📊

Google Antigravity インサイトスキル:過去の学びを自動で次に活かす

に公開

Before:基本編だけだと「やりっぱなし」

基本編:一気通貫で終わり

After:発展編で「好循環」に

発展編:好循環サイクル


はじめに

3つ目のプロジェクトを始めた。

また要件定義で苦労している。


「あれ、前回も同じところで詰まった気がする...」

振り返りレポートは書いた。でも、見返していない。


「API連携、前回どうやって解決したっけ?」

探すのが面倒で、また一から調べ直している。


振り返りを書いても、 次に活かせていない

本記事では、 複数プロジェクトの振り返りを自動で分析し、新プロジェクト開始時に提言してくれるスキル を紹介する。

前提条件

  • Google Antigravity インストール済み
  • 基本編のワークフロー・スキルを導入済み
  • 2つ以上のプロジェクトを完了している(振り返りデータが必要)

解決策:学びの継承スキル

コンセプト

振り返りレポートを自動で集約・分析し、新プロジェクト開始時に過去の学びを提言する。

プロジェクトA完了 → 振り返りレポート → .insights/ に自動コピー
プロジェクトB完了 → 振り返りレポート → .insights/ に自動コピー
プロジェクトC完了 → 振り返りレポート → .insights/ に自動コピー

新プロジェクト開始(/team)

AI: 過去3件のプロジェクトから以下の傾向があります:
    - 苦労フェーズ: 実装(3件中2件)
    - よくある問題: API連携で苦戦
    
    💡 提言: API連携がある場合は設計段階でプロトタイプを作る

3つの機能

機能 説明 タイミング
収集 振り返りレポートを .insights/ にコピー プロジェクト完了時(自動)
分析 傾向を抽出(苦労フェーズ、よくある問題、成功パターン) /team 実行時(自動)
提言 過去の学びを新プロジェクトに反映 Phase 0 で表示

ファイル構成

projects/
├── .insights/                    ← 横断分析用フォルダ
│   ├── retrospectives/           ← 振り返りレポート集約
│   │   ├── 2026-01-expense-manager.md
│   │   ├── 2026-01-customer-bot.md
│   │   └── ...
│   ├── patterns.md               ← 傾向分析結果
│   └── checklist.md              ← 過去の学びから生成したチェックリスト

├── expense-manager/
│   └── docs/RETROSPECTIVE.md     ← プロジェクト固有

└── skills/
    ├── insights/
    │   └── SKILL.md              ← 学びの継承スキル
    └── retrospective/
        └── SKILL.md              ← 振り返りスキル(更新版)

ワークフローの変化

Before(基本編)

/team 実行

Phase 1: 要件定義

Phase 2〜6: ...

After(発展編)

/team 実行

Phase 0: 過去の学びを確認 ← 新規追加

Phase 1: 要件定義

Phase 2〜6: ...

振り返り完了時: .insights/ に自動コピー ← 新規追加

デモ:Phase 0 の動作

Phase 0 の分析結果
過去3件のプロジェクトを自動分析し、傾向と具体的な提言を表示。

ユーザー: /team

AI: 🚀 AIチーム開発ワークフロー開始

📊 過去のプロジェクトからの学び

過去 3件 のプロジェクトを分析した結果:

【苦労フェーズの傾向】
| フェーズ | 回数 | 割合 |
|----------|------|------|
| 🔴 実装 | 2 | 67% |
| 🟡 要件定義 | 1 | 33% |

→ 実装フェーズで苦労しがち。

⚠️ 注意すべき点(よくある問題)

1. API連携・外部ライブラリで苦戦(2件で言及)
   - Google Drive API、PDF生成ライブラリで予想外の工数
   - 対策: 設計段階でプロトタイプを作る

2. テストが後回しになる(2件で言及)
   - 最後にバグが多数発覚
   - 対策: テスト駆動開発を意識する

3. スケジュール遅延(2件で「やや遅れ」)
   - 外部連携がある場合は工数を1.5倍で見積もる

✅ これまでうまくいった方法(成功パターン)

1. 設計書を詳細に書くと実装がスムーズ(3件中2件で言及)
2. 5つの質問で要件が明確になった(2件で言及)
3. 設計段階でプロトタイプを作ると不確実性が減る(1件で言及)

📋 今回のプロジェクトへの提言

- 外部APIや新しいライブラリを使う場合は、設計段階でプロトタイプを作る
- 実装と並行してテストを書くことを意識する
- 外部連携がある場合は工数を1.5倍で見積もる

これらを意識して進めますか?
- はい → Phase 1(要件定義)へ進みます
- チェックリストを見る → .insights/checklist.md を表示します
- スキップ → 過去の学びを無視して開始します

ユーザー: はい

AI: Phase 1: 要件定義 に進みます。
    何を作りますか?

