政策の結果を検証しよう
制度設計の難しさは、よかれと思って行動したことが、逆の結果をもたらすことがあるということだ。
企業での検証作業
エンジニアとして仕事をしていくと、自分の成果がどのように有効なのかを検証することが業務の一環として絶えず発生する。
「よかれと思ってこう変更しました」は通用しない。
A/Bテストをして有効性の検証を行うという事例も多い。
そのことで、広告の効果を判定したり、キャンペーンの効果を判定ながら企業の運営に寄与している。
設計を見直し、より安価な部品を選択できるようにしたり、クラウドサービスの利用コストを削減するために作業を見直したりする。
そういう努力の中で、オペレーションのコストを減らして収益があがるようにしている。民間企業はそのようにする中で、利益を捻出している。
(かかった費用に一定の利幅をのせて請求すれば、お金がもらえるという会社は極めて稀だろう。)
それに対して、どれだけ努力してますか
- その点、財務官僚、厚生労働省の官僚は、パラメータをいじれば、いくらでもお金が引き出せる「打出の小槌」を持っているらしい。
- 自分たちが選出した委員を集めて委員会を作り、その委員会に了承させる。それでもって、「こう決まりました」と大手新聞社・TVのキー局に報道させる。
因果分析の重要性
伊藤 公一朗(いとう こういちろう)
『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』(光文社)
因果関係を正しく見極めるためには、企業・政府とデータ分析を行う研究者との連携が必要だ。本書には、米国・日本で連携が成功した具体例の紹介があり、読者に参考になる。中でも、著者自身が関わった電力料金に関するランダム化比較試験の結果や日本の自動車の省エネ規制の影響に関する分析は興味深い。また、日本の高齢者医療保険制度のデータを使って医療費の自己負担額が医療需要にどのような影響を与えるかということを明らかにした重岡仁氏の研究の紹介もある。いずれも経済学のトップクラスの国際学術誌に掲載された研究である。日本経済への国際的な関心が低下している中で、政策的研究で日本人の若手研究者が国際的な業績を上げていることは素晴らしい。
日本の自動車の省エネ規制の影響:
車体重量が大きい自動車では、省エネの基準がゆるい。そのため、基準となる車体重量の近辺では、差は移重量があって省エネ基準がゆるい側に設計を変更してしまうことを誘発している。そのため、その制度が車体重量の増加をまねくという結果につながり得たことを分析の結果明らかにしている。
# 2023年に新たに発足した行政機関への悲報
- 少子化の進展を抑制するために発足したはずの行政機関の予算の使途について
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