couseraでSpecializationを修了した
はじめに:Courseraとは何か
couseraは、大学や研究機関、企業が提供する講義をオンラインで受講できる学習プラットフォームです。
いわゆる「動画を見るだけの学習サービス」とは異なり、
- 講義
- クイズ
- 課題
- プロジェクト
を前提とした、大学の授業に近い構成を持つのが特徴。
本記事では、その中でも Specialization(複数講義+最終プロジェクトから成るプログラム)を、実際に修了した体験をもとに整理します。
受講した理由
- 自分がやっていることに自信が持てなかったこと
- 海外の情報系の学生がどの程度のレベルかを知りたかったこと
- 自分で設定できる課題には限界を感じていたこと
それまでは技術書を読みそこに載っている課題にチャレンジしたり、そこから自分で発展させた課題に取り組んだりしていましたが、やはり自分で設定できる課題のレベルには限界があると感じでいました。また、自分が情報系出身ではないこともあり、自分が取り組んでいることのレベルがどの程度なのか不安もありました。
そこで、大学の情報系の講義の単位に挑戦してみようと考えました。
今回受講した Specialization の概要
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分野 | Computer Science(Embedded / Real-Time Systems) |
| 受講形式 | Specialization |
| 提供元 | University of Colorado Boulder |
| 得られるもの | 修了証(Specialization Certificate) |
| 学位・単位 | なし |
| 公式想定期間 | 約16週間 |
| 実際の受講期間 | 約半年 |
| 料金 | 約 ¥10,000 / 月(サブスクリプション) |
講義の内容
内容(上記ページより)
The Real-Time Embedded Systems specialization is a series of four course taking you from a beginning practitioner, to a more advanced real-time system analyst and designer. Knowledge and experience gained on hard to master topics such as predictable response services, when to allocate requirements to hardware or software, as well as mission critical design will enhance your engineering talent. You will gain experience building a simple, but real, system project with real-time challenges, that will boost your confidence.
修了証(Specialization Certificate)について
-
大学の1単位みたいなもの
-
LinkedInに掲載できる
-
↓のようなものがもらえる

-
学位ではない
- 学位を取るコースもあるが、300万円近くかかるので諦めました、、、
- (ものによっては)学位を取る際の単位の一つにカウントできる
補足
- 難易度、評価方法、分量、料金は講義により異なります。
- 基本的なコーディングができればOKとかクイズだけみたいなものもあります。
講義について
講義の構成
- 全4モジュール
- 1モジュールあたり4週間想定
- 各週の内容
- 20分程度の動画講義 × 6〜10本
- 理解確認クイズ
- 課題 1〜2個
- 最終週にプロジェクトあり
講義やクイズは軽いですが、実際に時間がかかるのは課題とプロジェクトです。
教材
講義
- 講義言語:英語のみ
- 日本語字幕:あり(翻訳精度は高くない)
- 英語スクリプト・スライド:提供あり
実際には、日本語字幕を追うより英語スクリプトとスライドを読む方が理解しやすいと感じました。
クイズ
- couseraのwebサイト上で行われる。
- 英語
課題
- cousera上で出題、提出
- 英語
最終プロジェクトの内容
プロジェクト概要
- 時計を 0.1秒間隔 でカメラ撮影
- 撮影時間:3分間(合計1800枚)
- 撮影した画像をファイル保存
- 1枚も文字や針がぶれてはいけない
単に周期的に動くシステムではなく、表示が確定している瞬間を必ず捉える必要があります。
要求されるスキル
- 周期的タスクの作成
- 厳密なタスク周期の維持
- 各処理を締め切り内に必ず終わらせる設計
周期タスク自体は作れても、撮影タイミングが少しでもずれると即失敗になります。
1800枚中1枚も失敗が許されないという条件が、設計の甘さをすべて露呈させます。
評価・修了条件
- 講義:最後まで見れば(再生すれば)OK
- クイズ:合格点が必要
- 自動判定
- 何度でもやり直し可能
- 課題・最終プロジェクト: 受講生同士の相互評価(ピアレビュー)
- 自分の課題を提出するだけでなく、他人の課題を採点することも修了条件に含まれます。
締め切りはないため自分のペースで進められますが、後述のとおり受講中の期間に比例して課金されるため、進みが遅いほど料金がかかる構造になっています。
難易度
- Computer Scienceの学部生レベル(Cの基本的なコーディングはできる前提)
- 自分の場合は1つの課題に数週間かかりました。
実際にかかった期間と料金
期間
- 公式想定:16週間
- 実際:約半年
公式想定は、大学生や十分な学習時間を取れる人向けという印象で、働きながらだとかなり厳しいです。
料金
- 約 ¥10,000 / 月
- サブスクリプション方式
- 無料トライアル:あり
受講して良かった点
手を動かして理解できる
課題では自分でコーディングしてシステムを作る必要があります。
自分で手を動かすことで技術書を読むよりもより深く理解することができます。
独学ではマスターしたい技術に関して自分で手を動かす課題や目標を設定することは難しいです。
独学ではできないレベルの課題に挑戦できる
独学で挑戦できるのはせいぜい聞いたことは有るけどよく分かってない、レベルの技術についてでしょう。
そもそも自分が知らなかった技術について学ぶための課題は設定できません。
一定期間挑戦し続けられる体験ができる
自分で課題を設定すると、
- できるレベルに調整してしまう
- 諦めやすい
という問題があります。
一方で、外部から与えられた課題では 諦めずに挑戦し続ける必要があり、
この体験は独学では得にくいと思います。
技術書・個人開発との違い
- 技術書:読むだけでは理解が曖昧なまま進みやすい
- 個人開発:今の自分ができる範囲に収まりがち
この Specialization では、
- 自分では設定できなかった難易度
- 自分が知らなかったレベルの課題
に触れることができました。
自分の到達レベルに自信が持てる
海外大学のComputer Science専攻の学部生が取るのと同レベルの講義を修了できたというのは一つの自信になります。
良くない点・注意点
金銭的に厳しい
課題に時間がかかるほど料金も嵩んでいきます。
精神的にも結構きついです。
課題・クイズの曖昧さ
- 課題指示やクイズ文が曖昧なことがある
- 英語が苦手だと解釈に余計な負荷がかかる
長期間1つの課題に取り組める忍耐と自己規律が前提になる。
どんな人におすすめか / しないか
おすすめできる人
- 技術そのものを身につけたい人
- 体系的に Computer Science を学びたい人
- 独学だと自分に甘くなりがちな人
おすすめしない人
- 転職時のアピールなど、資格そのものが目的の人
まとめ
この Coursera Specialization は、
- 気軽なオンライン講座でも
- 即効性のある資格取得手段でもない
代わりに、
- 簡単すぎない課題
- 妥協できない成功条件
- 外部から与えられる制約
を通して、粘り強く問題に取り組む姿勢と、時間制約を意識した設計感覚を鍛えてくれる。
「技術を身につけたい」こと自体が目的なら有力な選択肢だが、
楽さや肩書きを期待するとズレる。
Discussion