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進化可能な幾何アルゴリズムの最小実験計画
―― 角度淘汰による形状抽出を進化対象とする試み ――
※ 本記事は実験計画書であり、背景思想・着想の詳細は以下に記す。
👉 発想の源:説明なしに“生きている”と分かるアルゴリズムを見た
https://myon.hatenadiary.com/entry/2026/01/22/160927
1. 本実験の目的
本実験の目的は、
単純な幾何アルゴリズムが「進化対象」になり得るかを検証することである。
具体的には、
- 点群に対する角度ベースの淘汰アルゴリズムを
- 単なる前処理や固定ロジックとして扱うのではなく
- 評価関数・閾値・近傍定義そのものを可変とし
- 「どのルールが生き残るか」を実験的に確かめる
ことを目的とする。
これは、EDiE(Environment-Driven Intelligence Emergence)の
最小構成・低コスト検証に位置づけられる。
2. 対象とする基本アルゴリズム
本実験で扱う基本アルゴリズムは、以下の処理を行う。
- ランダムに生成された点群を用意する
- 各点について近傍点を結ぶ
- 連続する3点が作る角度を計算する
- 一定条件を満たす点を削除する
- 残った点群から外形(輪郭)を形成する
特徴は以下の通り。
- 局所的判断(角度)のみを用いる
- 全体最適化を行わない
- 可視化が容易
- 計算コストが非常に低い
3. なぜこのアルゴリズムを選んだか
このアルゴリズムは、
- 説明なしに動作が直感的に理解できる
- 「不要な鋭さを嫌う」自然淘汰的ふるまいを持つ
- 少数のパラメータで挙動が大きく変わる
という特徴を持つ。
特に重要なのは、
「何を残すか」を人間が直接指定していない
点である。
人間が与えているのはあくまで
**環境(評価の仕方)**のみであり、
結果はアルゴリズムのふるまいに委ねられている。
4. 進化対象とするパラメータ
本実験では、以下を「遺伝子」とみなす。
4.1 評価関連
- 角度閾値(固定値 / 動的)
- 鋭角・鈍角の扱い方
- 角度と距離の重み付け
4.2 構造関連
- 近傍点の定義(k近傍 / 半径)
- 参照する点数(3点 / 4点以上)
- 局所 vs 半局所評価
4.3 淘汰ルール
- 削除条件の厳しさ
- 一度削除した点の復活可否
- 段階的淘汰の有無
5. 評価指標(環境)
本実験では、以下の評価軸を組み合わせる。
- 残存点数(削りすぎていないか)
- 輪郭の連続性
- ノイズ耐性(入力点群を乱した際の安定性)
- 再現性(初期条件変更時のばらつき)
- 計算コスト
※ 人間による「見た目の良さ」は
初期段階では評価に含めない。
6. 実験手順(最小構成)
- ランダム点群を複数生成
- 複数の淘汰ルール個体を用意
- 各個体で輪郭抽出を実行
- 評価関数でスコア付け
- 上位ルールを残す
- パラメータを変異させ再実行
これを複数世代繰り返す。
7. 期待される成果
- 人間設計とは異なる淘汰ルールの発見
- 「形状における生存戦略」の可視化
- 前処理アルゴリズム自体が進化対象になり得ることの実証
これは、
- 量子化前処理
- 探索空間圧縮
- 無限生成世界の構造安定化
などへの応用可能性を持つ。
8. 本実験の位置づけ
本実験は、
- 大規模モデル
- 高価なGPU
- 長時間学習
を必要としない。
EDiEの思想を、誰でも再現可能な形で検証するための入口である。
9. 今後の展開
- 高次元点群への拡張
- 量子化誤差分布への応用
- 動的環境下での適応評価
- 他の進化的手法との比較
おわりに
この実験は小さい。
だが、小さいからこそ、進化の本質が見える。
生き残るルールは、必ずしも人間の直感と一致しない。
それを確かめるための、最初の一歩である。
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