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UnityWebRequestで逐次受信を実現する方法
UnityWebRequestで逐次受信を実現する方法
初めてゲームやアプリ開発を始めると、「ネットワークからデータを受け取る」場面が頻繁に出てきます。しかし、通常のUnityWebRequestやDownloadHandlerBufferでは、サーバから送られてきたデータをまとめて受信する形が多く、「リアルタイムで途中経過を処理するのは難しい…」と感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、UnityWebRequest が提供している DownloadHandlerScript を活用すれば、データを小分け(チャンク)で受け取りつつリアルタイムに処理することが可能です。この記事では、その問題点と解決策を具体的に解説し、あなたの開発をよりスムーズに進めるためのヒントをお伝えします。
なぜリアルタイムのデータ受信が必要?(問題)
一括受信のデメリット
- 通常の
DownloadHandlerBuffer
を使うと、通信が完了するまでまとめてデータを受け取ります。 - 大量データを扱う場合は、完了までユーザーに何も見せられない、UIが更新されないなどの問題が生じやすいです。
リアルタイム処理が欲しいシーン
- 大量ログの逐次取得: ゲームサーバから常時送られるステータスをリアルタイムに解析したい。
- 部分的なメッセージやストリーミング: チャットのように、到着したメッセージをそのまま表示したい。
- OpenAIや一部のWebサービス: Chunked Transferを利用して途中経過を返すため、それに合わせて逐次処理したいケースがある。
DownloadHandlerScriptによるリアルタイム処理(解決)
使い方の概要
-
DownloadHandlerScriptの継承クラスを作る
-
DownloadHandlerScript
はReceiveData
やCompleteContent
などをオーバーライドし、チャンクが届くたびに好きな処理を挟めます。
-
-
UnityWebRequestにセットする
-
request.downloadHandler = new MyDownloadHandlerScript();
という形でアサイン。
-
-
サーバ側の応答形式を確認
- “chunked transfer encoding” でデータが流れてくるかどうか、あるいはストリーミング対応しているかにより、リアルタイムで処理できるかが左右されます。
簡易サンプル
using UnityEngine;
using UnityEngine.Networking;
public class ChunkedDownloader : MonoBehaviour
{
private void Start()
{
// 例: Start時にダウンロードを開始
StartCoroutine(DownloadInChunks("https://example.com/api/stream"));
}
private System.Collections.IEnumerator DownloadInChunks(string url)
{
using (UnityWebRequest request = new UnityWebRequest(url, "GET"))
{
request.downloadHandler = new MyDownloadHandler();
yield return request.SendWebRequest();
if (request.result == UnityWebRequest.Result.ProtocolError ||
request.result == UnityWebRequest.Result.ConnectionError)
{
Debug.LogError("Error: " + request.error);
}
else
{
Debug.Log("Complete content received!");
}
}
}
}
public class MyDownloadHandler : DownloadHandlerScript
{
protected override bool ReceiveData(byte[] data, int dataLength)
{
if (data == null || dataLength == 0) return true;
// ここで部分的に受け取ったdataを文字列化
string chunk = System.Text.Encoding.UTF8.GetString(data, 0, dataLength);
Debug.Log("[Chunk] " + chunk);
return true; // 続行
}
protected override void CompleteContent()
{
// 最後に呼ばれる
Debug.Log("All content has been received.");
base.CompleteContent();
}
}
-
ReceiveData
がチャンクごとに呼び出されるため、サーバから小分けにデータが送信されれば、そのたびにログ出力やUI更新を行えます。 -
CompleteContent
で最後の仕上げをすると、通信終了後の後処理が明確。
実運用のポイント
- 誤検知や誤動作を考慮: 満員電車のように混雑した状態…ではなく、ネットワークが不安定な環境を想定したエラー処理を入れておきましょう。
- サーバ設定: HTTPヘッダーが chunked transfer やストリーミングをサポートしているか事前に確認しないと、一括レスポンスになることもあります。
- リアルタイム性: Chunkが届くタイミングはサーバ次第ですが、通常の一括ダウンロードに比べると心理的に「リアルタイム処理」を感じられます。
大量データや進捗を可視化したいケースに有効
チャンク受信を使えば、ダウンロードの進捗バーや途中の解析結果をユーザーに見せるなど、多彩な応用が可能です。特に大規模ファイルや連続メッセージを扱うシーンで、受信完了まで待たせなくて済むのは大きなメリットといえます。
【CTA2の前にひとこと】慣れないうちは一括取得でも問題ありませんが、ユーザーの体験向上やアプリ内でのインタラクションを増やすため、ぜひストリーミング的な受信方法も選択肢に入れてみましょう。
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以上で、UnityWebRequestとDownloadHandlerScriptを組み合わせたチャンク受信について解説しました。初心者にとっては少しハードルが高いと感じるかもしれませんが、仕組みを理解すれば難しくありません。ぜひ本記事を参考に、よりスムーズかつユーザーフレンドリーなネットワーク機能を実装してみてください。
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