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【事例紹介】国家公務員給与等実態調査の可視化と分析

に公開

目的

この記事では、Tableau のスキルアップを目的とし、e-Stat にホストされている、2007年度〜2024年度の18年分のデータを分析した結果を紹介します。Tableau Public のダッシュボードは、こちらです。

背景

DATA SABAR プログラム の受講を機に、オープン・データを可視化・分析し、Tableau Public にアップしています。今回は、e-Stat にアップされていた「国家公務員給与等実態調査」を可視化・分析した結果を共有します。😉

国家公務員給与等実態調査とは

この調査は、一般職 の国家公務員の人員及び給与等の実態把握を目的に、毎年行われています。e-Stat には、2007年度から調査データがホストされています。今回は、2024年度までの18年間分のデータを使い、分析をしました。国家公務員一般職の給与は、人事院が策定している俸給表で、職種毎に定義されています。俸給表の職種区分名は、馴染みがない方には分かりづらいため、以下の表で、具体的な職種名を紹介します。🤔

俸給表の職種区分の詳細

職種区分 具体的な職種例
医療職(一) 医師、歯科医師
医療職(二) 薬剤師、栄養士、臨床検査技師、放射線技師、言語聴覚士等
医療職(三) 看護師、助産師、保健師、准看護師
海事職(一) 船舶検査官、船舶測度官、外国船舶監督官
海事職(二) 船舶検査官、船舶測度官、外国船舶監督官
教育職(一) 主に大学の学長、教授、准教授、講師、助教、助手
教育職(二) 市町村立の中学校に勤務する教諭等
研究職 各省庁が管轄する国立研究機関での研究職
公安職(一) 警察庁の警察官、皇宮護衛官、都道府県警察の警察官、地方出入国在留管理局の入国警備官、刑務所、少年刑務所、拘置所等に勤務する職員
公安職(二) 検察事務官、公安調査官、少年院・少年鑑別所に勤務する職員、海上保安官
行政職(一) 官公庁で一般的な行政事務に従事する職員
行政職(二) 中学卒業後25年以上の経験年数、あるいは用務員らを指揮監督する者
指定職 各省庁の審議官級(事務次官、局長、部長級等)
税務職 国税庁や税務署に勤務する職員
専門スタッフ職 政策研究官、情報分析官、国際交渉官等、局長等に専門的な助言を提供する職員
専門行政職 植物防疫官、家畜防疫官、特許審査官、船舶検査官、 航空管制官等
第一号任期付研究員 一定の期間(任期)を設けて採用される研究職
第二号任期付研究員 研究分野の第一人者、または将来を担う若手の研究職
特定任期付職員 5年を上限とする任期が設けられている弁護士、医師、CIO補佐官、地域防災マネージャー等
福祉職 厚生労働省での制度設計、法務省での更生支援、国際福祉関連の調査・研究職

分析の設計

今回も、データありきのアプローチを採りました。 以下の問いを設定し、これらの問いに対する答えを探索しました。😘

  • 国家公務員(一般職)の数は、どう推移しているだろうか?
  • 国家公務員(一般職)の平均年齢は、どう推移しているだろうか?
  • 国家公務員(一般職)の平均月額給与は、どう推移しているだろうか?
  • 国家公務員(一般職)の平均年齢と手当には、どのような関係があるだろうか?

結論

観察事項

国家公務員(一般職)の数は、どう推移しているだろうか?
全体の傾向

  • 国家公務員(一般職)の数は、経年で緩やかに、減少傾向にあります。
  • 最大値は、2007年度の286,617名で、最小値は、2024年度の250,434名でした。

職種区分毎の傾向

  • 職種区分毎に見ると、医療職(一)、(二)、(三)は、2010年度から半分以下に減少しており、教育職(一)でも同様の傾向が観察されました。
  • 研究職は、医療職(一)、(二)、(三)ほどの落ち込みはありませんでしたが、2010年度に300名近く減少した後、微減で推移しています。
  • 公安職(一)は、2014年度まで微増傾向でしたが、以降は横ばいでした。公安職(二)は、経年で横ばいでした。
  • 行政職(一)は、2010年度まで減少傾向にありましたが、以降、減少数は緩やかになり、微減傾向が続いています。一方、行政職(二)は減少傾向が顕著で、2007年度は5,193名でしたが、2024年度は1,829名まで減少しています。
  • 指定職は、これまでの職種とは逆の増加傾向にあり、2010年度に832名で底を打った後、微増に転じ、2024年度には967名まで増加しています。
  • 税務職も、同様の傾向を見せており、2011年度に53,981名の最大値を記録した後、微減に転じ、2024年度には49,806名まで減少しています。
  • 専門スタッフ職は、2014年度までは右肩上がりでしたが、以降は減少に転じ、2024年度は154名に落ち着いています。
  • 専門行政職は、2010年度に8,207名まで増加しましたが、2014年度を境に減少に転じ、再び微増傾向に戻りつつあります。
  • 第一号任期付研究員の総数は、100名未満です。2009年度に88名でしたが、2010年度に19名まで減少し、以降、概ね増加傾向にあります。
  • 第二号任期付研究員の総数も、100名未満です。第二号任期付研究員は、職員数の増減が大きく、2020年度に32名の最小値を記録した後、大幅な増加に転じ、2023年度には95名の最大値を記録しました。
  • 特定任期付職員は、増加傾向にあります。2016年度まで急増した後、2020年度まで微減が続き、以降、再度、増加に転じています。
  • 福祉職は、2009年度に最大値の280名を記録した後、減少に転じ、2017年度に最小値の234名まで底打った後、大凡240〜250名で推移しています。

