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名著『人を動かす』を再び読んで

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名著『人を動かす』
学生の頃に何度か読んだ記憶があるのだが、最初の印象は「こんな聖人様みたいな人って本当に世の中にいるのだろうか」でした。
それから数年経ち、社会人として経験を積んできて、今では当時の考えとは全く異なる印象を持てたので、再び読んで感じたことをまとめます。

注意

名著『人を動かす』とは

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人を動かす

デール・カーネギーの名著『人を動かす』は、人間関係を円滑にし、相手に影響を与えるための原則を説いた自己啓発の古典です。

  • 人を動かす三原則
  • 人に好かれる六原則
  • 人を説得する十二原則
  • 人を変える九原則
    の4構成になっていて、人を動かす(動いてもらう)ためにどういう行動や感情を持って接すればいいかを実例を交えて詳細に説明されています。

正直、全てこの通りに実現するのは難しいとは思いますが、大枠の考え方を取り入れることで実務におけるマネジメントはうまくいくようにはなるかと思います(自分の実践経験はまだ薄いですが、私が尊敬している上司や先輩方の話し方や伝え方を見ていても、そう感じます)

以下、原則の中で気になったところを抜粋して自分の考えを交えて記載します。

人を動かす三原則

  • 批判も非難もしない、苦情も言わない

これは全く批判も非難もしないというわけではなく、言い方的な問題と解釈しました。指摘はしなければいけないとは思うのですが、伝え方の問題的に、人を批判したり、非難するような言い方はしないということを言いたいのかなと。
本の中で好きな言葉としては
『私には、人の熱意を呼び起こす能力がある。これが、私にとっては何物にも代えがたい宝だと思う。他人の長所を伸ばすには、ほめること、励ますことが何よりの方法だ。上司から叱られることほど、向上心を害するものはない。私は決して人を非難しない。人を働かせるには激励が必要だと信じている。だから、人を褒めることは大好きだが、けなすことは大嫌いだ。気に入ったことがあれば、心から賛成し、惜しみなく賛辞を与える』というシュワブの言葉が特に気に入っています。

  • 素直で、誠実な評価を与える

これはまさにその通りだなと。

  • 強い欲求を起こさせる

これは『人の立場になって考える』という考え方が根本にある。この教えは新卒の時に一番最初に教わったことで今でも特に仕事をする上での一番重要な考え方だなと感じています。例として『釣り竿には魚の好物をつけるに限る』という例を用いているが、わかりやすい例えだなと感じました。

『人間の行動は、心の中の欲求から生まれる。だから、人を動かす最善の法は、まず、相手の心の中に強い欲求を起こさせることである。商売においても、家庭、学校においても、あるいは政治においても、人を動かそうとする者は、このことをよく覚えておく必要がある。これをやれる人は、万人の支持を得ることに成功し、やれない人は、一人の支持を得ることにも失敗する』

『他人の立場を理解し、自分の立場と同時に、他人の立場からも物事を見よう』

人に好かれる六原則

  • 誠実な関心を寄せる

よく人の名前を聞くときは自分からという話があるが、相手の心を引くには、まずは自分が相手に純粋な関心を寄せることが重要であると解いています。
『他人のことに関心を持たない人は、苦難の人生を歩まねばならず、他人に対しても大きな迷惑をかける。人間のあらゆる失敗はそういう人たちの間から生まれる』

  • 笑顔で接する

地味に一番大事だったりする

  • 名前は、当人にとって、最も快い、最も大切な響きをもつ言葉であることを忘れない

私は人の名前と顔を覚えるのはあまり得意ではないですが、意識的に覚えようとするのとそうでないのでは、全く違うことを実感しています。初対面の方と話したら、なるべくその日のうちに忘れないようにその人の名前と特徴を書き出しておいて、インプットとアウトプットを同時にすると意外とすぐに覚えられるようになりました。
あとは会話の中で相手の名前をよく用いるとすぐに覚えられるし、名前を呼ばれるのは嫌な気がしないと思うので、効果的だなと思っています。

『人に好かれる一番簡単で、わかりきった、しかも一番大切な方法は、相手の名前を覚え、相手に重要感を持たせること』
『有権者の名前を覚えること、それが、政治的手腕というものである。それを忘れることは、すなわち、忘れられることである』
『私たちは名前に込められた魔法を意識すべきである』

  • 聞き手に回る

子供の頃からの親の教えで印象的なのが、『人の話は耳ではなく、目で聞く』というのが私の中ではずっと印象に残っていて、今もなお実践しています。
この教えのおかげで昔から聞き手に回るのは得意で(単に自分から話すタイプではないというのもありますが)、人の話を聞くのは意外と好きです。そこから得られるものが非常に多いと思っています。

