【まとめ】初めての個人開発でマネタイズに成功。意識したこと
Webシステム開発やWeb制作の経験はありましたが、スマホアプリの個人開発は今回が初めてでした。そして、初めてのスマホアプリ開発でマネタイズに成功しました。
まだ微小な収益ではありますが、毎日自動的にお金を運んできてくれる状態を作ることができました。リリースから2週間で、少しずつダウンロードされ、収益が発生し始めています。
この記事では、開発前に意識したことや実践した内容をまとめてみます。「技術は得意だけどマネタイズできない」と悩んでいる方の参考になれば幸いです。
技術選定:自分が使えるもので開発する
React Nativeを選んだ理由
私はReactの開発経験があったため、迷わずReact Nativeを選択しました。
「ネイティブの方がパフォーマンスが良い」「Flutterの方が人気」といった意見もありますが、ユーザーは何で作られたかなんて気にしません。
重要なのは、自分が最も早く、確実に開発できる技術を選ぶことです。
技術選定で意識したポイント
- 自分の既存スキルを最大限活かせるか
- 開発速度を優先できるか
- トラブル時に自力で解決できるか
新しい技術に挑戦するのも素晴らしいことですが、個人開発でマネタイズを目指すなら、慣れた技術でスピード重視が正解です。
アイデア出し:ChatGPTで100個出して直感で選ぶ
100個のアイデアから1つを選ぶプロセス
ChatGPTに以下の情報を伝えて、100個のアプリアイデアを出してもらいました:
- 自分のスキルセット(React Native、API連携など)
- 作りたいもののイメージ(手軽、シンプル、楽しいなど)
- 避けたい要素(複雑すぎる、技術的に難しすぎる)
その中から、直感的に「これだ!」と感じたものを選びました。
「直感」の正体を言語化する
直感と言っても、実は以下の基準で無意識に判断していました:
-
使ったら面白そう、自分が使ってみたい
- 自分がワクワクしないものは、ユーザーもワクワクしない
-
どんなアプリかを鮮明に想像できる
- 画面遷移や機能が頭の中で映像化できる
-
自分のスキルで作れそう
- 技術的な挑戦はあっても、実現不可能ではない
-
複雑なアプリにならなさそう
- MVPを2〜4週間で作れるスコープ感
この基準に合致したのが「PhotoPoem(写真を選ぶだけでAIが詩を読んでくれるアプリ)」でした。
すぐに開発しない:マーケティング戦略を先に考える
「このアプリを作ろう!」と考えてもすぐに開発に移ってはいけません。
開発前に必ずやるべきこと
アイデアが決まっても、**すぐにコードを書き始めてはいけません。**以下の4つを必ず検討します。
-
アプリのコンセプト明確化
- 誰のどんな課題を解決するのか
-
マネタイズ方法
- 広告?サブスク?買い切り?
-
マーケティング方法
- どうやってユーザーに届けるか
-
競合調査
- 似たアプリはあるか、勝てそうか
この中で最も重要なのがマーケティング方法と考えています。良いマーケティング方法が思いつかないなら、その時点で開発をやめるべきです。
なぜマーケティングが最重要なのか
個人開発者の多くは、リリースして満足して終わります。リリースはゴールではなく、スタートです。
開発とマーケティングは掛け算です。どちらかの車輪が欠けていたら、アプリは走りません。
開発力 × マーケティング力 = 成果
100 × 0 = 0
50 × 50 = 2,500
開発に100の力を注いでも、マーケティングがゼロなら成果はゼロです。
私のマーケティング戦略
私のアプリは「写真+AI詩」という特性上、視覚的にコンテンツを無限に作れると判断しました。
- Instagram Reelsでの投稿
- TikTok、YouTubeでのショート動画
- Xでの画像投稿
これらのプラットフォームで、毎日コンテンツを量産できると確信したため、開発にGOを出しました。
競合調査:なければGO、あっても勝てそうならGO
競合調査の基準はシンプルです:
- 競合がいない → 即GO
- 競合はいるが勝てそう → GO
- 競合が強すぎる → 別のアイデアへ
私のアプリの場合、似たコンセプトのアプリはありましたが:
- 日本語対応が不完全
- そもそも認知されていない
これらの点を踏まえて、開発を進めました。
UX設計:タップ数を最小限に
使いにくいアプリは受け入れられない
どんなに素晴らしい機能があっても、使いにくければユーザーは離れます。
私が最も意識したのはタップ数を最小限にすることです。
具体的な施策
-
写真選択から詩の生成まで2タップで完結
