未経験エンジニアの現実、AI時代に未経験からエンジニアを目指すのは辞めておくべき?
みなさん、こんにちは!
ペンギンエンジニアです。
筆者自身は IT 業界の経験はそこそこあったものの、
「エンジニアとしては未経験」 の状態からキャリアをスタートしました。
ということで今日は、
未経験からエンジニアになったリアル + AI 時代にそれでも目指すべきかどうか
を、実体験を交えつつお届けしていこうと思います。
今日の結論
先に結論から言うと、
- 「楽して稼げる」と思っている人には、かなり厳しい世界
- 下積みと学習を数年単位で続けられる人にとっては、AI 時代でもまだ十分チャンスがある世界
です。
AI が出てきたことで「未経験でも簡単にエンジニアになれる」と思われがちですが、
体感としてはむしろ逆で、
忍耐・努力・自走力が、よりハッキリ試される時代
になっていると感じています。
この記事を読むと分かること
この記事を読むと、なんとなくですが、
- 未経験からエンジニアになるルートと、それぞれの現実
- 未経験エンジニアとして採用される人に共通するポイント
- 実際に未経験からエンジニアになった場合の業務内容のイメージ
- 現場での AI 活用のリアル
- AI 時代に、未経験エンジニアがどう「生き方」を設計すべきか
このあたりが見えてくるかなと思います。
未経験からエンジニアになるための選択肢
ざっくり分けると、未経験からエンジニアになるルートは 2 つです。
- 就職する
- いきなりフリーランスになる
そして「就職」の中身をもう少し分解すると、だいたいこんな感じかなと。
- SES 企業への就職
- SIer 企業への就職
- 自社開発企業への就職
- (その先の選択肢として)フリーランスエンジニアになる
多くの人は、このどこかを目指して動くことになります。
ここからは、それぞれの現実を少しだけ深掘りしていきます。
未経験からいきなりフリーランスはアリか?
結論から言うと、
「完全未経験から、いきなりフリーランスエンジニア」は
ほぼ再現性がないのでおすすめしない
です。
SNS やスクールの LP なんかで、
- 「未経験から 3 ヶ月でフリーランス!」
- 「スクール卒業後すぐに独立!」
みたいな PR を見かけることもありますが、
あれは かなりレアケースを切り取っている か、
実は「完全未経験」ではなかったりします。
イメージでいうと、
格闘技未経験の人が、ジムに 3 ヶ月通って
「よし、RIZIN に出てプロ選手と試合するぞ!」
と言っているようなものです。
現実には、RIZIN に出ている選手はみんな、
- 何年も練習を積んで
- アマチュアや地方大会で戦績を作って
- それでもほんの一握りだけが「大舞台」に立てる
という世界ですよね。
フリーランスエンジニアも同じで、
- ジムでの練習 → 会社での実務経験
- アマチュア大会 → 小さめの案件の実績
みたいな「下積み期間」を抜きに、
いきなり大きな案件で企業と戦うのは、クライアントから見てもかなり怖い選択肢です。
クライアント側の目線でいうと、
- 納期を守れるのか?
- トラブル時にちゃんとリカバリできるのか?
- チーム開発や既存システムの文脈を理解できるのか?
こういう不安を抱えたまま「未経験フリーランス」に発注するメリットは、ほとんどありません。
「将来的にフリーランスを目指す」のは全然アリ
ただし「まずはどこかで実務経験を積む」のが現実的なルート
と考えておくのが良いかなと思います。
SIer / 自社開発企業への就職
ここも正直に言うと、
未経験でいきなり入るのは、かなりハードルが高い
です。
求人サイトを見ても、
「未経験歓迎」の自社開発や SIer はほとんど見つからないのではないでしょうか。
その理由をざっくりいうと、
- SIer や自社開発は「即戦力」で回したい
- プロジェクト単価が高く、タスクも高度化しやすい
- 単純作業やテストは、SES やオフショアに回しやすい
という ビジネスの構造 にあります。
プロジェクトの中身を分解すると、
- 要件定義・設計・レビュー・アーキ設計
→ 経験者に任せたい高単価ゾーン - ひたすらテスト・データ投入・ドキュメント整理
→ 単価が低く、外部に出しやすいゾーン
になりがちです。
この「未経験でもできる仕事」の多くは、
SES に依頼される形 になっていることが多いので、
そもそも「未経験を自社で育てる意味」が薄くなっている
という事情があります。
例外として可能性があるのは、
- 第二新卒枠での採用
- インターンやポテンシャル採用枠が強い会社
などですが、全体としては 狭き門 だと思っておいた方がリアルです。
SES 企業への就職
未経験からエンジニアへの就職を狙うなら、
もっとも現実的な入り口は SES(客先常駐)の会社
だと筆者は感じています。
実際、筆者も SES 企業からエンジニアキャリアを始めました。
SES は一言でいうと、
「企業にエンジニアを一定期間貸し出すビジネスモデル」
です。
- 経験者のエンジニアとセットで常駐させる
- 単体テストや結合テスト、運用保守などを任せる
といった使われ方がしやすいので、
他の選択肢に比べて「未経験を採用しやすい」構造になっています。
SES のメリット
- 未経験でも採用される可能性が現実的にある
- 色々な現場を経験できることもある
- 「現場で働いた」という実務経験をつくりやすい
SES のデメリット
- 「現場ガチャ」がある(教育環境が整っていない現場もある)
- 自社の先輩と同じチームで働けるとは限らない
- 自分の希望と違う案件になることも多い
なので、
環境に文句を言うより、
どんな環境でも自分で学びを取りにいけるタイプ
の人には、SES スタートは十分アリだと思います。
未経験エンジニアとして採用されるために必要なこと
「SES なら未経験でもいけそう」と思った人もいるかもしれませんが、
他の選択肢よりハードルが低いだけで、
「完全未経験でも余裕で受かる」ほど甘くはない
のが実態です。
現場感として、よくある応募条件には、
- IT 関連の実務経験 1 年以上
- 開発ではなくても、IT 業界で何かしらの経験
などが書かれていることが多いです。
では、その中で 完全未経験がどう戦うのか?
