Google Workspaceで実現する無料RSSプラットフォーム
はじめに
エンジニアの方もエンジニアではない方も、こんにちは。これまでは金融業界で SRE としてGoogle CloudのプロジェクトにJoinしていましたが、最近プロジェクトが変わり、Amazon Web Services (AWS) に挑戦しています。
先日はGoogle Cloud Partner Top Engineer 2026 に選出していただきました!
みなさんは普段、どのようなインプットをしていますか?
私は「自分から情報を収集しなくても、自動で技術情報が目に入る仕組み」としてRSSを使っています。RSSを利用するには主にRSSリーダーを利用することが多いかと思います。
私はRSS取得 / 配信 / 閲覧をGoogle Workspace内のサービスで完結して実装しています。RSS取得 / 配信 / 閲覧する環境のことを本記事では「RSSプラットフォーム」と位置づけ、紹介していこうと思います。
本記事の構成を取ることで、無料でRSSプラットフォームを構築することができ、快適なインプット環境を構築することができます。また、Google Workspace内で完結しているので、Google Workspaceのメリットを存分に享受できるのも魅力の1つです。Google Workspaceの魅力については以前執筆したこちらの記事で語っていますので、ぜひご一読してもらえればと思います。
RSSプラットフォームUXイメージ
最初に本記事で紹介するRSSプラットフォームが "どんなもんか" の想像がしやすいようにイメージを紹介します。
本記事を参考にRSSプラットフォームを構築するとスマホで以下のように、配信されたRSSを閲覧することが可能です。画像では「Qiitaから配信されるGoogle CloudタグのRSS」「Google CloudのRelease Noteから配信されるRSS」「Zennから配信されるGASタグのRSS」がGoogle Chatに配信され、スマホから閲覧できています。後述しますが、もちろんPCやタブレットからでも閲覧可能です。

とにかく実装したい人は以下のGitHubにコードを公開しているので、記事はすっ飛ばして実装してみてください。
対象読者
- RSSを利用してインプットしたい人
- 無料でRSSを取得するツールが欲しい人
- RSSの内容をGoogle Workspace横断で管理したい人
RSSとは
最初にRSSについて少し触れます。すでにご存知の方は飛ばしていただいて構いません!
RSS (Really Simple Syndication / Rich Site Summary) は、Webサイトの更新情報 (新着記事など) を配信するための仕組みです。
多くの技術ブログやニュースサイトは「RSSフィード」を公開しており、RSSリーダーや自作ツールがそのフィードURLを定期的に取得することで、最新の更新を一覧で追えるようになります。
一般的なRSSフィードはXML形式で、次のような情報が「記事 (item) 」として並びます。
- タイトル (title)
- リンク (link)
- 公開日時 (pubDate / updated)
- 概要 (description / summary)
サイトを個別に巡回しなくても更新を取りこぼしにくく、複数サイトのインプットを1か所に集約できるのが利点です。
なお、厳密には「RSS」とは別仕様のAtomフィードもありますが、実運用ではRSS/Atomをまとめて「RSS」と呼ぶことが多いです。
Google Workspaceで実装するメリット
主なメリットは以下に記載したものかなと思っています。
- 無料で実装することができる
- Googleアカウントを持っていれば本記事で紹介するGoogleプロダクトを利用することができ、無料で実装できる
- 注意点にも挙げますが、Google Apps Scriptは無料枠の中で利用する必要あり
- マルチデバイスに対応してる
- Google Chatで配信されたRSSを閲覧するため、スマホ / PC / タブレットに対応
- Spreadsheet ベースでRSSを簡単に管理できる
- SpreadsheetをRSSのすべてを管理するDBとして利用しているため、Spreadsheetを操作することでRSSを管理可能
- Spreadsheetがマルチデバイス対応しているため、「いついかなるとき」でもRSSを管理可能
- (Google Chat / Spreadsheet 内でGeminiを利用することができる)
- Google Workspaceを有料で契約している人のみではあるが、各プロダクト内からGeminiを呼び出し可能
- Google Chat内の単語を検索したり、配信されたRSSの情報をもとに分析したり
- Googleプロダクトと組み合わせることができる
- (私は実践できていませんが) NotebookLMにSpreadsheetを読み込ませてみたり
- GAS内でVertex AIを呼び出して、処理の一部でAIを利用したり
- テックブログを要約する機能をGoogle Chatから呼び出せるようにしてみたり (RSSプラットフォーム第2弾の記事で紹介予定です)
Googleプロダクト / シーケンス図
RSSを取得しているGoogleプロダクトとデータの流れは以下の通りです。
- Google Apps Script
- RSS取得を定期実行し、Spreadsheet / Google Chatへ出力
- Spreadsheet
- RSS配信のサイト / Google Chatの宛先などの管理
- Google Chat
- 取得したRSS情報をもとに、該当のサイト情報を出力する宛先
- ユーザーはGoogle Chatを見ることで、情報をインプット可能

