GitHub Universe 2025 参加レポート
はじめに
2025年10月28日~29日に、米国サンフランシスコにて開催された「GitHub Universe 2025」に参加してきました。
会場はサンフランシスコのベイエリア、フィッシャーマンズワーフの近くにあるFort Mason Centerです。
幸いなことに2日間とも好天に恵まれ、会場からゴールデンゲートブリッジも綺麗に見ることが出来ました。

会場の様子。奥に見えているのはゴールデンゲートブリッジ。

会場入り口(開催前日)
前日の午後から受付が行われていたため、現地到着後に受付を済ませました。
このときはほとんど人がおらず、スムーズに受付が完了したのですが、当日の朝は会場をぐるっと半周するほどの長蛇の列になっていました。
初日のKeynoteが終わった後も受付の列は続いていたので、受付待ちでKeynoteを聞けなかった人もいたのではないかと思います。
来年も同じ会場のようなので、来年行く方は前日に受付を済ませることをおすすめします。

開催初日の受付待ち。この後方にもずっと列が続いていました。
また、会場内の受付や出入口等には signin()、exit() などの関数が表記されており、エンジニアの心をくすぐる仕掛けが各所に施されていました。

入口ゲートの裏側はexit()
Keynote
Keynoteおよび今回のイベントの目玉はAgent HQとmission controlかと思います。
概念としては目新しいものではなく、複数のAIエージェントをGitHubのもとで統合し、それぞれ得意とするタスクを割り当てるというマルチAIエージェントそのものです。ただし、単にマルチAIエージェントが利用できるようになるというだけでなく、Agent HQ は(GitHubの表現を借りれば)ビジョンであり、マルチAIエージェントを実行するプラットフォームやエコシステムをGitHubが提供するという話でした。
「プラットフォームを制する者は、市場を制する」という言葉があるように、コーディングエージェントにおいては Agent HQ がそのプラットフォームとなるのかもしれません。なお、今後数か月以内に Anthropic、OpenAI、Google、Cognition、xAI など各社のエージェントを GitHub 内で使えるようにする予定とのことでした。
その他にも様々なアップデートが発表されていますが、詳細は GitHub のChangelog やメディアの記事、日本から参加された方のブログ等(Zennでも公開されています)を参照してください。
Session
いくつか聴講したセッションの中から、気になったものをピックアップしてご紹介します。
CI/CDの次はCAI?
一つ目は「Continuous AI: A new way to collaborate」というセッションで、CI/CDに次ぐ概念として Continuous AI(略すなら CAI?)という考え方を提唱する内容でした。
CI/CDがコードの統合と環境への展開を自動で継続的に行うのに対し、Continuous AI はソフトウェア開発ワークフロー全体でコラボレーションをAIで自動化しようという概念です。概念的でいまいちピンと来ない部分もありますが、例として挙げられているものは以下の通りです。(引用元)
- 継続的な文書化: ドキュメントを継続的に入力して更新し、改善のための提案を提供します。
- 継続的なコード改善: コード コメント、テスト、およびコードのその他の側面を段階的に改善します (コード コメントが最新で関連性があることを確認するなど)。
- 継続的なトリアージ: 自然言語を使用して、問題にラベルを付け、要約し、対応します。
- 継続的な要約: ソフトウェア プロジェクトのコンテンツと最近のイベントの最新の要約を提供します。
- 継続的な障害分析: 失敗した CI 実行を監視し、コンテキストに応じた洞察とともにその説明を提供します。
- 継続的な品質: LLM を使用してコード品質を自動的に分析し、改善を提案し、コーディング標準への準拠を確保します。
- 継続的なチームのモチベーション: PR やその他のチーム活動を詩、雑誌、ポッドキャストに変えます。ナッジを提供したり、チームの成果を祝ったりします。
- 継続的なアクセシビリティ: コードとドキュメントのアクセシビリティを自動的にチェックし、改善します。
これらを実現するための機能の一つが Agentic Workflows と呼ばれるもので、AIで自動化したいタスクを自然言語で記述し、実現する仕組みです。
もう少し具体的に言えば、マークダウンで実現したいこと(上記の例のようなタスク)を記述すると、AIエージェントが GitHub Actions の YAMLファイルにコンパイルして、自動的にワークフローとして実行してくれる、というイメージです。
現在、この取り組みは GitHub Next という GitHub 社内の研究開発チームで進められており、すぐに実現するものではないとのことでしたが、GitHub Copilot や GitHub Spark なども GitHub Next の成果であることを踏まえると、将来的に実現する可能性は高いのではないかと思います。
MCPのセキュリティ
もう一つは「Data protection strategies for MCP without the risk」というセッションで、MCP のセキュリティに関する内容でした。
トークンの搾取やログ・テレメトリの流出による情報漏洩がリスクであり、セキュリティに近道はないため、基本的な対策をしっかり実施することが重要だという話でした。
具体的には、トークン保存時の暗号化、短命トークンの利用、最小権限の付与など、API のセキュリティと同様の実装を行うことが挙げられていました。
独自の認証機能の実装は脆弱性を含むリスクがあるため避け、既存の認証機能(ここでは OAuth2.1)を利用すべきという内容もありました。
エンタープライズレベルで MCP を活用するためにはセキュリティ実装が不可欠で、例えば MCP のフレームワークである FastMCP でも mcp.server.auth モジュールを活用すれば OAuth を利用できるようになっています。
これらの機能を利用して、必要なセキュリティ対策を正しく実装することの重要性を改めて感じました。
GitHub Office ツアー
日本から参加したメンバー向けに GitHub 日本法人主催で GitHub 本社の Office ツアーを開催していただきました。
昨年は工事中だったとのことですが、Office の真ん中に Octocat のオブジェがあったり、ボードルームの外壁にはスケートボード(ボードつながり)が飾られていたりと、遊び心がちりばめられた素晴らしいオフィスでした。

