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同僚のエンジニアの退職をきっかけに、自分に問い直したこと

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英語を話す同僚が会社を辞めた。

技術も視野もすごく広いエンジニアで、近くで仕事する機会も多く、自分にとってはかなり学びの多い存在だった。でも、自分にとって英語でのやりとりはやっぱり簡単じゃなかったし、逆に彼にとっても、日本語中心の組織で働くことにはより難しさがあったと思う。

チャットでのやりとりも、どうしてもタイムラグが出てしまうと感じることがあった。自分の想像でしか無いが、日本語メインのやりとりがあふれているため、自分にとって普通のことも彼にとってはとても大変なことだったのではないかと思う。

だからこそ、せめて自分のほうでできることはやろうと思って、彼も含めてチャットでの返信はなるべく早くするようにしていた。相手に期待するためには、まずは自分がそれをできる必要があると思ったし、そのことで少しでも働きやすくなると良いと思ったからだ。でも、それもそれほど彼の状況を変えるほどの大きな効果はなかったと思う。

プロダクトの方向性についても、彼はしばしば不満を持っていたと思っている。プロダクト側との間に、ちょっと距離を感じていたようだった。彼は非常に技術志向だったので、現在のシステムの問題点について、周りよりも良く見えていたし、ソフトウェア開発者としての視座も誰よりも高かったと思う。だからこそ、ソフトウェアの品質改善への投資や新しい技術的なチャレンジを進めたかったはずだが、プロダクト側との交渉にはいつも難しさを感じていたように思う。

私は、彼とプロダクト側の両方がお互い納得して今何をやるべきか意思決定できるように、SLOの導入を提案して進めているところだった。私は、彼もプロダクトメンバーもサービスのためにやるべきことは何かを考えていることを知っていた。見ている時間軸が少しズレているだけだと思ったからだ。

ただ今振り返ると、自分の取り組みは、あくまで「彼のために何かをやっている、と自分が安心するためだけの行動」だったような気もしている。自分のやっていた取り組みだけではすぐに変化は起きないということは薄々感じていた気がする。たぶん、言語や役割の違いだけじゃなく、彼と人·組織との直接的なつながりの弱さにもう少し向き合えていたほうが良かったのかもしれない。

彼と関わる人を組織内でもっと広げるとか、そのための場を設計するとか、そっちのほうが良かった気もする。でも、自分の英語力やコミュ力、社内でのロールを理由にして、やらずにいた部分があった。

私は内向的なのでそういう動き方は苦手だが、その分、孤立することに息苦しさは人より知っていると思う。だからこそ、何か行動したいとは思えたのだが、やっぱり足りなかった。

彼が辞めたことをきっかけに、自分の行動を見直すことになった。自分には何かと理由をつけては自己満足に気持ちを逃がすところがあるのだと思う。まずはそこから少しずつ変えていきたい。

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