O2センサーのテスト方法
概要
このドキュメントではB230F型エンジンとBosch LH Jetronic(LH2.4)を搭載した最後期型volvo 240の、O2センサーをテストする方法を扱います。
O2センサーに問題があると、ECUが適切なフィードバック制御を行えずエンジン不調や燃費悪化に繋がります。
本ドキュメントではセンサーが動作しない完全な故障状態の診断ならびに、動作はしているが適切なデータを出力できていない状態の診断方法を記します。
前提知識
LH Jetronicの動作
基本動作は過去の記事を参照してください。
ただし、確証はないもののLH JetronicにおけるO2センサーからのフィードバックは、エアフロや水温センサーと比較して相対的に影響量が少ないという意見を見ます。詳しい方がいれば教えてください。
O2センサーの動作
O2センサーは燃焼後の排気ガスに含まれる酸素量を検出し、直流電圧として出力するセンサーです。
センサー内部の電極が酸素と反応することで起電力が発生します。起電力を発生するためにはセンサー本体が十分に加熱されている必要があり、センサーに内蔵されたヒーターまたは走行による加熱で達成されます。
残存酸素量と燃料噴射量の関係
通常、出力電圧は0~1vを示し、燃料がリッチで残存酸素が少ない状態で電圧が高く、燃料がリーンで残存酸素量が多い状態では電圧が低くなります。また、残存酸素量が最適 = 理論空燃比を達成している場合は0.45vの出力となります。ただし、エンジンの運転状況や置かれる環境は絶えず変化し、それに伴って燃料噴射量と排気ガスの成分も変化するため、センサーの出力は0~1vの間で変動し続けます。
センサーの確認方法
O2センサーはマフラーの触媒前に設置されており、そこからエンジンルーム内にケーブルが伸びています。3本の配線で接続されますが、2芯1条になっている方はセンサーを動作温度まで加熱するためのヒーター用の配線で1芯の方が信号線です。右ハンドル車の場合、ブレーキブースターの横あたりにECUに向かう配線と接続するカプラがあるため、マルチメーターを用いて電圧を測定します。
完全故障の確認
車両をアイドリング状態にしてカプラに流れる電圧を測定します。グランドは車体の適当な金属部分から取ります。この時、電圧が0.1~0.8Vで変動していればセンサーは動作しています。電圧が0Vのままであればセンサーの故障と判断します。
動作傾向の確認
完全故障の確認と同じくカプラにマルチメーターを接続し、停車時のレーシング(空ぶかし)や走行時の電圧を確認します。
センサーならびに制御システムが正常であれば、エンジンを高回転までレーシングしたときは一時的に燃調リッチとなるため出力電圧が0.8V程度まで上昇し、その後アイドリングやパーシャル(スロットル開度一定)にすることで中間値0.45V程度に収束するはずです。
走行中でも同じ傾向となり、一定速度で走っている状況であれば数値は変動しつつも中間値は0.45V程度の値を示すはずです。
引用と参考資料
O2センサーの動作について
Discussion