ポイント:

  • 過去3件の振り返りから傾向を自動抽出
  • 「実装で苦労しがち」「API連携で苦戦」などの具体的な傾向
  • 「設計書を詳細に書く」「プロトタイプを作る」などの成功パターン
  • 今回のプロジェクトへの具体的な提言

振り返りレポートのフォーマット

学びの継承スキルが分析しやすいよう、振り返りレポートにYAML frontmatterを追加した。

---
project: expense-manager
date: 2026-01-26
satisfaction: B
hardest_phase: C
timeline: C
tags:
  - GAS
  - 経費精算
  - API連携
---

# 振り返りレポート

## Keep(良かった点)
- 設計書が明確で実装がスムーズだった

## Problem(問題点)
- API連携で苦戦した

## Try(次回試したいこと)
- API連携は設計段階でプロトタイプを作る
フィールド 意味
satisfaction A/B/C/D A=期待以上, B=期待通り, C=やや不満, D=不満
hardest_phase A/B/C/D/E A=要件定義, B=設計, C=実装, D=レビュー, E=ドキュメント
timeline A/B/C/D A=早い, B=予定通り, C=やや遅れ, D=大幅遅れ
tags リスト 技術・ドメインのタグ

分析項目

学びの継承スキルは以下の傾向を自動抽出する。

分析項目
苦労フェーズの傾向 「実装で毎回苦労している」
よくある問題 「API連携で苦戦しがち」「テストが後回し」
成功パターン 「設計書を詳細に書くとスムーズ」
満足度の傾向 「期待通りが多い」
スケジュールの傾向 「やや遅れがち」

導入手順

Step 1: 既存スキルの更新

Antigravityに以下を指示:

skills/retrospective/SKILL.md を更新してください。

【変更内容】
- 振り返りレポートにYAML frontmatterを追加
- 振り返り完了時に .insights/retrospectives/ へ自動コピー

Step 2: 学びの継承スキルの作成

skills/insights/SKILL.md を作成してください。

【機能】
- 収集: 振り返りレポートを .insights/retrospectives/ に集約
- 分析: YAML frontmatterから傾向を抽出
- 提言: 新プロジェクト開始時に過去の学びを表示

【分析項目】
- 苦労フェーズの傾向
- よくある問題
- 成功パターン

Step 3: ワークフローの更新

.agent/workflows/team.md を更新してください。

【変更内容】
- Phase 0「過去の学びを確認」を追加
- .insights/ がない場合はスキップ
- ある場合は分析結果を表示してから Phase 1 へ

Step 4: フォルダ作成

.insights/retrospectives/ フォルダを作成してください。
.insights/patterns.md と .insights/checklist.md も作成してください。

つまずきポイント

1. Phase 0 が表示されない

問題: /team を実行しても Phase 0 が表示されない。

原因: .insights/retrospectives/ に振り返りレポートがない。

解決策: 最低2つのプロジェクトを完了させ、振り返りを書く。

2. 分析結果が的外れ

問題: 傾向分析の結果が実感と合わない。

原因: データが少ない(2-3件では傾向が出にくい)。

解決策: 5件以上のプロジェクトを完了させると精度が上がる。

3. 既存の振り返りが反映されない

問題: 以前のプロジェクトの振り返りが分析に含まれない。

原因: 旧フォーマット(YAML frontmatterなし)で書かれている。

解決策: 既存の振り返りにYAML frontmatterを追加し、.insights/retrospectives/ に手動コピー。

まとめ

  • 振り返りを書いて終わり、にしない — 自動で次に活かす
  • プロジェクト完了時に .insights/ へ自動集約
  • /team 実行時に過去の傾向を自動分析
  • 「また同じところで詰まった」を防ぐ

振り返りは書くだけでは意味がない。次に活かして初めて価値がある。


シリーズリンク

# 記事 内容
0 全体像 ワークフローで一気通貫開発
1 要件定義スキル 5つの質問で要件を引き出す
2 設計スキル AIが選択肢を出してくれる
3 レビュースキル AIダブルチェックで品質担保
4 ドキュメントスキル 上司報告資料まで自動生成
5 振り返りスキル 良かった点・問題点・次やることを整理
6 学びの継承スキル(本記事) 過去の学びを自動で次に活かす

参考リンク

GitHubで編集を提案

Discussion