職種区分毎の職員数比率

  • 職種区分毎の職員数比率を見ると、行政職(一)が最多で毎年55%以上を占めています。次いで、税務職で、毎年概ね18〜20%を占めています。三位は公安職(二)で、概ね9%前後で推移しており、僅差で公安職(一)も、8.5%前後で推移しています。🧐

国家公務員(一般職)の平均年齢は、どう推移しているだろうか?
全体の傾向

  • 全職種の平均年齢は、41〜43歳に分布しています。
  • 最も平均年齢が低くかったのは、2007年度の41.4歳で、最も平均年齢が高かったのは、2014年度、2016年度で43.3歳でした。
  • 平均年齢は、2016年度を堺に毎年、下がり続け、直近の2024年度は、42歳でした。
  • 最も多くの職種が分布していた年齢帯は、40歳から47歳の間でした。又、平均年齢の範囲が大きかった年は、2017年度で、23.1歳の範囲がありました。
  • 最も平均年齢が低い職種は「第二号任期付研究員」で、33.5歳から36.4歳に分布しています。 最も平均年齢が高い職種は「指定職」で55.2歳から57歳に分布しています。

職種区分毎の傾向

  • 職種区分毎に平均年齢をプロットすると、大まかに三つの層に分けられます。一つ目は35歳未満〜42歳頃までの層で、二つ目は42歳〜50歳未満の層、三つ目は50歳以上の層です。
  • 年度によって、若干のバラつきはあるものの35歳未満〜42歳頃までの層は、第一号任期付研究員、第二号任期付研究員、公安職(二)が含まれています。42歳〜50歳未満の層は、最も多くの職種を含んでおり、50歳以上の層は、指定職、専門スタッフ職、医療職(一)、行政職(二)、教育職(二)等の管理職が含まれています。

国家公務員(一般職)の手当は、どう推移しているだろうか?
平均月額給与

  • 全職種の平均月額給与は、大凡、402,000円から418,000円の範囲で、推移しています。
  • 2007年度から平均月額給与は増額を続けていましたが、2019年度に約418,000円でピークを迎えた後、2023年度までは減少に転じ、2024年度に再度、増額しました。
  • 職種毎に平均月額給与が層化している ことが分かりました。最も多くの職種が集中する層は、300,000円〜500,000円でした。
  • 研究職、専門スタッフ、特定任期付職員の平均月額給与は、550,000円〜650,000円の間に分布しています。
  • 医療職(一)は、700,000円〜850,000円の間に分布しており、2008年度から2009年度に掛け、実に100,000円以上、平均月額給与が増額しており、2009年度以降も緩やかに増額し続けています。😲
  • 最も 平均月額給与が高かったのは指定職で、2007年度から2024年度まで、平均月額給与は1,000,000円以上で推移しています。🤔

俸給

  • 指定職の俸給がずば抜けて高く、850,000円〜900,000円で推移しています。
  • 次に高いのは、400,000円後半〜550,000円のレンジで、ここには特定任期付職員、専門スタッフ職、医療職(一)が含まれます。
  • 最も職種が集中するボリューム・ゾーンは、300,000円〜400,000円台です。

扶養手当

  • 扶養手当は、経年で金額の範囲が小さくなっています。2007年度、最大値は海事職(一)の17,536円、最小値は医療職(三)の3,303円でしたが、2024年度には、教育職(一)の16,214円、税務職の8,062円まで範囲は小さくなりました。
  • 扶養手当のボリューム・ゾーンは、経年で減少傾向にあることが分かりました。具体的には、2007年度には大凡11,000円〜15,000円だったものが、2024年度には8,000円〜13,000円まで減少しています。
  • 指定職は、欠損値が多く、データのある年度も扶養手当は0円でした。

住居手当

  • 住居手当は、増加傾向にあります。2007年度は、最大6,000円だったのに対し、2024年度には10,000円まで増加しています。
  • 2011年度までは、専門行政職と医療職(一)が住居手当の支給金額トップ2を占めていましたが、2014年度以降は、医療職(一)に代わり、研究職が支給金額トップになりました。
  • 一方、住居手当の支給金額が少ない職種は、指定職に加え、 専門スタッフ職、公安職(一)でした。

