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App Storeにアクセシビリティラベルが追加された

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はじめに

こんにちは、Flutterエンジニアのおまつです!

App Storeに最近追加された「アクセシビリティラベル」をご存知でしょうか?
スマホアプリ版のApp Storeから任意のアプリDLページに行くと、
新しく下記画像のようなものが表示されるようになりました。

海外では2025年5月くらい?から追加されたという話も聞きますが、
日本だと2025年10月から追加されたもののようです。

※アクセシビリティラベルに関するApple公式ページ
https://support.apple.com/ja-jp/123073
※App Store Connectの開発者向けのページ
https://developer.apple.com/jp/help/app-store-connect/manage-app-accessibility/overview-of-accessibility-nutrition-labels

アクセシビリティとは

そもそもアクセシビリティとはなにか。
Accessibility(アクセシビリティ)は日本語で「利用しやすさ・アクセスのしやすさ」を指します。
具体的には下記のようなことが挙げられます。

  • 視覚や聴覚などに障がいを持った人が、使いやすいアプリであること
  • 老若男女が、使いやすいアプリであること
  • 明るい / 暗い場所でも使いやすいアプリであること

アクセシビリティの対応項目は年々増加しており一概には言えませんが、
例えば下記のようなものがあります。

状況・人 必要な配慮 アプリの対応例
👨‍🦯 視覚に障がいがある 文字が見えにくい 音声読み上げ、文字サイズ変更
👂 聴覚に障がいがある 音が聞こえない 字幕表示、バイブ通知
🤕 手をケガしている タップ操作が難しい 音声操作、スイッチ入力
🌞 明るい場所 画面がまぶしい 高コントラストモード
🌙 暗い場所 光が強すぎる ダークモード

アクセシビリティの重要性

アクセシビリティ対応の重要性を、法的側面・ビジネス的側面の2つの観点から説明します。
お仕事として海外向けのアプリを作る際は、もはや必須だと言われております。

法的側面:世界的に義務化が進むアクセシビリティ

アクセシビリティの重要性は、国内/国外ともに年々高まっています。

  • 日本では、2024年施行の「障害者差別解消法 改正」により、民間企業でもアクセシビリティの合理的配慮が義務化されました。Webやモバイルアプリも対象に含まれ、「障がい者が利用できるようにするための配慮」が企業の責任として求められています。
  • 海外では、音声読み上げに対応していないアプリが法的に訴えられて罰金が課された事例もあります。
    例えばアメリカだとADA法というものがあり、「使えない=差別」とみなされてドミノピザなど複数のアプリが訴えられています。

ビジネス的側面:利用者拡大とブランド信頼性の向上

世界では15%以上の人が何らかの障がいを持つといわれています。
また、アクセシビリティは前章で説明した通り「障がい者向け」だけのものではなく、
すべての人の使いやすさを追求する設計思想です。
アクセシビリティに対応したアプリを作ることは、下記のような効果があります。

  • 障がいを持つ人を含め、幅広いユーザ層を獲得することができる。
  • 「誰にでも優しいアプリ」という姿勢は、ブランド価値・社会的評価の向上に繋がる。

アクセシビリティラベルの種類

App Storeが2025年11月時点で提供しているラベルは全9種類あります。
音声読み上げが重要視される傾向があるため、なにから取り入れるか悩むようであれば、
まずはNo.1 VoiceOverから対応してみることをオススメします。

No アクセシビリティラベル 区分 概要
1 VoiceOver 情報支援 画面上のテキストやボタンなどを音声で読み上げる。視覚に障がいがある人が操作可能になる。
2 音声コントロール 操作性 タップ・スワイプ・入力などを声で操作できる。手が使いづらい人が操作しやすくなる。
3 さらに大きな文字 デザイン(視認性) ユーザーの設定に応じて文字を拡大表示できる。視力が低下した人でも読みやすくなる。
4 ダークインターフェイス デザイン(配色・環境対応) ダークモード対応。明るい環境や夜間でも見やすいよう、背景を暗くできる。
5 カラーだけに頼らない区別 デザイン(情報表現) 色覚に障がいがある人でも理解できるよう、形やラベルなど別の情報も取り入れる。
6 十分なコントラスト デザイン(視認性) テキストやアイコンと背景の明暗差を確保して、見やすくする。
7 視差効果を減らす デザイン(操作感) アニメーションや画面遷移の動きを軽減して、酔いやすい人に配慮。
8 キャプション 情報支援 音声や動画の内容を字幕表示する。聴覚に障がいがある人や静かな場所で利用する人に有効。
9 バリアフリー音声ガイド 情報支援 動画中の視覚的な動きを音声で説明する。視覚に障がいがある人にも映像内容が伝わる。

具体的なサポートや評価条件は、下記の概要ページの各リンクから確認できます。
各項目とてつもなく長い文章で説明されているためこの記事内でまとめようか悩みましたが、
Appleの思想として「開発者がアクセシビリティを十分理解して開発・評価すること」のような記載があったため、
あえてここではまとめずに公式ページに委ねようと思います!!
https://developer.apple.com/jp/help/app-store-connect/manage-app-accessibility/overview-of-accessibility-nutrition-labels

まとめ

  • 2025年10月からApp Storeに「アクセシビリティラベル」が追加された。
  • アクセシビリティとは「障がい者や老若男女誰でも使いやすいアプリ」であることを指す。
  • アクセシビリティの重要性は、国内/国外ともに年々高まっている。
  • アクセシビリティを高めることは、ユーザ層を広げたりブランド価値を高めることに繋がる。
  • アクセシビリティラベルは2025年10月時点では全9種類ある。
    なにから取り入れるか悩むようであれば、VoiceOverから対応してみるべし。

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