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AIとの長期会話がズレないための“手動版 SEED”を作った話

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1.はじめに

本記事は、前回まとめた「Seed(文脈の核)」の手動版について構造を整理した改訂メモです。
長期スレッドでは、文脈や温度感が徐々にズレていく「スレッド劣化」と呼べる現象が起きます。
本記事では、この劣化を防ぐために作成した手動版 SEED の構造をまとめていきます。

【補足】
前回の記事では、
「AI は 100 ターンで疲弊し、1000 ターンで飽和する」
という比喩を用いて文脈劣化を説明しました。
今回は Python 版 Seed(自動版)で扱った仕様面を補完する、“運用としての
手動版 Seed” を整理した内容になります。

2.Seed とは何か

ーSeed(文脈の核)は、長期スレッドで失われやすいー
文脈・温度感・抽象度の基準点 を保持するための仕組みです。
スレッドが進むにつれて会話の方向性が揺らぎやすくなるため、その“基準”となる情報を
あらかじめまとめておくことで、スレッド間の連続性を維持しやすくなります。

3. 手動版 Seed が必要になる理由

自動版ではPythonを用いる為、全AIでは対応されない事が判りました。
以下が対応表になります。

AIサービス名 Pythonコードの内部実行 SEEDの自動処理(完全動作)
ChatGPT (Plus/無料枠) ○ 動作する 問題なし
※Advanced Data Analysis搭載
Claude 3 / 3.5 ○ 動作する 問題なし
※Analysis Tool搭載
Microsoft Copilot × 動かない 無理(テキスト貼り付けのみ)
※セキュリティ制限
Gemini (Advanced含む) △ 条件付き 挙動が不安定になる可能性あり
※制限が強い
Mistral (Le Chat等) × 動かない 無理(テキスト貼り付けのみ)
※内部実行なし

内部コード実行機能(Code Execution / Advanced Data Analysis等)が
有効化されているプラットフォーム(例:ChatGPT、Claude等)。
※表の内容は、各AIに実際にコードを実行させて確認した結果をまとめたものです。

自動化にして簡単に優しくしたかったのですが、実際の運用では使えない場面も多く、
また自動生成出来ない場合の対応も必要だと判りました。
別のアプローチで同じ方法で再現出来ないか、と考えてみて自動化が無理ならひと手間をかけて、
逆に人が手伝えば同じような運用方法が再現できるのでは?と仮説を立てました。

4.代替え案としての「手動版Seed」

文脈を要約するためのターン数をAIで管理させてしまおうと思い、AIに聞いてみたところ
「文脈に引きずられるので数を数えるのは苦手です。しかし、スレッド移動の
タイミングの提示なら可能です。」
との回答を得られました。
スレッド移動に関しては、AIに宣誓文を書いてもらい、それを固定アンカープロンプトで
テキスト保存し、それをコピペでスレッドの冒頭もしくは途中から入れる形にしました。

4-1.ターン数ではなく「タイミング」で管理する

要約だけは人が手伝う事にして、要約のタイミングだけ詳しく記述すれば迷わないなと
判断し、それを詳しくまとめる方法を取る事にしました。

4-2.タイミングの目安(4つ)

ターン数を毎回数えたり、覚えておくのは事実上難しいので要約のタイミングとして
1.1つの議題が終わった後
2.AIの返答がズレ始めた時
3.会話の中断をする前
4.会話のラリーが長いなと気づいた時

この辺りが要約しても温度感も保てて、会話も新しいスレッドに引き継いでも自然に
続けられる物とAIと相談しながら決めました。
要約したものをテキストにまとめて保存する方法は、自動化と同じなのでそのまま
採用しました。

5.手動版Seedの構成要素

いたってシンプルです。
・固定アンカープロンプトテキスト
・要約のタイミング・要約をまとめたテキストの扱い方の両方を丁寧にまとめた
 取扱説明書
固定アンカープロンプトはフォルダに格納せずに、すぐ使えるようにしています。

6.運用フロー

1.新規スレッドの冒頭もしくは途中に固定アンカープロンプトをコピペで貼る
2.会話をする
3.適時自分(ユーザー)が「要約して」とAIに要約させる
3.要約したものをテキストに保存し積み増す
4.AIが「スレッド移行を推奨します」と自己申告したら、スレッドの移行をします。

6-1.手動版Seedで使う固定アンカー(例)

このスレッドは Python が動かない環境です。
会話の節目で私が要約を指示しますので、その都度コンテキストをまとめてください。
また、会話が長くなりコンテキスト容量が限界に近づいた場合は、
「【引越しサイン】スレッドの容量が限界に近づいています」
と自己申告してください。

6-2.Seed(文脈の核)の移行

まとめたテキスト+固定アンカープロンプトを、新規スレッドの冒頭に貼ります。
以後はこれの繰り返しとなるので、テキストが各スレッド分自然と貯まり会話内容を
1から説明する手間が減り、温度感もずっと保たれます。

7.最後に

自動化は便利ですが、自動化の出来ない環境もどうしても出てしまいます。
自動化できない環境でも"人がひと手間かける"事で、長期スレッドの文脈を
守る事は十分可能です。
簡単に誰でも優しくAIの運用を安定して続けれる方法はないかな、という思いが
Python版と手動版で形に出来て良かったです。
今後も改良や他の開発も続けていきたいと思います。

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