地域手当

  • 地域手当等は、経年で増加傾向にあります。2007年度の最大値は、指定職の118,717円でしたが、2024年度には166,229円に増額しました。増額は、2014年度から2016年度に掛けて、行われていることも分かりました。
  • 地域手当は指定職がダントツで高く、最も低かったのは、2009年度までは行政職(二)でしたが、2010年度以降は医療職(三)に変わりました。
  • 最も多くの職種が集中しているのは20,000円〜60,000円の範囲でした。その上に、60,000円〜80,000円の層があり、更にその上に80,000円〜100,000円強の層があることが分かりました。60,000円〜80,000円の層に属している職種は、第一号任期付研究員、第二号任期付研究員を含む研究職で、80,000円〜100,000円強の層には、医療職(一)、専門スタッフ職、特定任期付職員でした。

国家公務員(一般職)の平均年齢と手当には、どのような関係があるだろうか?
平均月額給与

  • 平均年齢と平均月額給与の間には、緩やかな正の相関が観察されました。2024年度の決定係数は約0.4228でした。
  • 経年で見ても大きな変化はなく、概ね0.3〜0.4の決定係数で推移しています。

俸給

  • 平均年齢と俸給の間にも、緩やかな正の相関が観察されました。2024年度の決定係数は約0.39823でした。
  • 俸給も経年で大きな変化はなく、概ね0.3〜0.43の決定係数で推移しています。

扶養手当

  • 平均年齢と扶養手当の間には、軽微な正の相関が観察されました。2007年度の決定係数は約0.3189で、緩やかな正の相関が観察されましたが、以降、決定係数は減少し続けています。

住居手当

  • 平均年齢と住居手当の間にも、軽微な正の相関が観察されました。
  • 経年で見ても、傾向は変わらず決定係数は約0.15未満で推移しています。

地域手当等

  • 平均年齢と地域手当等の間にも、緩やかな正の相関が観察されました。
  • 経年でも傾向は変わらず、2024年度の決定係数は、約0.2733でした。

観察から得られた示唆

  • 国家公務員の職種毎の人数比率は、経年で大きく変わっていないことが分かりました。🧐
  • 平均年齢は、41〜43歳に分布していることが分かりました。
  • 職種毎に手当をプロットすると、平均月額給与、俸給、地域手当等は、支給金額で層化していることが分かりました。中でも、各省庁の審議官級(事務次官、局長、部長級等)の指定職は、手当の水準が他職種に比べ、ずば抜けて高いことが分かりました。😓
  • 平均年齢と手当の関係では、平均月額給与、俸給、地域手当等は、総じて緩やかな正の相関があることが分かりました。

更なる改善策

  • 今回は、知りたいことを問いとして設定し、答えを探索するアプローチを採りましたが、分析を進める中で、目的を明確にする必要性を感じました。
  • 背景や目的を設定することで、より無駄のない分析ができるのではないかと感じました。🤔
  • 次回は、Tableau でのデータ探索と合わせ、分析の設計や計画を精緻化したいと思います。

学び

今回の分析を通じ、得られた学びは、以下の通りです。

  • 与えられたデータだけを読むのではなく、背景や定義を調べることで、より実用的な示唆を出せるようになると感じました。今回は、国家公務員の職種区分定義を調べ、それぞれ、具体的にどんな職種が該当するのかを調べてみました。
  • テクニックとしては、二重軸、構成比率のエリア・チャート、パラメーターでの複数メジャーの切り替え、ページ・コントロールでのアクションを使いました。
  • 一度、Viz を作った後、ダッシュボードにレイアウトすると、研ぎ澄ましの余地があることに気が付きました。具体的には、複数シートに分かれていたViz を、パラメーターで一つのViz にまとめる等、ワークシートとダッシュボードでの完成度は、違うことを実感しました。 🤔 ワークシートを作る時点で、ダッシュボードにレイアウトすることを予め想定しておけば、自ずとワークシートの質も上がっていくと思われます。
  • 今回のデータは、個別のデータ(個票)を集計したデータだったため、集計された、国家公務員という母集団の平均値を、Tableau で再度、平均値を求めて良いのか?等、一部、統計的な判断に悩む場面がありました。統計理論の復習を進め、自信を持って判断できるようになりたいと考えています。🤔
  • 今回は「国家公務員給与等実態調査」の概要シートだけを使いましたが、実際のデータには附票が付いており、様々な角度からデータが集計されています。将来的に、これらの附票も余すことなく使えるようになりたいと考えています。
  • ワークシートのタイトルはシンプルに付ける、不要なワークシートは削除する等、基本的ながら見過ごされがちなTips です。
  • ダッシュボードのデザインにあたり、【Tableauデザイン】ダッシュボードデザイン完全攻略 で学んだ、テンプレート・デザインを活用しました。テンプレートを使うことで、良いダッシュボードを見極める感性も鍛えられると感じました。
  • 全てのViz をダッシュボードにレイアウトする必要はなく、見せるに値するViz だけを選ぶスキルも重要だと感じました。
  • データの前処理にあたっては、Google スプレッドシートで余計な行や列を削除し、各年度のカラムを揃えた上で、Tableau Prep を使い、18年分のデータをユニオンしました。😁

出所

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