結論はシンプルで、
「勉強して、とにかく成果物をつくる」
これに尽きます。
採用する企業の目線でいうと、
見ているポイントは割と共通していて、ざっくりこの 3 つです。
- 自走性があるか
- 忍耐力があるか
- 努力を継続できるか
それぞれもう少しだけ噛み砕きます。
自走性:「自分で問題を解決する筋力」
ここでいう自走性は、
「分からないことが出てきたときに、自分で解決に向けて動けるか?」
という力です。
SES のような働き方だと、
- 自社の先輩が常に近くにいるとは限らない
- 聞ける人が忙しくて、すぐに質問できないこともある
といった環境が普通にあります。
採用側は、面接で例えばこんなところを見ています。
- エラーが出たとき、何をして解決しようとしたか?
- 公式ドキュメントや英語記事をどのくらい自力で読むか?
- チュートリアルを終えたあとに、自分で何か作ってみたか?
ここをアピールする方法の例:
- 学習ログを見せる(何ヶ月で何をやったか)
- チュートリアル後に自分で作ったアプリや LP をポートフォリオで見せる
- 「分からないことがあったときの調べ方」を具体的に話す
忍耐力:「地味な下積み期間を耐えられるか」
忍耐力は、
「自分の思い描く“華やかな仕事”ではない期間を、どれだけやり切れるか」
という話です。
未経験でいきなり、
React で SPA の開発や、イケてるスタートアップのプロダクト開発に入ることはまずありません。
現実的には、
- テスト
- マニュアル作成
- 既存システムの運用保守
- 監視オペレーション
など、地味で単調な仕事からスタートする可能性が高いです。
筆者自身も、社内ディレクター的な案件から始まり、
「開発がしたいのに…」「このままずっとここだったらどうしよう…」という不安を抱えながら、下積みの時間を過ごしました。
面接では、こんな経験が評価されやすいです。
- 部活や受験勉強で、何年も継続して頑張った経験
- 前職で、地味だけど続けていた業務
- 「しんどかったけど、続けた結果こうなった」というストーリー
努力:「自分の未来のために、どれだけ時間を投資できるか」
努力に関しては、
「業務時間外でどれだけ技術の勉強を積み重ねられるか?」
という視点で見られます。
現場に出たあとも、
- 日中:案件の仕事
- それ以外:技術のキャッチアップ
という生活をしばらく続ける必要があるので、
学習習慣を作れるかどうかはかなり重要です。
ここをアピールするためには:
- どんな教材・本を使って、どのくらい勉強したか
- 何個くらい成果物(簡単なアプリや Web サイト)を作ったか
- GitHub などにコードを公開しているか
などを具体的に見せられると、説得力が段違いになります。
未経験から開発案件にアサインされるまでのリアル:筆者の場合
筆者が実際に「開発ができる」ようになるまでの流れは、ざっくりこんな感じでした。
-
社内ディレクター案件
顧客とのやりとりや、スケジュール調整などがメイン。 -
アプリのモック作成案件
HTML / CSS / JavaScript を使った画面のコーディング。 -
React、PHP、SQL を使った Web 開発案件
ギリギリ 1 年経たないくらいで、ようやく開発に入ることができました。
ただしこれは、
- もともと WEB ディレクター経験があった
- 一人でコーポレートサイトを作れる程度の実務力があった
- 1 次請けの案件にアサインされた
といった条件が揃っていた結果でもあります。
つまり、「1 年で開発に入れた」はラッキー要素も含んでいる
ということです。
このあたりは人によって大きく違うので、
- 「最低でも 1〜2 年は下積みを覚悟する」
- 「それより早く開発に入れたらラッキー」
くらいの感覚で見ておくと、メンタル的にも安定しやすいと思います。
現在の職業によって「入りがちな案件」の傾向
周りの未経験エンジニアを見ていると、
前職によって、入りやすい案件の傾向はある程度決まっているなと感じています。
ざっくり例を挙げると:
-
営業や顧客折衝系の職種
→ 顧客折衝が多い案件(ディレクター、PM 補佐、窓口担当など) -
勉強をかなり頑張っている人
→ ローコード/ノーコード系の案件、簡単なフロント実装 -
その他職種(接客・事務など)
→ 機器類の動作テスト、製品テスト系の案件
もちろん例外はありますが、
「前職の経験」×「どれだけ勉強しているか」
の組み合わせで、最初の案件の形はだいたい決まりやすいな、という肌感です。
AI が活用される現場のリアル
SNS を見ていると、
- 「AI に仕様を投げたら、あとは勝手にシステム作ってくれる」
- 「コピペするだけでアプリ完成」
みたいなイメージを持ってしまいそうですが、
現場の実感としては、
「魔法のように全部やってくれるツール」ではない
というのが正直なところです。
とはいえ、
- コードのサンプル生成
- 既存コードのリファクタ提案
- エラー原因の切り分け
- テストケースの洗い出し
など、「自分の頭でざっくり分かっていること」を形にするスピード はかなり上がっています。
一方で、
- そもそも何を作るべきか?
