Claude Code Agent Teams で議論を加速させろ!!1人で考える時代はもう終わりだ!!!
議論は好きですか?私は好きです。建設的な議論によって結論を導き出し、チームの方向性を決めることはとても大事です。小さいチームのうちは個人個人のパフォーマンスが大事ですが、同意なき結論は軋轢を生み出してパフォーマンスを低下させます。だからこそ心理的安全性によって反対意見も含めて発言しやすいチーム編成が大事です。ただ、この方法論には重大な欠点があります。
議論は一人じゃできません!!!
1人じゃ会話は出来ないんです。この問題に対応するため色々な手法があります。アヒルに話しかける、脳内で会話をする、そしてAIと壁打ちをする。今回登場したClaude Code Agent Teamsはコンテキストの共有を制御可能なエージェント同士でコミュニケーションをさせることで、異なる意見をぶつけあう議論ベースの結論導出ができます。1人で考えをまとめるには難しい課題があったのでAgent Teamsを使って議論をさせてみました。
ピボットか改善か
現在私たちが開発しているシステムを利用するユーザーの数が伸び悩んでいます。この状況を打破するため、プロダクトやサービスの方向性、ターゲットをがらりと変える「ピボット」をするべきかどうか。するとしたらどのようにするべきだろうか?を検討します。DBから得られたデータ、ソースコードなどを並べてClaude Codeで分析。ふむふむ・・・となりつつ「もっと視点を増やしたいな」と思いました。そこで、Claude Code Agent Teamsです。
利用例にも「競合する仮説で調査する」があるように、複数のエージェントによる議論が可能なようです。
この機能を使って「プロダクトの方向性をがらりと変えるピボット派」と「プロダクトの改善によって状況を打破する派」を用意して議論をさせました。
プロンプトは以下のようにしています。
プロダクトの方向性を大きく変えるピボット派エージェントと、プロダクトの改善によって状況を打破する改善派エージェントを用意して議論を開始してください。両陣営とも同じデータを参照してユーザーの行動分析やリテンション率を使ってください。なお、あなた自身はDelegated modeで起動してデータ分析や議論に参加しないでください。議論エージェントの起動とシャットダウンだけ管理し、結論導出エージェントを起動してください。
今までの実験で、どうやら「Delegated modeで」を含めることで安定してチームの編成をしてくれるっぽいことがすでに分かっています。また、結論の導出も別のエージェントでやらせることで純粋に双方の主張から結論を導出できるようです。

議論はそれぞれがそれぞれの考えをMarkdownファイルに出力しDelegate modeのエージェントが片方にそれを読ませ反論させる・・・という方法で動作しました。議論が何巡かするとモデレーター用エージェントが起動し結論に収束しました。
今回の場合、機能改善派の方が根拠が強くどちらかと言えばそれが採用されつつも、両陣営とも「プロダクトを繰り返し利用している少数のユーザーに特化させるべき」という結論に達していました。その手法には大きな差がありましたが。
見落としは無いか?
両陣営とも同じような結論に達しましたが、このとき大きな見落としに私は気が付きました。どちらの陣営も「少数のユーザーに特化」を指していますがこれって有名な生存者バイアスのたとえ話と同じ状況に陥っている可能性があります。帰還した飛行機のうち、改善派は被弾箇所が多い場所の装甲の強化を、ピボット派は被弾箇所が多い場所に弾が当たらないようにする工夫を訴えているに過ぎないと言えそうです。AIは限られたデータからそれなりの「落としどころを見つける」能力に長けているのだなと感じました。
ただ、だからと言って議論が無駄だったとは思いません。この議論は私がほかのチームメンバーと行ったり、あるいは1人でたどり着いた可能性のある結論を導きました。しかも短時間で、私の脳のリソースをほぼ使わずに。ここに価値を感じます。何度だってやり直せばいいんです。そして、そのコストは会議をセッティングしたりそもそも会議の時間を設けるより安いと言えます。
AIの限界を感じると同時にAIを使って仕事のやり方が大きく変わっていることを実感しました。
第2段階: 深化か拡張か
見落としに基づいてさらにデータを収集しました。離脱しているユーザーのファネル分析を実施し、継続利用しているのは7%程度。離脱しているユーザーがたくさんいます。この事実をもとにまた陣営を作って議論を開始させました。プロンプトは以下。
第1段階の結論を支持する派と離脱ユーザーに対するアプローチを優先する派でエージェントを立ち上げて議論を開始してください。ただし、両方とも最新のファネル分析の結果を参照できるようにしてください。ファネル分析の結果にどれくらいのバイアスをかけるのかは各エージェントに任せる物とします。あなたはdelegated modeになってエージェントの立ち上げと終了の管理に徹してください
引き続きDelegate modeに集中させたこと、また議論をする上で新たに得られた補正データを双方の陣営に与えています。先にポジションを決定しているので「このようなデータはむしろ自分の意見を強化する。なぜならば」と言った意見を出していました。
最終的な結論は、やはり少数ユーザーに対するアプローチを主軸に置きつつもも離脱するユーザーに対するアプローチのうちコストが低い物はすぐに実施するべきと言う物でした。
ただし、それでもまだ見落としはありました。拡張派が提案した機能改善案は分析用データを取得した時点では未実装だったものの、現在はすでに実装済みの物も含まれていました。コードをロードさせていましたがそれが議論に反映されていなかったこと、またコード上はすでに実装できているけれどデータ取得時点では利用できなかった物など、時系列を全て網羅していないので発生した見落としです。人間でも情報共有に漏れがあると起こりえますが、AIでも同じ問題を内包していました。
今回は結論で出たアクションプランをそのまま実施するのではなく、チームメンバー(人間の)でさらに議論を進めて計画に落とし込むつもりです。しかし、1人の人間の作業だけで結論に到達できたことには意味がありそうです。
まとめ
Agent Teamsを使って議論をClaude Codeにアウトソースしました。結論を導出する部分より結論を検証する部分に人間のリソースをより割けられるようになった点が一番良かったです。また、結論の導出についてもスピードが速い点も良いですね。
ただしトークンの利用量はすごいです。Max 5xでOpus 4.6で議論をさせると4時間のリミットに1時間もしないうちに到達します。20xで挑むと良いかもしれません。
エージェントに議論をさせることでAIは落としどころを見つけるのが得意である問題がより強調されたようにも感じました。ただし安易な落としどころでは無いこと、それをレビューするリソースを割けることややり直しがたやすいことには意味があります。
Discussion