企画ページ③:生成AIのみでノベライズゲームをつくろう
はじめに
ここ2〜3ヶ月の間に、ChatGPTをはじめとした生成AIの進化が目覚ましすぎて、追いかけるのもやっとの状態です。
文章生成だけでなく、画像や音楽、果てはプログラミングまで、生成AIがどんどん「使える」レベルになってきました。
だったらせっかくなので、趣味にもこの技術を使ってみたい。
そう思って、気軽な形で何かを作れないかと考えた結果、「ゲームを作ってみよう!」という結論に至りました。
選んだツールは、Ren'Py(レンパイ)という、ビジュアルノベルを簡単に作成できるフリーのゲームエンジンです。
そして、ほぼすべての素材やコードを生成AIの力だけで作るというチャレンジをしてみました。
用いた生成AIたち
ゲーム制作の中では、複数の生成AIを使い分けています。それぞれのAIが得意な領域を担当し、以下のような役割分担になりました。
ChatGPT
主にスクリプトの作成やキャラクター画像の生成に使用。
特に驚いたのが、キャラクターの表情パターンを細かく出し分けられる点。感情に合わせて微妙に変化する立ち絵が手に入るのは、ビジュアルノベルにおいてかなり大きなポイントです。
ImageFX
背景画像の作成に活用。
画像に特化しているため、1つのプロンプトで4パターンほどの候補を自動生成してくれるのが魅力。
ただし、プロンプトは英語で書く必要があるため、その部分もChatGPTにお願いして出力してもらっています。
MusicFX
BGMがあると雰囲気がガラッと変わるので、こちらも導入。
プロンプトの作成はChatGPTに依頼し、MusicFXで背景音楽を自動生成しました。
ジャンルやテンポなどを指定すると、かなりいい感じのループ音源が手に入ります。
GitHub Copilot(VSCode内)
プログラムのデバッグ作業にはGitHub Copilotを使用。
ChatGPTで生成したコードをそのまま動かすと、当然エラーも出てくるので、修正や補完をCopilotに手伝ってもらいました。
作ったゲーム
今回、実際に作ったのは、2024年に私がドハマりした大河ドラマ『光る君へ』の余韻に浸りつつ、『枕草子』をベースにしたノベライズゲームです。
ゲームの仕組み
『春はあけぼの』などの有名な冒頭文を覚えるクイズ形式で、選択肢を間違えると、清少納言がユーモア全開でツッコミを入れてくるという構成に。
たとえば「あけぼの」を「あげぽよ」と選んだ場合には、「そもそも、あげぽよってもう時代遅れじゃないですか?」と突っ込まれる、みたいなノリです。
正直なところ、ツッコミ部分などは生成AIだけだとどうしても一辺倒になりがちだったので、一部は手書きで加筆・修正をしています。
ですが、ベースの文章やアイデア出しはAIがしっかりカバーしてくれたので、作業時間も大幅短縮できました。
ゲームイメージ
ゲーム起動時の画面
「枕草子のをかし問ひ」というタイトルは、人間(私)がつけました。
流石に、「クイズ」とか横文字になるのは、微妙かなぁとも思ったんで。
ゲーム画面①
ゲームエンジンは、先にも書いたRen'Pyを用いており、下部のセーブやロードは用意されたものです。
ただ、それ以外のキャラクター画像・背景などは、すべて生成AI製。
ちなみに、この画面から流れるBGMも、生成AI製です。
ゲーム画面②
こんな風に選択肢を選んで、ゲームを遊びながら、枕草子を覚えていくというコンセプトでつくっています。
ゲーム公開
せっかく作ったので、ではないですが、暫くは公開しておこうと思います。
5~10分程度で遊べる、一発ネタゲームです。
内容についての感想や提言はぜひコメント欄にお願いします。
苦言や苦情は、生成AIの実験期間だったということで、ご勘弁ください。。。
とはいえ、フリーゲームの公開サイトなんて恐れ多い&よくわからないので、下記のGoogle Driveで共有しております。
そのままアップロードしたら、圧縮時でも100MBありました。
ダウンロードする際は気をつけてください。
exe形式になっていて、私のローカル(Windows11)では動作していることを確認済みですが、上手く動かないなどあれば、コメント欄でご指摘ください。
エクスキューズ
このソフトはフリーソフトです。
配布などはユーザーの自由にやって下さって結構です。
ただし、使用した結果の責任も全てユーザーにあり、私はいっさい負いませんのでご了承下さい。
おわりに
今回のチャレンジを通して、生成AIをうまく組み合わせれば、ほぼ一人でゲーム制作ができる時代が来たんだなと実感しました。
もちろんAIは万能ではないので、最後の仕上げやこだわり部分は人の手が必要ですが、「土台づくり」の部分はほぼAIで済んでしまうのは驚きです。
とはいえ、多分ゲームエンジンのRen'Pyがかなり優秀だったというのもあるので、ぜひ別のパターンも試してみたいですね。
趣味と技術の融合として、今後もこうした小さなプロジェクトをいくつか作っていきたいと思います。
「生成AIでこんなこともできるんだ」という参考になればうれしいです!
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