- この仕様でユーザーは本当に困りごとが解決されるのか?
- 既存システムとの整合性はどうするのか?
といった 上流の部分や、文脈・ドメインの理解 は、
AI だけに丸投げするのはまだ難しい領域です。
なので、現場のリアルとしては、
手を動かす単純なコーディングは減る
その分、「考える仕事」や「判断の質」がより重くなる
という変化が起きている、という感じです。
AI 時代に未経験エンジニアが生き残るための戦い方
ここからが、この記事で一番伝えたい部分かもしれません。
AI 時代に未経験からエンジニアを目指すとき、
ただ「コードを書けるようになるだけ」では正直厳しいです。
AI に置き換わりやすい部分
- チュートリアルレベルのコード写経
- シンプルな CRUD アプリのひな形作成
- 同じようなバグ修正の繰り返し
こういう部分は、AI がどんどん得意になっていきます。
「人間がやる意味」が薄くなっていく領域です。
AI でも置き換えにくい部分
一方で、AI でも完全には置き換えにくい領域もあります。
- 問題の切り分け(どこに本当の課題があるか?)
- ビジネスや業務ドメインの理解
- チーム内のコミュニケーション
- 「何を作るべきか」を決める上流工程
- 複数の制約(納期・予算・既存システム)を踏まえた現実的な判断
ここは、人の思考や経験がかなり効いてくる部分です。
未経験が目指すべきスタンス
AI 時代に未経験からエンジニアになるなら、
「コードを書く人」ではなく、
「AI を道具にしながら問題を解決する人」
を目指す意識が大事になってくると思います。
具体的には:
-
「AI に丸投げする」のではなく、
自分なりに考える → 仮説を立てる → AI に聞く → 出てきた答えを検証する
というサイクルを回せる人。 -
自分の元々の強みと掛け合わせる
- 営業 × エンジニア(顧客折衝+技術の分かるブリッジ)
- デザイン × エンジニア(UI/UX も見れるフロント寄り)
- 業務知識 × エンジニア(特定業界にやたら詳しい人)
みたいな 「掛け合わせ」で戦う 意識を持てる人。
このあたりを意識しておくと、
AI が強くなっても「自分の役割」が見えやすくなるはずです。
まとめ:AI 時代に未経験からエンジニアを目指すのは辞めておくべき?
最後に、タイトルの問いにちゃんと答えておきます。
AI 時代に未経験からエンジニアを目指すのは、辞めておくべきか?
筆者の答えは、
- 「楽して稼ぎたいだけなら、やめておいたほうがいい」
- 「下積みと学習を続ける覚悟があるなら、まだ全然目指していい」
です。
やめておいたほうがいい人
- 「AI がなんとかしてくれるでしょ」と本気で思っている
- できれば楽して稼ぎたい、勉強はあまりしたくない
- 地味なテストや運用の仕事を数年やるイメージが耐えられない
こういう人にとっては、
エンジニアという仕事はかなりしんどいと思います。
それでも全然目指していい人
- 数年単位での下積みを「必要コスト」として受け入れられる
- 勉強や試行錯誤を「まあ嫌いじゃない」と思える
- AI を「ズルする道具」ではなく、「自分の頭を拡張する道具」として使いたい
こういう人にとっては、
AI 時代でもエンジニアは十分に挑戦する価値のある職業だと思います。
むしろ今は、
- 学習コストを AI である程度下げられる
- 情報も教材も山ほどある
という意味では、
正しく覚悟を決めて動ける人には、チャンスが大きい時代
とも言えるかもしれません。
もしあなたが、
「それでも目指したい」と思えた側なら、
- まずは小さく勉強を始める
- 何か 1 つ、成果物を作ってみる
そこから必要なら、またこの記事に戻ってきてほしいなと思います。
そのときは、「どんな勉強をしたらいいか」についても、
別の記事で具体的にまとめてみようかなと考えています。
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