Google Antigravity 要件定義スキル:何を伝えればいいか、AIが質問してくれる
はじめに
AIで社内ツールを作ろうとして、スタートで詰まった。
「経費精算を楽にしたい」と伝えた。
AIは「具体的にどのような機能が必要ですか?」と聞いてきた。
...わからない。だから聞いてるのに。
「レシート撮影と自動入力」と答えた。
AIはスマホアプリを作り始めた。
違う違う、そうじゃない。GASでいいのに...
非エンジニアの個人開発で一番つらいのは、 「何をどう伝えればいいかわからない」 こと。
本記事では、 AIの方から質問してもらって要件を整理し、フォルダ名まで提案してもらうスキル の詳細を解説する。
前提条件
- Google Antigravity インストール済み
- まだの場合 → Antigravityインストールガイド
- プログラミング経験は不要
解決策:要件定義スキル
コンセプト
非エンジニアが複雑な指示を書かなくても、AIが質問しながら必要な情報を引き出す。フォルダ名も提案してくれる。
従来:
ユーザー: (フォルダ名で30分悩む)
ユーザー: 詳細な指示を書く(でも何を書けばいいかわからない)
↓
AI: 「具体的には?」(また聞かれる...)
新しいフロー:
ユーザー: 「経費精算を楽にしたい」(これだけ)
↓
AI: 「誰が使いますか?」(質問してくれる!)
↓
(5つの質問に答えるだけ)
↓
AI: フォルダ名は `team-expense-assistant` でいかがですか?
(理由: チーム利用であること、業務を補助する役割を明確にするため)
↓
ユーザー: はい
↓
AI: ✅ フォルダを作成しました
質問フロー
AIが聞くのは、Q0 + 5つの質問。
| # | 質問 | なぜ聞くのか |
|---|---|---|
| 0 | 今回はどんなものを作りたいですか? | プロジェクトの全体像を把握 |
| 1 | 誰が使いますか? | 自分だけ?チーム?で作り方が変わる |
| 2 | 必須の機能を3つ挙げてください | あれもこれも、を防ぐ |
| 3 | いつまでに必要ですか? | 急ぎなら簡易版から |
| 4 | 外部サービスの費用は出せますか? | 無料で作るか、有料API使うか |
| 5 | 最終的に誰に見せますか? | 上司向け?自分用?で仕上がりが変わる |
この質問に答えるだけで、AIが要件を整理し、センスのいいフォルダ名まで提案してくれる。
実装方法
Antigravityに指示を出す
skills/requirements-gathering フォルダで以下を実行:
skills/requirements-gathering/SKILL.md を作成してください。
フォルダがなければ作成してください。
【解決したい悩み】
非エンジニアの個人開発で、
1. フォルダ名で30分悩む(センスのいい名前にしたい)
2. 何を伝えればいいかわからない
3. 伝えたつもりが違うものができる
【トリガー】
- 「〇〇を作りたい」
- 「〇〇が欲しい」
- 「〇〇を自動化したい」
- 「〇〇を楽にしたい」
【質問フロー(この順序を必ず守ること)】
Q0: 今回はどんなものを作りたいですか?(必須・最初に聞く)
Q1: 誰が使いますか?
Q2: 必須の機能を3つ挙げてください
Q3: いつまでに必要ですか?
Q4: 外部サービスの費用は出せますか?
Q5: 最終的に誰に見せますか?
【出力】
- 要件サマリー(プロジェクト概要、要件詳細、技術方針)
- 推奨フォルダ名(半角英数字・ハイフンのみ)+ 命名理由
- 承認後にフォルダを作成
【フォルダ名の命名ルール】
- 半角英数字とハイフンのみ
- プロジェクトの目的が一目でわかる名前
- 命名理由も一緒に提示する
【制約事項】
- 質問の省略禁止: Q0〜Q5 はすべて実行すること
- 順序変更禁止: 必ず Q0 → Q1 → Q2 → Q3 → Q4 → Q5 の順で実行
- 1問ずつ対話: 複数の質問を一度に聞かない
- 「わからない」「未定」も有効な回答として受け入れる
- 非エンジニアにもわかる言葉で説明する
作成されるファイル構成
Projects/
├── skills/
│ └── requirements-gathering/
│ └── SKILL.md ← 要件定義スキル
└── team-expense-assistant/ ← 自動作成される(センスのいい名前!)
デモ:実際の対話フロー

AIが1問ずつ質問し、回答を確認しながら進む。
経費精算を楽にするツールを作りたい
Q1: ユーザー
AI: 経費精算ツールの開発ですね!いくつか質問させてください。
このツールは誰が使いますか?