オフィス中央のOctocatのオブジェ

BoardRoom の側面には SkateBoard

隠し扉の中にある書斎スペース

入口にある GitHub の統計情報ダッシュボード(名前がついてたかも。忘れました...)
プルリクの情報がリアルタイムに流れている(右側)
障害が起きてあれが止まったらみんな真っ青になるんだろうね、という話をしながら眺めてました。
イベント会場に行かれているのか、リモートワークなのかは分かりませんが、オフィスで仕事中の社員さんは数名でした。

執務スペース
まだまだ他にも紹介しきれないほど見どころが多く、とても素晴らしいオフィスでした。
改めて開催していただいた担当者に感謝します。訪れる機会があればぜひ行ってみてください。
会場内
イベント会場に戻って、セッション以外の内容に触れておきます。
ドーナツ🍩
朝食や昼食も提供されているのですが、名物となっているのがドーナツ🍩。
最初はもっと大量に置かれていたようですが、私が立ち寄った際にはだいぶ減っていました。
一つだけ食べてみましたが、味はご想像にお任せします。(自分は日本のおやつの方が好きです)

GitHub名物のドーナツ🍩
バッジ
GitHub Universe といえばカスタムバッジ。毎年参加されている方はコレクションされているとおっしゃっていましたが、昨年までモノクロだったものが、今年はなんとカラー。
機能も豊富で画像を表示したり、Wi-Fi経由で GitHub のプロフィールを取得して表示するといったものから、リポジトリ からソースコードを追加すれば、テトリスやインベーダーゲームなどのゲームアプリも遊ぶことができます。

側面にType-CのUSBポートが付いており、PC経由でファイルを配置することで
アプリを自由にカスタマイズできる
レゴ
Makerspace というエリアでは、GitHub Copilot のキャラクターのレゴと、Octocat のマークの LED ランプの組み立てが出来ました。
また、写真奥の左側に見えるのは 3D プリンターで、黄色いアヒル🦆(ずっとヒヨコ🐤だと思ってました)を作っていました。
ちなみに、なぜアヒルなのか、その由来がGitHubのブログに記載されています。
気になる方は読んでみてください。

MakerspaceとGitHub Copilotのキャラクターのレゴ(右上)
綿あめ
会場内にひっそりと置かれていた「わたあめ自動販売機」。
SNS映えするわたあめを2分ほどで作ってくれます。
最初は人もいなかったのですが、誰かがわたあめを作り出すとそのものめずらしさに人が集まり、次々と作られていました。

2分程でカラフルでいろんな形のわたあめを作ってくれる
製造元は中国の企業のようですが、日本国内でも販売されているようなので国内でも見かけるかも。(リンク)
移動
サンフランシスコ周辺の移動は Uber と Waymo を利用しました。
日本ではまだあまり普及していませんが、Uber のような配車サービスがかなり普及しています。
Waymo は完全自動運転によるサービスで、アプリで指定した地点まで迎えに来てくれ、同様に指定した地点まで自動で運転してくれます。

Waymo
サンフランシスコは坂の街としても有名ですが、そんな坂道でも問題なくスムーズに運転してくれます。Uber の場合は運転手に気を遣う場面もありますが、Waymo は無人なのでその必要はありません。
両方乗ってみた印象としては、運転手による部分もありますが、Uber の運転手は結構スピードを出して運転することが多く、一方で Waymo は自動運転のため交通ルールを厳守します。一時停止は確実に止まり、法定速度を守って運転してくれます。
料金はほとんど差がないので、時間に余裕があるか、配車までの時間などで使い分けていました。
また、Amazon 傘下の Zoox も自動運転サービスを始めるようで、移動中に一台だけ見かけました。写真は撮り損ねましたが、箱型でより近未来っぽい乗り物でした。

Zoox (画像:https://zoox.com/san-francisco/ より引用)
調べてみると、日本でも Waymo の実証実験が始まっているようです。東京でも Waymo に乗れる日は近い?
まとめ
AWS Re:Invent 等のクラウドベンダーのイベントに比べるとテーマ数なども違うため、ややこぢんまりした印象を受けますが、生成AIブームの影響もあって、かなりの盛り上がりを感じました。
海外のカンファレンスはネットワーキングの要素も強く、会場内では久しぶりの再会を喜んでハグしているような光景をところどころで見かけました。日本のカンファレンスはセッションを真面目に聞いたり、ブースを回って情報収集したりする傾向が強いので、その違いも面白かったです。
生成AIの最先端の現場を肌で感じることができた、素晴らしい2日間でした。
仲間募集
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金融系オープン系基盤エンジニア/基盤リーダ(ITアーキテクト)
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