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誰がために鐘(アラート)は鳴る

に公開

人生の一つの転機が訪れたので、なんということもなく、ポエムを書くことにしました。
いわゆる一つの仕事観だと思います。
まぁ年の瀬だしね。そういうセンチメンタルな気分になってしまったんだな、と思ってご笑覧いただければ幸いです。
(とか言って、そのうち消すかもしれません)

重み

さて、ここ数年間、自分は小~中規模なWebアプリケーションの開発運用を担うソフトウェアエンジニアとして働いており、そして先日ついにその役割を終える日が来ました。
終えてみた感想を一言でいうと「重かったなぁ」というものです。
そしておそらく引き継ぎを行った人も「ちょっと重いな」と思ったはずですし、多分そう思ってくれるだろうと期待している節があります。むしろ、そう感じてくれるだろう人にバトンを渡したつもりです。
この重みを感じるというのが結構重要で、それこそがエンジニアが大切にすべきドグマではないかと考えていたりします。

当事者意識

時は5年以上遡って、とあるスタートアップで◯◯部長として働いていた頃です。
人手が少ないため当時は本当になんでもやっていて、IT技術者と言う枠に留まらず、営業やサポートはおろか経理だろうが労務だろうが、Web担だろうが一人情シスであろうが、なんでもやっていました。
しかし、メインの業務は事業を牽引するプレイングマネージャーとして活動していたわけで、当然ですが色々と感じたものがありました。
なかでも、事業を統べる者、率いる者として「どうオーナーシップを持つか」ということを考えました。
実はこの時、自分の中で結論は出ませんでした。より正確に言うと、圧倒的な当事者意識が必要 だというところで思考が止まりました。
仕方がないのでハードワークしました。これは結果的に体調を崩したし、後悔もありますが、自分の人生の中で「当事者意識とはなんなのか?」と問い続けるという貴重な経験を積む機会になりました。

平和な日々

その後、現在のWebエンジニアの職に着いてからも、プロダクトオーナーや事業部長と言ったタイトルでは無い、一介のエンジニアという立場でしたが、それでも自分がかかわるからには、このオーナーシップを持ち続けようと決めました。
具体的に何をしたか、というと実は基本的には、何もしません。
普段、平和な日々が送れている時は、ダッシュボードやログレポートを見て「今日も平和だなぁ」と確認して終わりです。
しかし、インシデント対応が発生したときや、これは(幸運なことに)一度も訪れませんでしたがセキュリティインシデントが発生したときには最初にリアクションが取れる人になろうと考えました。
誤解を恐れずに言うと「一人オンコール当番24x365」という感じですね。正直これは最初から無理だし当然ベストエフォートになるのですが、それでもSlackの「#alertチャンネル」を一番良く見張っていたという自負はあります。退職日3日前くらいまで見ていました。
監視業務に誇りを持とう、というのがWeb運用エンジニアとして自分なりの当事者意識だと考えたわけです。
ここまで読んで、まぁ仕事が暇だったんだなと感じた方がいたら実はその通りですね。Slack眺めているだけなので。
もちろんSlackに四六時中いるのが良い仕事とは思わないです。しかし、全体で見ると多分そういう人や仕組みが必要なフェーズであり、そして自分がその役割を補完することでシステムの安定稼働につながる状況・人員配置だろうと勝手に考えました。当然これはそのシステムの規模や体制、ミッションクリティカルの度合いによりますね。

良い仕事

一方で、それでは良い仕事とは何なのかというと、それも難しく、たとえば「仕事を増やさないで減らす仕事がいい」とか、「誰もが投げ出してしまった難易度の高いタスクに挑むことが良い」とか色々と思うのですが、一つだけ確信している仕事は、その人がいなくなった時に「あの時、やってくれていたのか」と 後から評価される仕事 です。
自分の中では、ごんぎつねのイメージがあって、「あぁ、ごん、おまえだったのか」 と後から思ってもらえるような仕事、略して "ごん仕事" と呼んでいます。(いま名付けました)

実は上述した、なんとなくアラートを眺める仕事も、きっとこの "ごん仕事" ではないかと思いやっていました。本当にそうかという点は、多分今後もわからないと思います。
最近の安定的なマネージドサービスの前では、結果論ですがほぼ不要でしたし、そのうちAIエージェントが代替しそうな気もします。

というわけで話が長くなりましたが、ある程度利益が出ているWebアプリで開発が一段落すると、当然運用メインになってくると思うので、そういったタイミングで考えてみてもらえると良さそうな話題でした。
(もちろん潤沢な予算や、十分な監視体制があれば話は別ですね)

実は、昨今SNSで話題になっていた「エンジニアが事業に興味を持つべきか否か?」みたいな議論を見て、サラリーマンエンジニアってそこまで考えないのがフツーだよね、と改めて思い、関連して私見を述べたくなったというのもあります。念の為ですが、どういったスタンスが良い・悪いとは考えておらず、それは状況や立場でかわるものという感覚だけもっています。

余談

ところで、『誰がために鐘は鳴る』というヘミングウェイの小説はタイトルだけ知っているものの、実は読んだことがないのです。小説を読むということ自体、いつの日からか消えてなくなってしまった習慣ですが、何にも追われない生活がやってきたときには、是非読んでみたいなと思います。

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