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AWS Summit 2023:最新トレンドと私の所感

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AWS Summit 2023: 私の所感とハイライト

AWS Summitに参加し、数々のセッションやデモを体験しました。4年ぶりのオフライン開催となり、ここでは私が感じた印象や気づきを中心にシェアします。

参加した目的

  • 最新のクラウド技術のトレンドを掴む
  • 自分の業務に役立つ新しいサービスやツールを発見する

AWS Summit全体の印象

  • 久しぶりのオフライン開催と言うこともあり会場内に熱気が充満している感じがしました
  • ブースではコンテナ・仮想化・サーバレス分野についての議論が活発に行われていた
  • とにかく人が多く移動に時間がかかりました
  • 田中知之さんのDJ プレイがとても素晴らしかった

注目したセッションと所感

https://aws.amazon.com/jp/summits/tokyo-2023/agenda/?aws-summit-japan-2023-cards.sort-by=item.additionalFields.sortOrder&aws-summit-japan-2023-cards.sort-order=asc&awsf.session-category=*all&awsf.use-case=*all&awsf.company-category=*all&awsf.industry=*all

[アイデアを形にし、これまでにない価値を届ける]

  • paypayのシステムは今後のユーザ数増加による機能追加やデータ量増加に耐えられない構成となっている
  • オンプレミス環境の既存システム構成からAWSへ3年かけてリプレイスを完了
  • DB構成はシングルAZの並列処理・アクティブスタンバイを採用し可用性と性能を担保
    • マルチAZ構成だとレイテンシーに問題があり、大量データ処理に耐えられない
    • シングルAZはマルチAZの10倍以上の性能を叩き出す
  • キャパシティプランニング・コスト最適化・構成改善などまだまだ実施すべき事が山ほどある

所感

どの会社でも、ユーザ数増加によるデータ量増大の問題には手を焼いているのだと感じました。DB構成に関する考え方やシステムの構築方法について、新たな視点を得ることができました。

[Everything fails, all the time: 分散システムにおける耐障害性のある設計について]

  • システムは必ず壊れる
    • 障害を前提とした設計が重要
    • マイクロサービス化することで耐障害性を高めることができる
    • ただし、障害発生時の原因特定が困難になる場合もある
  • エラー内容によっては自動リトライで負荷が上がってしまうことも
    • エクスポテンシャルバックオフを組み込んでもリトライ感覚が同じになる
    • 対策としてジッターをやStep Functionsを利用する
  • サーキットブレイカーパターンを組み込み障害の伝搬を抑制する
  • 障害発生時にシステム全体が定常状態を保てるかカオスエンジニアリングを実施する
    • AWS Fault Injection Simulatorで障害の投入が可能
    • ネットワーク遅延やインスタンス停止等のアクションを設定可能

所感

マイクロサービスや分散システムを構築する際の課題や対策について学べました。具体的なエラー対応やカオスエンジニアリングについての知識を深めることができ、今後の業務に活かしていきたいと感じました。

[Amazon Auroraにおける高可用性の実現]

  • 理想的なデータベースの追求
    • イノベーションと俊敏性
    • パフォーマンスと拡張性
    • コスト効果と安易な操作性
    • 上記を満たす物は存在しない!
    • 正しいツールを正しいワークロードで利用する
  • Amazon Auroraは可用性と耐久性に特に優れている
    • マルチAZ構成を用いて99.99%の可用性
    • データは3AZをまたがって耐久可能
    • 10秒以下のフェイルオーバー
    • データベース管理のフルマネージ化
  • Auroraのストレージは自動修復と耐障害性を備えている
  • Amazon RDS Proxyの利点
    • シームレスで高速なフェイルオーバーが実現可能
    • フェイルオーバー時間が79%短縮
    • 接続プーリングによるデータベース接続の負荷軽減
  • システムの可用性要件に応じて、適切な構成を検討することが重要

所感

理想的なデータベースが存在しないため、要件に合わせて適切に選択することが重要です。現在はRDBだけでなく、KeyValueDB、DocumentDB、GraphDBなどの多様なデータベースが利用可能です。Auroraは特に可用性と耐久性に優れており、スタートアップなどの初期段階での導入が容易だと感じました。しかし、高い性能が求められる場面では、マルチAZがボトルネックになる可能性もあるので、事前の検証が必須です。RDSプロキシはまだ利用したことはありませんが、接続プーリングやセキュリティの強化に寄与すると感じたので、今後利用してみたいと思います。

反省点

セッションを密にスケジュールしてしまったため、展示物の見学に十分な時間を確保できませんでした。次回は、展示物をじっくりと見学するための時間をしっかりと取るよう心がけます。

総括

AWS Summit 2023に参加して、多くのセッションやデモを体験しました。私が掲げていた目的、すなわち最新のクラウド技術のトレンドを掴むことと、自分の業務に役立つ新しいサービスやツールを発見することは十分に達成できたと感じます。

特に、PayPayのシステム構成や分散システムにおける耐障害性の設計、Amazon AuroraとRDS Proxyに関するセッションは、現在の業務や今後のプロジェクトに活かせる有益な情報を多く得ることができました。

一方、今回の参加での反省点としては、セッションのスケジュールを詰め込みすぎてしまったため、展示物の見学時間が十分に取れなかったことです。次回のSummit参加時にはこの点を改善し、展示物やブースをじっくりと見学する時間を確保するようにします。

全体として、AWS Summit 2023は非常に有意義な時間となりました。これを機に、より深い知識や新しい技術の習得を目指していきたいと思います。

paiza

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