合\alpha(t) (試験進行度)までに累積して使ったt \alpha
2.2. 群逐次デザイン
2-2-1. 各中間解析で使う部分\alpha
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:今回新たに使う部分\Delta\alpha_k \alpha -
:\alpha(t_k) 回目までに累積で使ったk \alpha -
:前回までに累積で使った\alpha(t_{k-1}) \alpha -
:t_k 回目の中間解析時点の情報割合k
2-2-2. 停止境界による判定条件
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:Z_{k} 回目の中間解析時点の検定統計量(標準正規分布に従う)k -
:その時点の停止境界(b_{k} 値)Z -
:その時点で使う部分\Delta\alpha_k \alpha -
値が停止境界を超える確率が部分Z になるように\alpha を決めるという意味b_{k}
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:Z_{k} 回目の中間解析時点の検定統計量(標準正規分布に従う)k -
:その時点の停止境界(b_{k} 値)Z -
:その時点で使う部分\Delta\alpha_k \alpha
2-2-3. 全体の\alpha エラーのコントロール
- 各中間解析時点の判定基準(
値)を、部分Z に対応する値に設定することで、その回で「偶然有意差が出る確率」は部分\alpha になる。\alpha - 全体の
エラーは、各回の部分\alpha の合計となり、これが事前に設定した値を超えないように\alpha 消費関数を設計している。\alpha
3. 終わりに
間違いなどありましたら遠慮なくご指摘いただけますと幸いです。
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