例: 自分だけ、チームの5人、部署全員
ユーザー: 自分とチームの5人
Q2: 機能
AI: 絶対に必要な機能を3つ挙げてください。
(3つに絞ることで、最初に作るものを明確にします)
ユーザー: レシート撮影、自動入力、月次レポート
Q3: 期限
AI: いつまでに必要ですか?
例: 今週中、来月末、急ぎではない
ユーザー: 来月末まで
Q4: 予算
AI: 外部APIやサービスの費用は出せますか?
例: 無料のみ、月1000円まで、必要なら相談
ユーザー: 無料でお願いしたい
Q5: 成果物
AI: 最終的に誰に見せますか?
例: 自分用、上司に承認してもらう、お客様に提出
ユーザー: 経理部長に承認してもらう
要件サマリー + フォルダ名提案

回答が構造化され、フォルダ名も自動で提案される。
AI: では、要件をまとめます。
## 要件サマリー
### プロジェクト概要
チーム向け経費精算効率化ツール
### 要件詳細
| 項目 | 内容 |
|------|------|
| ユーザー | 自分とチーム5人 |
| 必須機能 | レシート撮影、自動入力、月次レポート |
| 期限 | 来月末 |
| 予算 | 無料のみ |
| 成果物 | 経理部長への報告用 |
### 技術的な方針(提案)
- Google Apps Script + Spreadsheet(無料で使える)
- Gemini API(無料枠)でOCR
---
📁 フォルダ名は `team-expense-assistant` でいかがですか?
**命名理由**:
- `team-` → チームで使うツールであることが明確
- `expense-` → 経費関連であることがわかる
- `-assistant` → 業務を補助する役割を示す
この内容で開発を進めてよろしいですか?
ユーザー: はい
AI: ✅ フォルダ「team-expense-assistant」を作成しました
30分悩んでいたフォルダ名が、5つの質問に答えるだけで決まった。しかもセンスがいい。
フォルダ名の提案例
| やりたいこと | 提案されるフォルダ名 | 命名理由 |
|---|---|---|
| 経費精算を楽にしたい | team-expense-assistant |
チーム利用 + 経費 + 補助 |
| 日報を自動化したい | daily-report-bot |
日次 + レポート + 自動化 |
| FAQを作りたい | faq-system |
FAQ + システム |
| 議事録を自動作成したい | meeting-notes-ai |
会議 + メモ + AI活用 |
| 請求書を自動で作りたい | invoice-generator |
請求書 + 生成 |
もうフォルダ名で悩まない。命名センスはAIに任せる。
非エンジニアの個人開発でありがちな失敗
| 失敗パターン | 原因 | このスキルでの解決 |
|---|---|---|
| フォルダ名で30分悩む | 命名センスがない | AIが理由付きで提案 |
| 「レシート撮影」→スマホアプリ | 技術制約を伝えてない | Q4で「無料」→GAS選択 |
| 「自動入力」→OCR精度の話 | やりたいことが曖昧 | Q2で「3つに絞る」→明確化 |
| 3日経っても完成しない | スコープが広がりすぎ | Q2で「3つだけ」→最小限 |
つまずきポイント
1. スキルファイルが作成されない
問題: Antigravityに「スキルを作成して」と指示しても、フォルダが作成されないことがある。
解決策: 「フォルダがなければ作成して」と明示的に指示する。
2. 質問が一度に全部表示される
問題: 5つの質問がまとめて表示されてしまう。
解決策: 「1問ずつ対話形式で」と指示に明記する。
3. フォルダ名が気に入らない
問題: AIが提案したフォルダ名がしっくりこない。
解決策: 「別の候補も出して」と言えば、複数の候補を提案してくれる。
まとめ
- 非エンジニアでも要件定義できる — AIが質問してくれるから
- 5つの質問に答えるだけで要件が整理される
- フォルダ名もAIが提案 — 命名センス不要、理由付きで安心
- 「無料」「来月末」などの制約が、技術選定に反映される
次は「設計スキル」で、どのツールで作るかを決める。
シリーズリンク
| # | 記事 | 内容 |
|---|---|---|
| 0 | 全体像 | ワークフローで一気通貫開発 |
| 1 | 要件定義スキル(本記事) | 5つの質問で要件を引き出す |
| 2 | 設計スキル | AIが選択肢を出してくれる |
| 3 | レビュースキル | AIダブルチェックで品質担保 |
| 4 | ドキュメントスキル | 上司報告資料まで自動生成 |
| 5 | 振り返りスキル | 良かった点・問題点・次やることを整理 |
| 6 | 学びの継承スキル | 過去の学びを自動で次に活かす(発展編) |
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