ComfyUI でロゴを生成する
この記事では、ComfyUI を使って HiDream でロゴ案を生成し、Qwen Image Edit で微調整し、最後に背景を透過するワークフローを紹介します。
この記事でやること
- HiDream でロゴ案を生成する
- 候補を 1 枚選ぶ
- Qwen Image Edit で不要な要素や配色を調整する
- 背景を透過して、そのまま使いやすい PNG にする
完成済みのワークフローは次の Gist に置いてあります。
Logo Designer.json
環境
- Windows 11 Pro (WSL2)
- ComfyUI v0.19.5
- ComfyUI Desktop v0.8.35
- EasyUse v1.3.6
前提
この記事では、ComfyUI が起動済みで、カスタムノードやモデルを追加できる環境を前提にしています。
少なくとも次の要素が必要です。
- HiDream 系のモデル
hidream_i1_dev_fp8.safetensorsclip_g_hidream.safetensorsclip_l_hidream.safetensorst5xxl_fp8_e4m3fn_scaled.safetensorsllama_3.1_8b_instruct_fp8_scaled.safetensorsae.safetensors
- Qwen Image Edit 系のモデル
qwen_image_edit_2509_fp8_e4m3fn.safetensorsqwen_2.5_vl_7b_fp8_scaled.safetensorsqwen_image_vae.safetensorsQwen-Image-Lightning-8steps-V1.0.safetensors
- 使用しているワークフローに含まれるカスタムノード
easy imageChooserTextEncodeQwenImageEditPlusInspyrenetRembg
モデル名は Gist のワークフローからそのまま拾えるので、読み込んだあとに不足しているものだけ追加すると確認が楽です。
ワークフロー全体像
このワークフローは、大きく 3 段階に分かれています。
- HiDream でロゴ案を生成する
- 候補を選んで Qwen Image Edit で修正する
- 背景を削除して仕上げる
ポイントは、生成と編集を分けていることです。最初から完璧なロゴを狙うより、まずベースを作ってから編集モデルに修正させたほうが、試行錯誤しやすくなります。
1. HiDream でベースのロゴを作る
最初のセクションは、ロゴのたたき台を出す工程です。Gist のワークフローでは HiDream Logo Creator というサブグラフにまとまっています。
使用している主なノード
UNETLoader / VAELoader
-
unet_name:hidream_i1_dev_fp8.safetensors -
vae_name:ae.safetensors
ここで HiDream の本体と VAE を読み込みます。ロゴ向けのベース画像を作るための土台です。
QuadrupleCLIPLoader
HiDream 側では 4 種類のテキストエンコーダーをまとめて読み込んでいます。
clip_g_hidream.safetensorsclip_l_hidream.safetensorst5xxl_fp8_e4m3fn_scaled.safetensorsllama_3.1_8b_instruct_fp8_scaled.safetensors
この構成により、短いロゴ用プロンプトでも形状やテイストを比較的安定して反映しやすくなります。
CLIPTextEncode
ワークフローに入っている初期プロンプトは次のとおりです。
Flat color logo of a rocket ship in a circle. White background
ロゴ生成では、被写体よりも「形」「スタイル」「背景」を明示したほうが扱いやすい印象です。例えば次のような単語を足すと調整しやすくなります。
minimalistvector stylegeometricmonolineflat colorwhite background
KSampler
HiDream 側の主な設定は次のとおりです。
-
steps: 28 -
cfg: 1 -
sampler_name:lcm -
scheduler:normal -
denoise: 1
低めの CFG と比較的少なめのステップで、まず複数案を軽く回す構成です。凝った描き込みより、ロゴの芯になる形を出す用途に向いています。
HiDream で生成したベース画像は次のようになりました。
2. 候補を選ぶ
ベースのロゴを生成したら、easy imageChooser で候補を 1 枚選びます。
-
mode:Always Pause
この設定だと、生成後に一時停止して候補を見比べられます。ロゴ生成は「良い案が 1 枚出れば十分」なことが多いので、このノードはかなり相性が良いです。
ただし、今回試した環境では easy imageChooser で選択 UI が正しく動作せず、画像を選べませんでした。関連する報告として image chooser node issue #706 があります。
そのため、この記事で埋め込んでいるワークフローではこのノードをバイパスし、HiDream 側の生成枚数を 1 にして、そのまま次の Qwen Image Edit に渡す構成にしています。
easy imageChooser が使える環境であれば、生成枚数を増やして候補を見比べる運用に戻して問題ありません。
3. Qwen Image Edit で仕上げる
次のセクションでは、選んだロゴに対して編集指示を入れます。記事執筆時点のワークフローでは、Qwen 側は Qwen Image Edit サブグラフとしてまとまっています。
この段階でやりやすいこと
- 星や点などの不要な装飾を削除する
- 線を簡素化する
- 色だけを変更する
- モチーフは保ったまま細部を整える
ゼロから再生成するのではなく、ベース画像に対して指示を出せるのが利点です。
使用している主なノード
UNETLoader / CLIPLoader / VAELoader
qwen_image_edit_2509_fp8_e4m3fn.safetensorsqwen_2.5_vl_7b_fp8_scaled.safetensorsqwen_image_vae.safetensors
Qwen Image Edit 用のモデル群をここで読み込みます。
LoraLoader
-
lora_name:Qwen-Image-Lightning-8steps-V1.0.safetensors
8 ステップ前提の軽量な編集フローにするための LoRA です。編集用途なので、長く回すよりも短い反復で試しやすい構成になっています。
