🕸️

UDIとURIとURLの命名の変遷

に公開

まとめ

いずれも「ハイパーリンクで情報位置を示す文字列」のこと。

  • UDI(Universal Document Identifier)
    • 当初の命名。これは廃れてしまった。
  • URL(Uniform Resource Locator)
    • WWWの提案者(ティム・バーナーズ=リー)とIETF(インターネット技術の標準化を推進する任意団体)の間で議論された結果、ついた名前。
  • URI(Uniform Resource Identifier)
    • WWWの提案者(ティム・バーナーズ=リー)が情報のありかを一貫させたいという思いからIdentifier(識別子)という概念にこだわりを持って呼び続けた名前。

変遷

WWW(World Wide Web)という概念の提案

1989年3月、欧州原子核研究機構(CERN/セルン)でソフトウェアコンサルティング業務に従事していた、ティム・バーナーズ=リーは、「Information Management : A Proposal」という提案書を出しました。
彼が構想していたのは

あらゆる場所にあるコンピュータに蓄積されている情報が全てリンクされたとしたら、地球上のすべてのコンピュータ上の情報を、誰もが手に入れられる情報空間が生まれるだろう

というものでした。

この中で登場する概念がWorld Wide Web(WWW)です。
彼はWWWの構想を実現すべく、世界最初のWebサーバーとWebブラウザ&エディタを開発しました。
その時、World Wide Webを構成する3つの仕様と2つの実装が生まれました。

  • 要素
    • UDI(URI)
    • HTTP
    • HTML
  • 実装
    • Webブラウザ
    • Webサーバー

ここで登場するのが、URIです。
URIは「情報の位置を示す方法」として提案されました。

URIとURLの対立

1992年に、IETF(インターネット技術の標準化を推進する任意団体)において、IWWWの仕様を策定する議論が実施されました。
その議論の中で、UDI(Universal Document Identifier/普遍的文書識別子)の言葉が修正されてURLとなりました。

  • Universal(普遍的) → Uniform(統一):Universalという表現が傲慢であると指摘されたため修正
  • Document(文書) → Resource(資源):より一般化するため修正
  • Identifier(識別子) → Locator(位置を表示するもの):文書の場所が変わると変化するため識別子という呼び方が不適切と指摘されたため修正

ティム・バーナーズ=リーは、できる限り早くWWWやURI(URL)の概念を標準化させるために、議論進行のために命名は妥協しました。
ただ、彼としては、「識別子」という概念を大切にしていたため、自身の著書ではURIという呼び方を使用しています。

ではどっちが正しいの?

URIとURLについて、お互いが標準であると主張する文書がそれぞれ存在します。

  • RFC3986
  • URL Living Standard※日本語訳
    これらのどちらも有効であるため、統一標準は2025年時点では存在しないようです。
    しいて言えば、
  • web技術に関しては、URIの方がURLより広い意味を指す言葉

出典

小森裕介(2025).プロになるためのWeb技術入門 技術評論社

Discussion