- 余計な画面遷移を徹底的に排除
-
アイコンを積極的に使用
- 「カメラ」という文字の前にカメラアイコン
- 直感的に何ができるかを視覚的に伝える
-
初回起動時の説明は最小限
- 触れば分かるUIを目指す
-
ローディング時間の短縮
- アプリの立ち上がりの速度は特に短く
「使い方を読まないと分からないアプリ」は失敗します。触った瞬間に何ができるか分かることを目指しました。
マネタイズ戦略:特性に合わせて選ぶ
マネタイズ方法の選択肢
スマホアプリのマネタイズ方法は主に3つです(売却等は除く):
- 買い切り:ダウンロード時に料金
- 広告:無料で使えるが広告を表示
- サブスク:月額/年額課金
私が選んだのは「広告+サブスク」
アプリの特性を考えた結果:
- 無料で試せないと使ってもらえない → 買い切りは✗
- 何度も使ってもらえるアプリ → 広告との相性◯
- プレミアム機能を提供できる → サブスクも可能
ただし、リリース速度を優先して、最初は広告のみで実装しました。
MVP(Minimum Viable Product)の考え方
サブスク実装には経験がなかったこと、お金が絡むこともあり、実装に時間がかかると判断しました。それよりも:
- まず広告のみでリリース
- ユーザーの反応を見る
- 需要があればサブスクを追加
このリリース速度優先の判断が、結果的に正解でした。完璧を目指して時間をかけるより、まずは市場に出すことが重要です。
リリース後:マーケティングに9割の時間を使う
時間配分の比率
リリース後の時間配分は以下です:
- マーケティング:90%
- 改修・機能追加:10%
多くの開発者は逆になっていると思います。リリース後も開発ばかりに時間を使ってしまう人が多いです。(致命的なバグが見つかった時は、それを最優先します)
具体的なマーケティング活動
-
毎日のSNS投稿
- ショート動画の作成など
-
ユーザーとのコミュニケーション
- レビューへの返信
- SNSでのリプライ
開発者は「良いものを作れば広まる」と思いがちですが、良いものを作った上で、徹底的にマーケティングする必要があると考えています。
口コミの仕組みを設計に組み込む
シェア機能の重要性
アプリ内にユーザー同士で自然に広がる仕組みを組み込むことが重要です。
私のアプリでは:
- 写真と詩を一つにまとめた画像を自動生成
- ワンタップでSNSにシェアできる
- シェアされた画像にはアプリ名が自然に含まれる
(こんなのです)

この設計により、ユーザーが自分のSNSに投稿することで、自然とアプリの宣伝になります。
バイラル係数を意識する
バイラル係数 = 1人のユーザーが何人の新規ユーザーを連れてくるか
これが1.0を超えると、指数関数的に成長します。シェア機能は、この係数を高めるための必須要素です。
リリース2週間の成果と学び
現時点の成果
- ダウンロード数:着実に増加中
- 収益:毎日発生(まだ微小ですが。。。)
- レビュー:★4.5以上を維持
成功要因の振り返り
-
自分の得意技術で開発
- 開発速度が速く、トラブルも少ない
-
マーケティングを最優先
- リリース前に戦略を固めた
-
UXの徹底的な磨き込み
- タップ数最小化、直感的UI
-
MVP思考
- 完璧を目指さず、まずリリース
-
シェア機能の組み込み
- 自然な口コミが生まれる設計
まとめ:技術力だけではマネタイズできない
エンジニアは技術に偏りがちですが、マネタイズに必要なのは技術×マーケティング×UXの掛け算です。
個人開発でマネタイズするための5つのポイント
-
自分の得意な技術で作る
- 新しい技術への挑戦は二の次
-
マーケティング戦略を先に考える
- 良い方法がなければ開発しない
-
UXを妥協しない
- タップ数最小、直感的UI
-
MVPでリリースする
- 完璧を目指さず、速度優先
-
リリース後はマーケティングに9割
- 開発に時間を割きすぎない
初めてのスマホアプリ開発でも、これらを意識して取り組んだことによりマネタイズに成功しました。
開発はとにかく楽しいということもあり、マーケティングやUXを後回しに考えてしまいがちです。しかし、ユーザーに届かなければ、どんなにいいものでも知られることなく終わりです。
この記事が、個人開発でマネタイズを目指すエンジニアの方の参考になれば幸いです。
追記:
リリース2週間というまだ短い期間ですが、確実に成果が出始めています。誰かの参考になればと思い、記事にさせていただきました。最後までお読みいただきありがとうございました。
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