AIと一緒に技術教育4コマ漫画を作っている話
はじめに
「リナのやらかし日記」という4コマ漫画シリーズを作っています。
新人エンジニアのリナが、Gitなどの技術でやらかしながら学んでいく——そんな内容です。職場で新人や自分自身が失敗して学んだことを、サクッと読める形式で共有したいと思ったのがきっかけでした。
最近、AI画像生成による漫画制作の事例として、「Nano Banana (ナノバナナ)」 が話題になっていました。ちょうどClaude CodeによるAIコーディングにもチャレンジしていた時期で、「これなら自分でも4コマ漫画が作れるのでは」と考えたのが始まりです。
実際に作った4コマがこちらです。

この記事では、AIと協働して4コマ漫画を作る仕組みについて紹介します。
全体の仕組み
1エピソードを作るまでのフローは以下の通りです。
| ステップ | 作業内容 | 人間 | AI |
|---|---|---|---|
| 1 | ネタ出し(失敗あるある + メタファー) | ● | |
| 2 | 4コマの流れ作成 | ● | ● |
| 3 | 画像生成プロンプト作成 | ● | ● |
| 4 | 画像生成 & 調整 | ● | ● |
| 5 | 吹き出し編集(Canva) | ● | |
| 6 | 記事(Markdown)生成 | ● | |
| 7 | Zennに公開 | ● |
人間だけで完結するステップは少なく、ほとんどの工程でAIと協働しています。
キャラクター設計とプロンプトの工夫
3人のキャラクターが生まれた経緯
最初に作ったのは、主人公のリナです。失敗する側、教わる側の「聞き手」として設計しました。
次に、彼女に技術を教える「解説役(先輩)」のキャラクターを考えました。ただ、男性にするか女性にするか決めていなかったので、AIに「リナの先輩キャラクター案を男性と女性の2名描いてください」と依頼しました。
生成されたのが、工藤さん(男性・バックエンドエンジニア)と斎藤さん(女性・PM/ディレクター)でした。どちらも良い仕上がりだったので、3人構成で進めることにしました。
キャラクターの名前もAIに考えてもらいました。「リナ(Linux)」「工藤(Code)」「斎藤(Site)」と、全員にIT要素が入っています。工藤と斎藤で「CodeとSite」、開発と運用のペア感も出ていて気に入っています。
ちびキャラスタイルを選んだ理由
最初は普通の等身(5〜6頭身)で生成していました。

最初に生成した3面図
しかし、4コマ漫画に収めようとすると上半身しか見えなくなり、構図の調整も大変そうでした。そこで、2〜3頭身のちびキャラ(デフォルメ)スタイルで再生成することにしました。
元の3面図は、キャラクターの特徴を伝える参照画像として今でも活用しています。
プロンプトの構成
画像生成プロンプトは、以下の構成で作成しています。
- アートスタイル指定 — ちびキャラ、2〜3頭身、アニメ塗りなど
- キャラクター設定 — 各キャラの外見・服装・雰囲気
- 舞台設定 — IT企業のオフィス、フリーアドレスのデスクなど
- 構図のルール — 余白の確保、文字を描画しないなど
- 作ってほしい画像 — 具体的なシーンの指示
このプロンプト自体も、キャラクターの画像をAIに渡して生成してもらいました。「ねんどろいど風」という表現も、AIからの提案で初めて知りました。
1エピソードができるまで
エピソード1「『修正』だけじゃ何もわからん」を例に、具体的な制作過程を紹介します。
ネタとメタファー
テーマは「コミットメッセージが雑」という、よくある失敗です。
Gitの操作を「荷物の発送」に例えるメタファーを考えました。
- git add → 箱詰め
- git commit → 封をしてラベルを貼る
4コマの流れ作成
AIと一緒に、各コマの内容を決めていきます。この段階で、画像生成に必要な情報(表情、ポーズ、構図など)も一緒に考えておきます。
## 1コマ目
リナ「commit完了!今日の仕事終わり!」(伸びをしている)
## 2コマ目
リナが「files」と書かれた書類を、茶色の段ボール箱に入れている。
工藤が後ろで腕組みをして、それを見ている。
## 3コマ目
リナが段ボール箱のフタを閉じ、ガムテープで封をしている。
箱の側面には白い紙(ラベル)が貼られている。
リナは満足げな表情。
## 4コマ目
工藤が段ボール箱に貼られたラベルを指差して、怖い顔で怒っている。
リナは冷や汗をかいて焦っている。
画像生成
プロンプトと参照画像を使って、各コマの画像を生成します。エピソード1では、画像の完成度が高く、ほとんど修正は必要ありませんでした。
吹き出し編集
生成された画像をCanvaで編集し、セリフの吹き出しを配置していきます。
初めてCanvaを触ったため、ここに一番時間がかかりました。枠の付け方、吹き出しを自作するか共有素材から選ぶか、など試行錯誤しながら作業し、約3時間かかりました。
Tips: 画像生成で困った例
エピソード2では、いくつかの問題が発生しました。

「ターミナルにコマンドを打ち込んでいる」と指示したら、モニター画面内ではなく背面に文字が描かれた
「モニター画面内にコマンドが表示されている」と明確に指定する必要がありました。

工藤さんの髪型やネクタイが設定と異なる
参照画像を渡していても、キャラクターの一貫性を維持するのは難しいです。何度か生成し直して、設定に近いものを選ぶ作業が必要でした。
今後の展望
この取り組みはまだ始まったばかりです。
- 継続: まずは習慣化を優先し、定期的にエピソードを公開していく
- 効率化: 時間がかかっている部分(Canva編集など)を改善する。GitHub連携も検討中
- テーマ拡大: Git基礎編の後、Linux、AIエージェントなどにも展開したい
- 社内活用: AIエージェントの活用やChatGPTとの違いなど、社内で共有できる媒体にしたい
おわりに
この取り組みはまだ始まったばかりです。まずは継続することを目標に、コツコツ続けていきます。
「リナのやらかし日記」はこちらで公開しています。
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