🗣️

42の本質は「言語化」だった

に公開
2026/01/01

レビューシステムは実務に活きるのか?

結論、そのままは活きない と思う。

何も学びになっていないわけではないが、
根本的にまず 42と実務ではレビューの目的が違うから だと思う。

  • 42のレビュー:課題をPassするため(要件を満たしてApproveをもらうため)
  • 実務のレビュー: 多視点的に判断する必要 (負債、セキュリティのリスク、修正コスト)

それに、実務では「この程度なら目を瞑って後で修正する」こともあり得る。
(多少拡張性を犠牲にしても早くリリースする価値があるなど)

じゃあ42のレビューで、何が実務に活きるのか?

僕の答えは、技術そのものというより「言語化」だと思う。
そして、その言語化を一番鍛えられるのは、42のレビューシステムだと感じてる。

実務に活きることとして、言語化はもちろんだし、
人に伝えるためには、まず自分が理解してないといけない。
だから結果として「理解すること」が習慣になる。これが文化としてすごく良いなと思う。

まず、42のレビューシステムがそもそも面白い

簡単に説明すると、42は課題解決型学習なのだが、課題を提出するためには3人のApproveが必須。
さらに良いのが、1人目は課題を通ってる人が来ることが多くて、2,3人目は自分より進捗が遅い人(後輩など) になることが多い。

1人目は通過者なので、指摘やアドバイスをもらえることが多いし、普通に落とされることも多い。
でも、そこで得たインプットを2,3人目に 自分の言葉で説明する ことで、
「なんとなく理解してた」が「説明できる理解」に変わっていくのが、
42のレビューの一番好きなところ。とてもおもしろい!!

ただ、42のレビューは「課題を通すため」になりがち

また、僕が見ている限り、レビューが「答え合わせ」になっていて、言語化の練習として使われることが意外と少ない。(主観)

42のレビューシステムをもっと活用的にやりたいのなら、意識の問題だと思っていて、
自分が相手にどう説明できるか、どこまで言語化ができるか、自分が自分を試す場にしたりなどするしかないと思ってる。

まぁ、レビューによって課題の提出の是非を我々が決めてる以上、この現象は仕方のないことではあるし、これは誰かの熱量が低いというより、「課題をクリアすることが最優先」というゲームのルールに自然に流れてるだけ、とも言える。
限られた時間(BH)の中で、はやく課題を通すのは合理的だし、そこを責めたいわけではない。

とはいえ、このままだとレビューの価値が「合否の確認」で止まってしまって、
本来いちばん鍛えられるはずの 「言語化の解像度」 が伸びにくいのは、ちょっともったいないなと思う。

42のレビューシステムが生む、良い影響もある

しかし、42のレビューシステムの良い影響はもちろんあって、
世の中的には「バイブコーディング[1]」みたいな、書いているものを理解しないままコミットする行為が、最近よく話題になっているのを目にする。
42のレビューではこれがチート扱いになり得る。提出したコードを説明できないなら、それはその人の成果物とは言えないし、至極当然のことだと思う。

この仕組みのおかげで、僕は少なくとも
「わからないままコミットする」行為をしている人を見たことがない。
完璧じゃなくても、理解しようとする癖が文化として根付くのは、とても幸せな場所だなと感じる。

僕はこの本に、まぁまぁ影響を受けてます... みんなにとても薦めたい
『世界一流エンジニアの思考法』

生産性が高い人ほど「理解に時間をかける」
理解することを習慣としている。理解にしっかりと時間をかけるのを恐れない。

42のレビューが実務に そのまま活きない としても、
理解に時間を投資して、説明できる状態を作り続ける体験は、確実に実務に効く。

42生が「優秀だ」と言われるのはこういう点なのかなと思う。
(そういうのをたまに聞く)

おわり

理解するために学び、その理解を確かめるために説明する。
その結果として相手にも伝わる言葉になっていく。

僕はこのカルチャーが好きで、ここに属しています。

脚注
  1. ここで言うバイブコーディングは、コードを深く理解しないままAI生成を通してしまう、みたいな意味で使ってます ↩︎

Discussion