Docker上のAPIやアプリケーションにスマホからアクセスする方法(Windows)
概略
ローカルPCのOS上でアプリケーションやAPIサーバーなどを立ち上げている場合は、http://ローカルPCのIPアドレス:ポート番号
でスマホからアクセスが可能だが、Dockerコンテナ上で立ち上げている場合はこのままだとアクセスができない。
このためローカルPCでの設定が必要になり、本記事では手順を説明する。
前提
- PCとスマホは同じwifiに繋がっていること。
- 一例としてDocker上で起動するRailsのAPIを例として使用しているが、Railsに限らずDocker上で起動しているアプリケーションは同じ手順で接続が可能。
手順
1.Windows Defenderのファイアウォールで許可設定
- コントロール パネル\システムとセキュリティ\Windows Defender ファイアウォール
で詳細設定を押下
-
受信の規則から新しい規則を作成
-
ポートを選択し次へを押下
-
TCPを選択し、特定のローカルポートの欄に入力し次へを押下
例:http://localhost:3000/
でPCからアクセスできるなら、3000を指定する。
※複数のコンテナを立ち上げて確認したいアプリケーションが複数有る場合は、複数指定する。
-
接続を許可するを選択し次へ
-
ドメイン、プライベート、パブリックを選択して次へ。
-
規則の名前と説明を入力し完了ボタンを押下する。
※ 自分自身が追加したと分かりやすい名称にしておいた方が、確認が終わったあとに削除しやすいです。
2.ポートフォワーディング設定
ローカルPCのIPアドレスを確認する
windowsの設定画面の「ネットワークとインターネット」から接続しているネットワークをクリック。
IPv4アドレスの値を確認する。
powershellで実行
-
powershellを管理者として実行する
-
設定前に現在のポートフォワード設定を確認する
netsh interface portproxy show all
- netshコマンドでポートフォワードを設定を行なう。
netsh interface portproxy add v4tov4 listenport={ローカルPCのリッスンポート} listenaddress={windowsの設定から確認したIPアドレス} connectport={Docker上で起動しているアクセスしたいアプリケーションのポート} connectaddress={DockerのIPアドレス}
たとえば、Dockerコンテナ上で、rails s -b 0.0.0.0 -p 3001
で立ち上げる場合は、DockerのIPアドレスは0.0.0.0を指定する。
# 例
netsh interface portproxy add v4tov4 listenport=3001 listenaddress=172.28.72.28 connectport=3001 connectaddress=0.0.0.0
- ポートフォワード設定を確認し、設定がされていることを確認する
netsh interface portproxy show all
- 参考:設定を消す場合
netsh interface portproxy reset
3.Dockerコンテナ上でアプリケーションを起動してスマホから接続してみる。
Dockerコンテナのポートを確認
たとえば以下のような定義のコンテナでAPI (RubyOnRailsで作成) を起動する場合。
APIは以下の定義のweb
コンテナで起動する。
ローカルPCのポートも、Dockerのポートも3001
になっているので、前手順のnetsh interface (省略)
コマンドでは3001を指定していた。
- 例:docker-compose.yml
version: '3'
services:
db:
image: postgis/postgis:13-master
volumes:
- postgres:/var/lib/postgresql/data
environment:
- POSTGRES_USER=postgres
- POSTGRES_PASSWORD=password
- PGPASSWORD=password
ports:
- "5433:5432"
web:
build: .
command: tail -f /dev/null
volumes:
- .:/sample_api
- bundle:/usr/local/bundle
- rails-cache:/sample_api/tmp/cache
ports:
- "3001:3001"
volumes:
postgres:
driver: local
bundle:
driver: local
rails-cache:
driver: local
- 例:Dockerfile
FROM ruby:3.2.2
# yarnをinstallするためのリポジトリーを取得
# https://classic.yarnpkg.com/en/docs/install#debian-stable
RUN curl -sS https://dl.yarnpkg.com/debian/pubkey.gpg | apt-key add - && \
echo "deb https://dl.yarnpkg.com/debian/ stable main" | tee /etc/apt/sources.list.d/yarn.list
# ライブラリをインストール
RUN apt-get update -qq && \
apt-get install -y build-essential libpq-dev nodejs postgresql-client yarn vim
ENV EDITOR=vim
WORKDIR /sample_api
# Docker内でGemfileに記載のライブラリをインストールする
COPY Gemfile /sample_api/Gemfile
COPY Gemfile.lock /sample_api/Gemfile.lock
RUN bundle install && bundle update
COPY . /sample_api
RUN bundle install && bundle update
RUN rm -f tmp/pids/server.pid
詳細は以下レポジトリ。
APIを起動
- 1.ローカルPCのターミナル上で実行し、bashを起動する
docker-compose build
docker-compose up -d
docker-compose exec web bash
- 2.ライブラリのインストール(bashで実行)
bundle install
- 3.データベースの作成
rails db:create
- 4.APIサーバーの起動(bash上で実行)
rails s -b 0.0.0.0 -p 3001
スマホからアクセスできることを確認する
-
スマホのブラウザを開き、URL欄に以下を入力しアクセス。
http://windowsの設定から確認したIPアドレス:3001
-
APIのレスポンスを確認。
※ スマホからの接続が上手くいかない場合は、一度dockerコンテナを再作成・再起動→コンテナ上でAPIなどのサーバーを再起動してアクセスを行なってみてください。
例:認証が必要なAPIを呼び出すと、APIがエラーレスポンスを返していることが確認できる。
確認が終わったら、windows環境を元に戻す
-
手順1.Windows Defenderのファイアウォールで許可設定
で作成した受信の規則を削除する。 -
powershellを管理者として実行し、ポートフォワードの設定を消す。
netsh interface portproxy reset
- ポートフォワード設定が消えていることを確認する。
netsh interface portproxy show all
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