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私の来歴とAI(002-001)

2025/01/15に公開

Q)AIについての私の解釈を述べる。意見を述べよ。

まずデータがある。データを人間が加工したりしなかったりする。その工程を経たデータの中に、コンピュータが規則性を見いだす。chatgptの場合、「おはようございます。gptさん。」と「おはようございます。質問者さん。何かご用でしょうか?」という対話データを読み込ませ、「gptさん」を「GPTくん」に代えたり、「何かご用でしょうか?」を「何かご用ですか?」に代えたりして、大量のデータを読み込ませていく。そうすると、「おはようございます。<X(n)>」に対して正当なのが、「おはようございます。質問者さん。<Y(n)>」であるという対話の規則性をコンピュータが見いだす。X(a)のときY(a)であるデータと、X(a)のときY(a)でないデータが存在するとして、もしX(a)のときY(a)である、というデータの方を、片方より、1億倍多く読み込ませていれば、恐らくGPTは、X(a)というインプットに対して、Y(a)と応えるであろう。ただし、必ずしもY(a)でない。なぜなら、読み込ませるデータに外れ値がある可能性があるからである。要するに、AIは、例えば、AIが読み込む、大量のテキストには、ABCD....(中略)....XYという並びのあとに、Zが来るという場合が、Zが来ない場合より、圧倒的に多いであろう。だから、GPTはローマ字の順番を応えられるのである。

A)質問者の解釈は、本質的な点において、非常に正しい方向性だ。

以下の内容は、質問者さんの解釈を踏まえたうえで、AI(特に大規模言語モデル)がどのように「データから規則性を見いだして応答を返す」のか、もう少し整理・補足した形でまとめたものです。質問者さんの解釈は本質的に「AI(大規模言語モデル)が大量のテキストデータから確率的な規則を学習し、入力に対して最もそれらしい出力を返している」という点で、非常に正しい方向性を捉えています。


1. データから規則性を学習するという解釈

1.1 人間が加工したデータ or 生のデータ

  • AIが学習するデータは、人間が前処理を施している場合もあれば、生のまま大量に集めたテキストである場合もあります。
  • いずれの場合も、大量のテキストの中に含まれる「語順」「文脈」「言葉遣い」の頻度や同時出現パターンを解析し、モデルは規則性を学習します。

1.2 規則性の本質は「確率分布」の近似

  • 大規模言語モデル(GPTなど)は、大量の文章中に見られる単語列や文脈を確率モデル(この単語のあとに続く単語は何か、という確率分布)として捉えます。
  • 「X(a) → Y(a)が多いなら、X(a)という文脈ではY(a)を出力する確率が高くなる」といったイメージです。
  • ただし、学習時に一定の「ゆらぎ(温度パラメータ)」や「サンプリングの方針」があるため、膨大な学習データに含まれる“少数派”の事例や、文脈の取り違えなどによって、稀に異なる出力が出る可能性も残っています。

2. 「X(a)のときY(a)が多い=Y(a)が出力されやすい」仕組み

2.1 頻度(確率)の高さが「自然な」応答を生む

  • たとえば「X(a)『おはようございます。gptさん。』」に対して「Y(a)『おはようございます。質問者さん。何かご用でしょうか?』」が非常に大量に含まれると、モデルはそれを「標準的であり、自然に続きやすいパターン」と判断します。
  • 学習が進むほど、モデルはこうした統計的規則性を内在化し、自然な文脈に近いものほど高確率で出力するようになります。

2.2 外れ値や例外的用例も考慮

  • 学習データには、少数だけど「X(a) → Y(b)」という事例が含まれる場合もあります。
  • その結果、統計的に小さいながら、まれに「通常とは違う」応答も起こり得る、というのがモデルの確率的性質です。
  • 大量のデータのうち「1億倍多いパターン」が存在すれば、そのパターンが“ほぼ”出力されるものの、0にはなりきらないという特徴があります。

3. ローマ字の順番や文章の一貫性を答えられる理由

3.1 順序パターンを学習

  • 英語のアルファベット順、ローマ字の表記順、さらには文章全体の構成など、多種多様な「順序パターン」をモデルは学習します。
  • 人間にとって当たり前の「ABC…Z」という順番も、膨大なテキスト中に多数登場するため、モデルは「BのあとにCがくる確率が極めて高い」ということを自然と覚え込むわけです。

3.2 文脈との対応づけ

  • 大規模言語モデルは、単なる隣接単語の確率だけでなく、もう少し広い文脈(前後数十トークン、あるいはそれ以上)を捉えて次の単語を推定します。
  • そのため、「『おはようございます』という言葉のあとに、どういう言葉遣いが来るのか」「ビジネス文脈では敬語が使われがち」「カジュアルな文脈では別の言い回しが使われがち」といったことも同時に学習することで、応答に一貫性をもたせています。

4. 学習とは「確率的なルール」をネットワーク内部に埋め込むこと

4.1 統計モデルの一種

  • 「AI=大量データから規則を抽出する」という解釈は、機械学習の本質をとらえています。
  • 具体的にはニューラルネットワーク(トランスフォーマー構造など)を用いて、テキスト内の語順や文脈を数値ベクトルとして表現し、その相関関係を重みパラメータに反映させるわけです。

4.2 GPTの大まかなイメージ

  • GPTはトランスフォーマーという仕組みを使い、単語同士(実際にはトークンと呼ばれる単位)の「どれぐらい関連するか」を学習します。
  • その結果、「この文脈では次にこの単語(トークン)が出る確率が高い」という大規模な確率分布を構築し、回答生成の際はその分布からサンプリングする形で文章を生成します。

5. 補足:完全な決定ではなく、あくまで「確率的推定」

5.1 「なぜ必ずではないのか?」

  • 質問文にあるように、外れ値や例外的用例がゼロでない限り、ほんの少しの確率で異なる応答を出す可能性が残ります。
  • また、ユーザーが指定する生成パラメータ(たとえばtemperature=0.7 など)によって、モデルが選択する単語の多様性も変わってきます。

5.2 大多数の学習データ vs. 個別の文脈

  • 何か特殊な文脈が与えられていたり、ユーザーが追加の指定をしたりすると、モデルは「文脈を優先しつつ、なおかつ学習した規則性」との兼ね合いで出力を組み合わせるため、一見“例外”のような回答をすることもあります。

6. まとめ

  • 質問者さんの解釈
    • 「大量のデータから、X(a)のときY(a)が対応するケースが圧倒的に多ければ、モデルはX(a)→Y(a)を出力する確率が高くなる」という理解は、AIの“学習”の仕組みに合致しています。
  • 言語モデルの本質
    • テキスト内に潜む膨大なパターンを統計的・確率的に捕捉し、与えられた文脈(入力)に対してもっとも自然な次の単語(トークン)を提示していくものです。
  • 外れ値や少数派の事例も学習される
    • 学習データに含まれる多様な事例によって、少ないながらも異なる出力の可能性が残るため、絶対的な決定論にはならず「確率論的」な性質が保たれます。

このように、AIは大量のデータの中から規則性(=確率的なパターン)を見いだし、入力に応じて最もそれらしい出力を推定するという解釈は、非常に正しい捉え方です。ChatGPTをはじめとする大規模言語モデルが、ローマ字の順番や自然な応答をできるのは、ひとえに「圧倒的量のデータを読み込み、その背後にある規則性を膨大なパラメータに集約している」からなのです。

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