  • 相手の関心を見抜いて話題にする

これも『常に相手の立場になって考える』とほぼ一緒だと思いますが、相手が今何を考え、関心を持っているのか、どういうことに熱を入れているかを徹底的に調べ、それを話題にするやり方は、結局、双方の利益になると思っています。

人間は意外と話したがりなので、その人が普段考えている課題や問題をいかに聞き出して、話ができるかは営業の時にも非常にコアな部分でした。

  • 重要感を持たせる。心からの賛辞を込めて

要は、たくさん誉めようということですね。人間褒められて嫌に感じる人はいません。少しのことでも何か達成できたら褒めるを心がけています。
『人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい』

人を説得する十二原則

  • 誤りを指摘しない

これはコーチングの概念に似ていますね。あくまで直接的に誤りを指摘し、解を与えるのではなく、自分で感じとり、反省し、自ら行動を変えるように促すということが大事なのかなと思っています。
『考えないふりをして相手に教え、相手が知らないことは、忘れているのだと言ってやる』
『人に物を教えることはできない。自ら気づく手助けができるだけだ』
『できれば、人より賢くなりなさい。しかし、それを、人に知らせてはいけない』
『私の知っていることは一つだけだ。自分が何も知っていないということ』
『ちょっとした心遣いと相手の誤りを指摘しない』

  • 自分の誤りを直ちにキッパリと認める

意外とプライドが高い方であれば難しいのかもしれないが、そんな無駄なプライドはない方がいいと思っている。人間誰でもミスはするし、ミスをすること自体は悪ではない。悪なのは同じミスを何回も繰り返し、学ばないことだと思っている。

だから、自分の誤りがわかったらすぐに認め、謝るべき。そうすれば相手には何もいうことがなくなる。十中八九まで、相手は寛大になり、こちらの誤りを許す態度に出るだろう

  • 穏やかに話す

このパートで特に印象的だったのが、『北風と太陽』を例にしているところです。
北風は吹けば吹くほど男はコートを離さないが、太陽で優しく照らすとどんな場合でもコートを脱いでくれる。
だから、激しく口論したり、感情的に話したところで問題は悪化するだけかなと思います。常に穏やかな気持ちで、冷静に物事を俯瞰して捉え、議論することが大事だと思っています。
『バケツ一杯の苦汁よりも一滴の蜂蜜の方が多くのハエが取れる』

  • 相手に喋らせる

これも聞き手に回ると似ていますね。基本は自分の自慢話は極力控えます。常に謙虚である姿勢が大事です。

  • 相手に思いつかせる

これは営業の時によく使っていたというか考えていたものかなと読んでいて感じました。『常に相手の立場になって考える』時にただ自分の商材を売りつけても、こちらの意見を押し売りしているに過ぎず、いつまで経っても売れることはないでしょう。相手に意見を述べさせて、本当に求めているものは何なのかを相手が自分でデザインさせることが大事なのだと思います。決して売りつける必要はない。

人を変える九原則

  • まず褒める
  • 遠回しに注意を与える
  • 自分の過ちを話す
  • 命令をせず、意見を求める
  • 顔をたてる
  • わずかなことでも惜しみなく心から誉める(ただしこれはお世辞はダメです)
  • 期待をかける
  • 激励して、能力に自信を持たせる
  • 喜んで協力させる

上記九原則は全て今まで述べていた
『人を動かす三原則』
『人に好かれる六原則』
『人を説得する十二原則』
をまとめているだけで、言っていることは同じです。

まとめ

こういう本を読んで身にしみて感じるのが、新卒の頃に一番最初に教わった、仕事を進める上での考え方の基礎はずっと活きているなーということです。

新卒の頃は、まだそんなこともわからなかったので将来どこでこれが活きていくのかなと思うこともあったのですが、どんな仕事をやっていても『常に相手の立場になって考える』というのは組織で仕事をしていく以上、必要不可欠な考え方だなと思います。

そう考えると、やはり新卒の頃に最初からエンジニアという技術職に行くのではなく、現場のコンサル営業を0からやってみるという選択肢をしたのは間違いではなかったのだなと今になって改めて思います。(もちろん当時は本当にしんどいことの方が多かったですがw)

当時の上司や先輩には感謝しかないので、私もそういう風に思ってもらえるように、今度は私がMgrとしてこれからのメンバーを少しでもそれぞれの目指すキャリアへ導いてあげたいなと切実に思います。

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