因果推論本『Causal inference: What if』のまとめページ(はじめに)
この記事は以前、別ブログでまとめた記事のリライトです。
2020年4月から11月の間、『Causal inference: What if』 の勉強会をおこないました。
『Causal inference: What if』は、ハーバード大学のMiguel Hernan先生とJamie Robins先生が、因果推論のひとつの考え方をまとめた書籍です。
図を多用しており、解析方法の具体例も載っています。
リンク先には、書籍のPDF版(書籍自体は2022/12/29時点で未発売)だけではなく、書籍で例として取り上げているデータ、解析方法のコード(R, SAS, STATA, Python)が置いてあります。
書籍は、Part I, II, IIIの3部構成です。
(Part I〜IIIの動画や発表資料のリンクは整理しますが、ざっくりとしたリンクは次の通りです。発表資料。動画)
勉強会は2020年におこなったので、最新版とは内容が少々異なるところがあるかもしれません。大きな変更点は23章「Causal mediation」の追加です。
Part I: Causal inference without models
このPartでは、シンプルな状況下で、因果推論の考え方、条件、方法を説明しています。この書籍ではDAGを多用しています。そのため、DAGの見方・考え方にも一つのChapterで説明しています。
また、バイアスを交絡、選択バイアス、測定バイアスに分けており、特に選択バイアスの考え方は特徴的です。
このPartで説明している内容は、適宜KRSK氏のブログを参考にすると理解が捗ると思います。
Part Iの発表用資料、動画はこの記事にまとめています。
Part II: Causal inference with models
このPartでは、時間固定(Time-fixed) な状況下、つまり曝露もしくは介入、および共変量が一時点の情報しかない状況で、モデルを利用して因果推論する方法を説明しています。G-method(Parametiric g-formula, IP weighting, G-estimation) をメインに、従来の解析方法であるアウトカム回帰分析や傾向スコアを利用した解析方法も扱っています。
生存時間解析のChapterもあります。Cox回帰を使わず、Logisitic回帰を用いており、特徴的なChapterになっています。
さらに、因果推論への機械学習の利用にも一つのChapterを割いて説明しています。
Part IIの発表用資料、動画はこの記事にまとめています。
Part III: Causal inference from complex longitudinal data
このPartでは、時間変動(Time-varying) な状況下、つまり複数時点の曝露もしくは介入、および共変量の情報があり、ある時点の曝露(介入)が共変量や次の時点の曝露(介入)に影響を与えていく状況で、因果推論する方法を説明しています。
従来の解析手法(層別化や回帰モデル)ではバイアスを取り除くことができないので、G-methodを利用します。
最後に、Estimandを明確にし、観察研究でRCTを模倣する考え方であるTarget trialについて説明しています。
Part IIIの発表用資料、動画はこの記事にまとめています。
Chapter 0
What ifを読む前に、疫学で使う基本的な確率の考え方を勉強しました。スライドと動画は下記の通りです。
役に立つリンク集
ここでは、What ifを読む上で役に立つリンクをまとめていきます。
What ifで扱うDAGの一覧
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