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(ちょっと要約版)自作キーボードにCHERRY MX Ultra Low Profileを使う

2025/01/26に公開

対象者

自作キーボードの経験者、すでにULPでキーボードを作ると心に決めている人

注意

初心者向けの記事ではありません。
何か問題が発生しても責任は負いかねます。
XスイッチやPG1316Sという競合スイッチの方があなたには合ってる可能性があります。
記事執筆後の状況はフォローできません。

参考

フットプリントおよびULPの詳細情報
https://github.com/pashutk/Cherry_MX_ULP
リフロー手順の詳細
https://zenn.dev/nanase_t/articles/9336a5e13abd85

スイッチ本体購入

ドイツ通販のReicheltのみ。
クリッキー:
https://www.reichelt.de/de/en/cherry-mx-ultra-low-profile-rgb-pushbutton-module-cherry-mx6c-k3nb-p335040.html
タクタイル:
https://www.reichelt.de/de/en/shop/product/cherry_mx_ultra_low_profile_rgb_pushbutton_module-335042?nbc=1&q=%2Fde%2Fen%2Fcherry-mx-ultra-low-profile-rgb-pushbutton-module-cherry-mx6c-t3nb-p335042.html&trstct=pos_0

Reicheltでの購入方法

前提:

Paypalアカウントを用意。
Amazon Payは140€以下の注文でのみ利用可能。

手順

①左上のCountryで国・言語を設定※日本語非対応、お好きな言語に

②数量入力(大量購入による割引あり)

③add to cart ⇒ Checkout

④Reichelt側での配送ルート決定メールを待つ

⑤支払いURL経由で決済

⑥関税代を用意して配達を待つ

追記

チェックアウト以降、英語メールによる細かいやり取りが発生する可能性あり。

PCBデザイン

特別な理由がなければGithubからフットプリントを入手する。
https://github.com/pashutk/Cherry_MX_ULP
MITライセンスなので特別な理由がない限り自作する意味はない。
基本は「Cherry_ULP_SMD.kicad_mod」を利用する。

組み立て

普通の自キとの違い

はんだペーストを使う。
端的にはのりみたいなのを基板に塗りたくって、部品を乗っけて焼くと引っ付く。
ペーストを上手く基板に塗るためにStencil(ステンシル)はセット購入する事。

必須の道具

道具 用途
リフロー炉か代用品 ホットプレート、オーブン、ヒートガン
K型熱電対 温度管理
耐熱テープ K型熱電対の固定等
送風機 冷却用
はんだペースト はんだ付け用

あると便利

道具 用途
不要な基板 リフロー基板と同じ厚さ。基板固定用。
テスター 動作確認。普通のスイッチと比べやり直しが面倒なのであった方がいい
耐熱ピンセット スイッチの配置、上手くリフローできてない時の修正
トング 素早く基板を熱源から取り出し冷却するため
マスキングテープ 耐熱性がいらない作業用。

リフロー炉代用品について

申し訳ないですが無責任な事を言いたくないので僕が使っているものは内緒で。

  • Amazonの商品レビューとかで用途外利用のレビューを探す
  • 自宅リフローの記事を参考にする
  • ネットには自作の温度制御装置作ってる人がいるが、そこまでやらなくてもよい
  • スイッチが増える程、難易度が上がるので道具をアップグレードする。
    フライパンとかヒートガン<ホットプレート<コンベイクションオーブン<改造<専用のリフロー炉?
  • 代用品を使う場合、真っ新な基板で試し焼き推奨(K型熱電対で温度確認)

組み立て方法

素人なので百パーセント正解ではないかも。

  • 基板上にステンシルを貼る
  • はんだペーストを塗る。多すぎても少なすぎてもダメ
  • K型熱電対をポリミドテープで基板に張り付け
  • リフロー炉、または代用品に基板を配置
  • はんだペーストのデータシートを見つつ温度管理
  • 冷却時間がきたら取り出して冷却
  • テスターを当てて動作確認
  • キーキャップ取り付け
  • 他の部品(MCU等)をはんだ付け

上手く動かなかった場合の対策

はんだペーストが多すぎると部品が浮いてしまう。
再加熱後、ピンセットで押し付けると改善することがある。
融点に到達していれば小さい力でも簡単にスイッチが動くので慎重に。
一度に全部修正しようとせず何回かに分ける。
温度管理は多少ずれても動作するが、はんだペーストの量は非常に重要な印象。

キーキャップ設計

前提

GitHubデータを活用か自作が必要。
https://github.com/pashutk/Cherry_MX_ULP
あるいはULP搭載製品から取り除いたものを使う。
自作の場合、CherryMXやReicheltにデータシートを請求。

(絶対読んで)キーキャップについてのトラブル

他の人の公開データを使ったり、データシート通りCADデータを作っても、
素材や業者、3Dプリントの機会との相性により失敗する可能性がある。

!!FreeCADの画像なので見にくくて失礼
ULPキーのスイッチは四隅をスイッチに引っかけるものとなる。
赤丸の部分がスイッチを引っかける部分。

引っかける部分が割れるか、設計寸法(例:12.4mmと表示されている箇所)がよく発生する。
割れにはたくさん発注するしか対策がない。
寸法に関しては上手くいくまで微調整し続けるのみ。

いきなり必要数を発注するのではなく、少しずつ発注・調整を繰り返す事。
またまずはリフロー前のスイッチ単品にキーキャップを取り付ける事を推奨。

大きすぎた場合ははまらないだけ、小さすぎるとスイッチ自体がダメになる。

その他

  • スイッチプレートを作る場合、1.5mm等。
  • スイッチプレートは被せる方式。
  • キーキャップは基本的に再装着不可。破壊覚悟で隅っこから外せばワンチャン。
  • フォーム素材をスイッチ下部に敷くと打鍵感が柔らかくなる。

おまけ

僕の作ったキーキャップデータ。
利用は自己責任、寸法を発注先や素材ごとに変えて使ってください。
https://github.com/plexiblinp/ulp_freecad/tree/main

※2025/2/1追記
まだ使わない方がいいかもしれないです。
上手く行ったり上手く行かなかったりのため...

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