Google Apps Script
詳細は以下のGitHubで紹介しています。セットアップ方法も記載していますので、参照しながらセットアップ / 実装してみてください。
スクリプトプロパティを設定して実行すれば動きます。
Spreadsheet
Spreadsheet(例: rss-manager)は「どのサイトのRSSを」「どの頻度で」「どのChatスペースに」流すかを管理するためのマスタ/出力先として使います。
ここでは、添付スクショの各シートを簡単に解説します。
RSS配信マスタ (サイト一覧)

配信対象のRSSサイトを管理するシートです。主に次の情報を持ちます。
- 対象: 配信する/しないのON/OFF
- 頻度:
毎時/日次など、取得間隔 - サイト名: 表示用の名称
- 通知タグ: Chat投稿時に付けるタグ(例:
#SREなど) - 最終更新日時: 直近に取得したタイムスタンプ(重複投稿防止に利用)
- Webhook URL: 投稿先のGoogle Chat Incoming Webhook
- アイコンURL: 投稿に使用するサイトアイコン
- サイトカテゴリ / タグ: 後述の「Chatマスタ」と突合する分類情報
(列名は例です。実装に合わせて増減します。)
RSS取得結果 (テックブログ一覧)

GASが取得したRSSの結果を蓄積するシートです。
新着記事がこの一覧に追記され、Chat通知の元データになります。
- 記事タイトル
- 記事URL
- カテゴリ
- 取得日時 / 公開日時 など
このシートを見れば「直近どんな記事を拾っているか」「取得が止まっていないか」をSpreadsheet上で確認できます。
Chatマスタ (スペースとWebhook)

配信先のGoogle ChatスペースとIncoming Webhook URLを管理するシートです。
- スペース名: 管理用の名称(例:
10_RSS_General) - Webhook URL: スペースに紐づくIncoming Webhook
- タグ: このスペースで扱うテーマ(例:
#SRE/#Google Cloudなど)
「RSS配信マスタ」のカテゴリ / タグと紐づけることで、サイトごとに投稿先を切り替えられるようになります。
サイトアイコン一覧

サイト名とアイコンURLの対応表です。
Chat投稿を見たときに視認性が上がり、「どのサイト由来の投稿か」が直感的に分かるようになります。
Google Chat
上記のGoogle Apps ScriptとSpreadsheet をセットアップ完了し、実行すると以下のようにRSSの情報をもとにサイト情報が配信されます。

Google Chat PC版
Google Chatへの配信なのでスマホでもGoogle Chatのアプリを入れれば、配信されたRSSを見ることができます。

Google Chat Phone版
おわりに
本記事では、Google Apps Script / Spreadsheet / Google Chat のみで完結する「RSSプラットフォーム」を紹介しました。
RSSリーダーを使わずとも、Spreadsheetで配信対象や頻度を管理し、Google Chatに自動配信してスマホ / PCで読むところまでを、無料 (クォータ内) で構築できます。
運用のコツは「最初は小さく始めて、育てる」ことです。
- まずは重要な数サイトだけを登録して、頻度は
毎時程度から始める - 配信先 (スペース) をタグで分けて、ノイズを減らす
- GASのクォータ (実行数・実行時間など) に当たらない範囲で、対象サイトや頻度を増やす
この構成を土台にすると、NotebookLMやGeminiと組み合わせて「要約して配信する」「タグ付け・分類を自動化する」など、さらにインプット体験を改善していけます。
まずは本記事の構成で“自分にとって見やすいRSS環境”を作ってみてください。
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