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Dockerのマルチステージビルディングを利用して、開発環境と本番環境を構築する方法

2024/06/09に公開

はじめに

このページではDockerのマルチステージビルディングを利用して、開発環境と本番環境を構築する方法について記述します。

Dockerのマルチステージビルディングとは

Dockerのマルチステージビルディングは、1つのDockerfile内で複数のビルドステージを定義し、最終的なイメージに不要な中間ステージを省略することで、より小さく効率的なイメージを作成する技術です。これにより、開発環境と本番環境の両方を1つのDockerfileで管理できます。

開発環境と本番環境のDockerfileの構築

基本のDockerfileの構成

以下に、Node.jsアプリケーションを例にした基本的なマルチステージビルドのDockerfileを示します。

# 開発ステージ
FROM node:14 AS development
WORKDIR /app
# パッケージインストール
COPY package*.json ./
RUN npm install
# アプリケーションソースのコピー
COPY . .
# 開発用にアプリケーションをビルド
RUN npm run build

# 本番ステージ
FROM node:14-alpine AS production
WORKDIR /app
# パッケージインストール(production依存関係のみ)
COPY package*.json ./
RUN npm install --only=production
# ビルドされたアプリケーションをコピー
COPY --from=development /app/dist ./dist
# アプリケーションの起動
CMD ["node", "dist/app.js"]

開発環境の構築方法

開発環境のDockerイメージを作成するためには、以下のコマンドを実行します。

docker build --target development -t myapp-development .

このコマンドは、development ステージまでのイメージをビルドし、myapp-development というタグで保存します。

本番環境の構築方法

本番環境のDockerイメージを作成するためには、以下のコマンドを実行します。

docker build --target production -t myapp-production .

このコマンドは、production ステージまでのイメージをビルドし、myapp-production というタグで保存します。

マルチステージビルディングのメリット

  1. ビルド時間の短縮:
    • 必要な部分だけをビルドするため、時間を節約できます。
  2. イメージサイズの削減:
    • 本番環境用のイメージから開発ツールや不要なファイルを除外できます。
  3. 管理の一元化:
    • 開発と本番のビルドを1つのDockerfileで管理でき、メンテナンスが容易になります。

まとめ

Dockerのマルチステージビルディングを利用することで、開発環境と本番環境の構築が効率化され、より小さく最適化されたイメージを作成することができます。これにより、開発プロセスが簡素化され、デプロイメントの信頼性も向上します。是非、あなたのプロジェクトでもマルチステージビルディングを活用してみてください。

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