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Microsoft Agent 365 ってなにがうれしいの

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Advent Calendar

こちらの記事は なんでもCopilot Advent Calendar 2025 の 4 日目の記事です!

12/15 のなんコパに来てくれ

【月曜】なんでもCopilot#59 臨時会!Agent 365 についてゆっくりじっくり理解する! - connpass というところで、オンラインで、Microsoft Agent 365 についてさけみさんがお話しする機会があります!
今のところ 150 人くらい参加登録があるので、ぜひぜひご参加くださいまし!!

TL;DR

  • Microsoft Agent 365 は AI agent を安全に利用するための仕組み
  • Microsoft Agent 365 は Microsoft 365 に似てるけど違う
  • 使わなくてもいいけど、リスクを知るために Microsoft Agent 365 の理解は重要

はじめに

最近巷でよく聞く Microsoft Agent 365 ですが、具体的に何がうれしいのか、という点について書いてみようかと思います。
あまり難しい話はせずに、ざっくりとした背景、イメージみたいなものを伝えるのが目的、という感じです。

Microsoft Agent 365 があるとき、ないとき

ちょうど今大阪に出張にきているので、あるときないとき 論法で説明してみるとします。

Microsoft Agent 365 がないとき

Microsoft Agent 365 がまだほぼ "無い"、この 2025 年末に、AI agent 的なものを業務で利用しようとしたときに、それはまるで野良 SaaS のようになっているわけですね。
例えばそれは Box や Dropbox のようなクラウド ストレージが、(自社での利用が認められていなかったとして)、社内ネットワークからつながるし、便利だし、いいじゃん、みたいな感じで使われてしまうのと同じようなものです。
AI agent を適当にインターネットで検索したり、YouTube でこうやったら便利!簡単!というのに飛びついてとりあえずよくわからないけど作ってみてとりあえず使ってみるみたいな。

これらの SaaS 的な便利なさむしんぐに関して、便利だけど、管理されていない状態で使うのは、さすがにちょっとよくなさそうだな、という感覚はお持ちの方も多いのではないでしょうか、多いといいのですが。
シンプルに情報漏洩につながりそうだな、という気もしますし、そもそもそのアカウントが管理されていなければ、退職した後だってアクセスできたり、どこか管理外に情報が保存されているというのはシンプルに危なさそうです。

クラウド ストレージなどであれば、今では Cloud Access Security Broker (CASB) や Secure Web Gateway (SWG) などで制限をすることができるようになっていますが、同じようなものが AI agent にも必要になるのではないでしょうか。

Microsoft Agent 365 があるとき

ということで出てくるのが Microsoft Agent 365 (のいくつかある側面の一つ) です。
ここでは "安全ハーネス" というメタファーでご紹介してみようかと思います。

建築現場などで、見かけることがある、このこれは、ハーネスとかそういう感じで呼ばれています。

full harness
出典: 墜落制止用器具の選定と正しい使い方 | 日本安全帯研究会 【NO Accident Whith HARNESS】

AI agent は便利なんですが、その便利さゆえに、情報漏洩や不正利用などのリスクも伴います。
じゃあ、ある程度制限をかけるようなイメージで、この範囲で使ってね、不安なところは制限をかけるよ、というのが Microsoft Agent 365 の "安全ハーネス" 的なイメージです。

なんで Microsoft Agent 365 という名前なのか

Microsoft Agent 365 という名称、なんか Microsoft 365 と似てますよね。
実はライセンスとしても、Microsoft Agent 365 というのが出てくることが、なんとなく見えています。
まだ Frontier という preview みたいな状態ではあるのですが、以下のようなものが入っているようです。

  • Office apps
    • Outlook / Word / Excel / PowerPoint / OneNote / Access / Sway / Publisher
  • Collaboration and communication
    • Exchange Plan 1 / Teams
  • Accounts and security
    • Microsoft Entra ID Premium P2 / Cloud app security
  • Business apps
    • Power BI / Planner / Stream Plan 2 / PowerApps
  • Additional services
    • eDiscovery / Office 365 Data Loss Prevention

なんか Microsoft 365 E5 あたりと結構似てるなという感覚があります。

AI agent ってユーザーみたいじゃないか

という話を AI agent との通信をどう保護するのか に書いてます。
実際に、Microsoft Agent の identity にかかわる Microsoft Learn である Microsoft Entra Agent ID のエージェントユーザー - Microsoft Entra Agent ID |Microsoft Learn にも、エージェント ユーザー (agent user) という表現が出てきます。
AI agent がユーザーみたいだから、ユーザーと同じように Microsoft 365 みたいなライセンスが必要になってくるんだろうな、と今のところ理解しています。

なので、例えば Microsoft 365 for Agents みたいな名前になる可能性もあったのかもしれません。
しかし、Microsoft Agent 365: The Control Plane for Agents とあるとおり、それ以外の意味もあるため、そうはならなかったんだろうなと。
この点に関しては、また話すの長くなるのでまた、別の機会に。

Microsoft 365 と Microsoft Agent 365 の違い

ざっくりとしたイメージですが、AI agent はデバイスを持たない、という大きな違いから、Microsoft 365 に含まれる Intune や Microsoft Defender for Endpoint (MDE) といったモダン ワークプレイスを実現するための機能が不要になる、という理解をしています。

まとめ

ということで、とってもざっくり、Microsoft Agent 365 ってなにがうれしいの、という話を書いてみました。
まだ preview で未確定な部分も多いですが、AI agent を本気で "業務で" 利用していく、人間のユーザーと同じように協調・連携していく、ということを考えたときに、Microsoft Agent 365 のような仕組みが必要になる、それに向かって Microsoft Agent 365 を準備中、そのようなメッセージなんだと今のところ受け取っています。

正直、開発者目線というか、まずはどんどん AI agent 作っていこうぜ、便利にしていこうぜ、というところに水を差すというか、優等生が偉そうなこと言ってんな、という感覚はかなり否めないです。
ただ、ここまで完全なものを求めなくとも、こういうリスクがあって、どうリスクを軽減していく方法があるのか、それを知っているかどうかで、AI agent を業務で利用する際の安心感は大きく変わると考えています。
引き続き、Microsoft Agent 365 を皆様に広めていく活動を続けていけたらと思っておりますです。

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