スタートアップでのデータマネジメント戦略策定

2022/02/10に公開約5,500字

これはなにか

一人目のデータエンジニアとしてスタートアップに転職した猫が、初月から3ヶ月で全社のデータマネジメント戦略を策定するまでの進め方概要。

前提・背景

会社:30人規模のスタートアップ。経営戦略としてデータ基盤を作っていこうという意志はあった。
自分:11月に転職してきた。社内にデータ組織はなく、一人目の人材としてJOIN。戦略策定もデータマネジメントも経験なし。

全体スケジュール

検討における全体スケジュールは以下。

  • 11月頭 ~ 11月中旬:会社JOIN。組織のキャッチアップ、データマネジメント・データ基盤構築のキャッチアップなど。
  • 11月中旬 ~ 11月末:データマネジメント検討PJを経営に起案。検討体制の構築を承認。
  • 12月頭 ~ 12月中旬:検討PJ開始。現場からユースケースを収集。
  • 12月中旬 ~ 12月末:ユースケース整理、データ利活用方針策定。
  • 1月頭:データ利活用方針起案。
  • 1月頭 ~ 1月中旬:ユースケース深掘り
  • 1月中旬 ~ 1月末:必要データ洗い出し。
  • 2月頭 ~ 2月中旬:データマネジメント基本方針策定。データマネジメント戦略策定。
  • 2月中旬:データマネジメント戦略方針起案。

検討体制

  • CEO
  • 経営企画担当者
  • データエンジニア→僕

の3人がメインで、その他ヒアリング対象として、マーケやCSなど他部門の方が5~6名くらい。

インプット

そもそもデータマネジメントとはなんぞや?という状態であったため、急遽関連知識をインプットしました。

参考書籍

参考サイト

https://jp.drinet.co.jp/blog/datamanagement/oldxmsgcebbvw
https://qiita.com/manabian/items/e689daf5cc006eced737
など、「データマネジメント」、「データ基盤」などと検索して出てきたウェブサイト100ページくらいに目を通しました。

PJ体制構築

データ基盤・データマネジメントとは、データエンジニア一人で進めることはできないので、まず検討に業務部門を巻き込む必要がありました。(なぜなら、データ基盤に集約すべきデータは、その利活用ユースケースとセットになっている必要があるから)
そのため、経営会議で、データマネジメント活動やデータ分析基盤がないことによる現状のデータ課題と中長期的な競合リスクについて説明し、ひとまず各事業部の担当者をアサインしてもらうことに成功しました。

ユースケース収集

各事業部の担当者から、短期・中長期のデータ利活用の想定ユースケースを記載してもらいました。

ユースケース抽象化・データ利活用方針策定

ユースケース収集で現場から出してもらったアイデアは、直近の業務に紐づく近視眼的なものになりがちなので、PJ内で議論し、出てきたユースケースのグルーピングを行いました。
その上で、データを使ってこういう指標を上げていきたいよねというKGIを策定し、全社の経営戦略をベースにして優先順位付けを行い、これをデータ利活用方針として定義した上で、経営に起案しました。
優先順位が低くなったユースケースについては、正直まだデータが取れていなかったり、KPIの定義自体が不安定なものが多かったため、やることがクリアになっている直近一年間のユースケースにスコープを絞って、この先の検討を行うことにしました。

ユースケース深掘り

データ利活用方針が定義できたため、直近一年で優先すべきKGIを伸ばすために、どのようなデータ利活用を行えば良いか、マーケ・プロマネなど、関連部署の担当者を集め、ユースケースの再検討を行いました。
このタイミングでは、検討スコープがかなり絞れたことで、当初の洗い出しよりも、より具体的な案を出すことができました。
深掘りしたユースケースは、KGIへの貢献度を軸に、お客様アンケートやインタビューなどをベースにして、定量・定性面から優先度付けを行いました。

必要データ洗い出し

上記で確定させたユースケースを実現させるために、どのようなデータが必要か、概念データレベルの定義を行いました。

https://jp.drinet.co.jp/blog/modeling_dri

データマネジメント戦略検討

ここでようやく本題のデータマネジメント検討に移ることができました。
ここでは、ユースケースを実現するために、全社として実現したい「データの状態・構造」や「組織・ルール・人材基盤」の方針について具体的に定義しました。
そして、その方針を実現するために必要な具体的な取り組みを、方針と1対1になるように定義しました。
定義したデータマネジメント方針・戦略・実現ロードマップを、経営に起案しました。

ネクストアクション

ロードマップに従って、データマネジメント組織の立ち上げ・データ管理活用ルール策定・データ品質改善のための業務プロセス改善・データ分析基盤開発・データ人材要件定義などの具体化を進めていきます。
人は全く足りていないので、ミニマムスコープのデータで、まず成功事例を一つ作ることを意識して、爆速で進捗を生みたいです。

感想

最初はとにかく何から手をつけていいのか分からず苦しい状態で、色んな本やサイトなどを眺めながら、中間成果物の内容を作っては壊しを繰り返していました。
最終的には、成果物品質とデリバリーの観点で満足のいくものが出来上がりましたが、要因としてはリサーチをかなりやったことと過不足ない体制で検討に臨めたことかなと思います。
一方で、そもそもデータに知見があまりない業務部門に、データマネジメントやデータ基盤の進め方を理解してもらうのに、時間がかかったなという反省もありました。(そもそも自分もよく分かっていない)
早くシステム開発に移りたい気持ちしかないですが、手前に検討しないといけないことが山ほどあるので、一つずつ着実に処理していけたらなーと思ってます。

Discussion

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