TextEncodeQwenImageEditPlus
このワークフローの中で、もっとも使い勝手を左右するノードです。
入力は次の 2 つです。
-
image1: 修正したいロゴ画像 -
prompt: 変更内容の指示
ワークフローに入っているプロンプト例は次のとおりです。
Edit the image and remove the stars and dot symbols
このノードでは、大きく描き直させるより「何を残して、何を変えるか」を短く具体的に書くほうが安定します。例えば次のような指示が扱いやすいです。
Edit the image and remove the starsKeep the rocket shape and change the color to blueSimplify the icon and remove small detailsMake the logo more minimal and keep the white background
KSampler
Qwen 側の主な設定は次のとおりです。
-
steps: 8 -
cfg: 1 -
sampler_name:euler -
scheduler:simple -
denoise: 1
必要最低限のステップで編集をかける構成です。元画像の意図を残したまま、細かい修正を何回か回す使い方に向いています。
Qwen Image Edit で不要な装飾を取り除いた結果は次のとおりです。
4. 背景を透過する
最後に InspyrenetRembg で背景を削除します。
-
torchscript_jit:default
出力は次の 2 つです。
-
IMAGE: 背景が透過された画像 -
MASK: 切り抜き用のマスク
白背景で生成したロゴをそのまま透過 PNG にできるので、スライド、Web サイト、アプリのアイコン試作に流用しやすくなります。
ただし、今回の環境では ComfyUI-Inspyrenet-Rembg のインストールで ModuleNotFoundError: No module named 'transparent_background' が発生しました。
Traceback (most recent call last): File "C:\Users\<username>\AppData\Local\Programs\ComfyUI\resources\ComfyUI\nodes.py", line 2227, in load_custom_node module_spec.loader.exec_module(module) File "<frozen importlib._bootstrap_external>", line 999, in exec_module File "<frozen importlib._bootstrap>", line 488, in _call_with_frames_removed File "C:\Users\<username>\Documents\ComfyUI\custom_nodes\comfyui-inspyrenet-rembg\__init__.py", line 1, in <module> from .Inspyrenet_Rembg import InspyrenetRembg, InspyrenetRembgAdvanced File "C:\Users\<username>\Documents\ComfyUI\custom_nodes\comfyui-inspyrenet-rembg\Inspyrenet_Rembg.py", line 4, in <module> from transparent_background import Remover ModuleNotFoundError: No module named 'transparent_background'
これは、ノードが内部で使用している transparent-background が ComfyUI の Python 環境に入っていないためです。次のコマンドをコマンドプロンプトで実行すると解消できます。<username> の部分は自分の Windows ユーザー名に置き換えてください。
"C:\Users\<username>\AppData\Local\Programs\ComfyUI\resources\uv\win\uv.exe" pip install transparent-background --python "C:\Users\<username>\Documents\ComfyUI\.venv"
背景を削除した最終結果は次のようになります。
実際の使い方
自分は次の流れで回すことが多いです。
- HiDream 側のプロンプトでモチーフとスタイルを決める
- 2 〜 4 回ほど生成してベース案を作る
-
easy imageChooserで 1 枚選ぶ - Qwen 側で不要な装飾を削る
- 必要なら色や細部をもう一度修正する
- 最後に背景を透過して保存する
ロゴ用途では、最初から長文プロンプトにするよりも、短い指示で何回か回したほうがブレが少ないと感じます。
調整のコツ
HiDream 側は形を決める
HiDream では、次の情報を優先して入れると方向性が安定しやすいです。
- モチーフ
- 構図
- スタイル
- 背景
例えば、次のような並びです。
Flat color logo of a rocket ship in a circle, minimalist, geometric, white background
Qwen 側は変更内容だけを書く
Qwen Image Edit では、ゼロから説明し直すより「何を変えるか」だけを書くほうが扱いやすいです。
悪い例:
Create a beautiful modern logo for a rocket startup company with a clean and simple look
良い例:
Keep the rocket shape, remove the stars, simplify the icon, change the color to navy
まとめ
ComfyUI でロゴを作る場合、生成モデルと編集モデルを分けるとかなり扱いやすくなります。
今回のワークフローでは、HiDream でロゴ案を作り、Qwen Image Edit で整え、最後に背景を透過する流れにしました。発想出しから仕上げまでを 1 つのワークフローにまとめられるので、ロゴの試作を短時間で回したいときに便利です。
まずは HiDream 側のプロンプトを自分のモチーフに置き換えて、Qwen 側では「どこを残して何を変えるか」だけを短く指示してみると、使いどころがつかみやすいはずです。
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