Cursor で GitHub 操作を効率化する方法 - GitHub MCP Server の活用ガイド
はじめに
Cursor をお使いの皆さん、こんにちは。日々の開発作業の中で、GitHub との行き来に時間を取られていませんか？この記事では、Cursor と GitHub を連携させる「GitHub MCP Server」の設定方法と活用例をご紹介します。この連携を行うことで、コーディングから GitHub 操作までをシームレスに行えるようになり、開発効率を大きく向上させることができます。
GitHub MCP Server とは
MCP (Model Context Protocol)
MCP は、アプリケーションが LLM にコンテキストを提供する方法を標準化するオープン プロトコルです。MCP は、AI アプリケーション用の USB-C ポートのようなものです。USB-C がデバイスをさまざまな周辺機器やアクセサリに接続するための標準化された方法を提供するのと同様に、MCP は AI モデルをさまざまなデータ ソースやツールに接続するための標準化された方法を提供します。
https://docs.anthropic.com/en/docs/agents-and-tools/mcp
GitHub MCP Serverを利用すると、AI エージェントが GitHub の操作を行えるようになります。GitHub MCP Server では、ファイル操作、リポジトリ管理、検索機能など、多くの GitHub API 機能を利用できます。詳細な機能一覧はGitHub MCP Server のリポジトリで確認できます。
連携のメリット
Cursor と GitHub MCP Server を連携することで得られる主なメリットは以下の通りです：
- GitHub の操作を自然言語で指示できる: リポジトリの作成、イシュー管理、PR のレビューなどを自然言語で指示できます
- コンテキスト切り替えの削減: エディタと GitHub の行き来が不要になり、開発に集中できます
- 複雑な操作も簡単に: 「このコードを GitHub にプッシュして、PR を作成して」といった複数ステップの操作を一度に指示できます
- AI による自律的な作業: AI が GitHub 上のコンテキストを取得し、それを基にコードを実装して人間に提案するといった、人間の介在なしに完結するタスクも可能になります
従来の開発フローとの比較
| 作業内容 | 従来の方法 | Cursor+GitHub MCP Server |
|---|---|---|
| イシュー作成 | GitHub サイトにアクセス →New Issue→ 内容入力 →Submit | 「GitHub で新しいイシューを作成して」 |
| PR レビュー | GitHub で PR を開く → コード差分を確認 → コメント入力 | 「最新の PR をレビューして」 |
| ブランチ作成 | ターミナルで git checkout -b→git push | 「新しいブランチを作成して」 |
| イシューの解決 | GitHub で Issueを確認 → 必要なコード変更 → コミット、プッシュ → プルリクエストを作成 | 「〇〇のIssueを解決するコードを実装して、PRを上げて」 |
セットアップ手順（3 ステップで完了）
1. GitHub の Personal Access Token（PAT）を作成する
- GitHub にログインし、右上のプロフィールアイコンをクリック
- 「Settings」→「Developer settings」→「Personal access tokens」→「Fine-grained tokens」へ進む
- 「Generate new token」をクリック
- 必要事項を入力
- 「Generate token」をクリックして作成完了
⚠️ 重要: 作成したトークンは必ず安全な場所に保存してください。画面を離れると二度と全文を見ることはできません。
2. Cursor に MCP サーバーを追加する
- Cursor を起動し、設定アイコン（⚙️）をクリック
- 「MCP」を選択
- 「Add new MCP Server」をクリック
- 以下の情報を入力：
- Name: 「GitHub」などの識別しやすい名前
- Type: 「Command」を選択
- Command: 以下のコマンドを入力
env GITHUB_PERSONAL_ACCESS_TOKEN=<your-token> npx -y @modelcontextprotocol/server-github
※ <your-token> の部分に先ほど作成した PAT を入力します
- 「Save」をクリックして追加完了
3. 動作確認
設定が完了したら、Cursor のチャットウィンドウで以下のようなコマンドを試してみましょう：
GitHubのissue一覧を取得して
owner: <your-owner>
repo: <your-repo>
正しく設定されていれば、GitHub のissue一覧が表示されるはずです。
実践的なユースケース
1. イシュー管理の効率化
新しいイシューを作成して：
タイトル：ログイン機能の実装
内容：
- ユーザー認証システムの実装
- セッション管理の追加
- パスワードリセット機能の実装
owner: <your-owner>
repo: <your-repo>
このように指示するだけで、GitHub に詳細なイシューが作成されます。
2. コードレビューの自動化
以下のPRをレビューして、コードの問題点や改善点を指摘して
<PRのURL>
AI がコードを分析し、コーディング規約との整合性、セキュリティの脆弱性、パフォーマンスの問題、ベストプラクティスの提案などの観点でレビューコメントを作成してくれます。
3. 設計と実装フェーズの分離
設計は GitHub Issue 上で行い、実装時には Issue の要件に従ってタスクを実行する効率的な開発フローも実現できます：
- まず Issue で詳細な設計を記述：
新しいイシューを作成して：
タイトル：ユーザー管理機能の設計
内容：
## 要件
- ユーザー登録、編集、削除機能
- 権限管理システム
- アクティビティログ
- 実装時には Issue を参照しながら作業：
イシュー#42の内容に基づいて、ユーザー管理機能を実装してください
これにより、LLM のコンテキスト長の制限を効率的に回避し、一貫性のある実装が可能になります。
まとめ
Cursor と GitHub MCP Server の連携は、3 ステップで簡単に設定できます。この連携によって：
- 開発効率が向上します: 日常的な GitHub 操作が自然言語で簡単に行えます
- コンテキスト切り替えが減少します: エディタとブラウザの行き来が不要になります
- AI の力を活用できます: 複雑な操作も自然言語で指示できます
- 人間の介在なしにタスクを完結できます: AI が GitHub 上のコンテキストを理解し、適切な実装や提案を行えます
まだ試していない方は、ぜひこの記事を参考に設定してみてください。開発体験が大きく向上するはずです。
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