高校生エンジニアが中国旅行で(技術的に)気になったことをまとめておく
アウトライン
- whoami(筆者の情報)
- 背景(行くことになった経緯)
- 気になったこと
- イオン1%TAについて
whoami
- negishi_tako
- 高校1年生・登録セキスペ
- セキュキャン'24修了
- プログラマーとして長期インターン
割と特殊な属性を持っていると思うので、旅行の助けや新たなアイデアの助けになるように感じたことをまとめておきます。
背景
イオン1%クラブが実施している、イオンティーンエイジアンバサダーという活動で中国に行く機会がありました
訪問行程
- 北京(PEK)
- 長沙(CSX)
北京と長沙は往路が高鐵(新幹線)、復路を飛行機(AIR CHINA)で移動しました。
また、北京では中国政府外交部を訪問しました。
気になったこと
監視カメラ
北京首都国際空港(PEK)に到着すると、空港に大量の監視カメラがあることがわかります。その後、街を歩いていても、特に北京では大量の監視カメラが設置されています。長沙は北京に比べると少ないですが、観光客が通るような場所には必ずと言っていいほど設置されています。
また、公共施設や民間の施設を問わず、多くの施設内にも監視カメラが設置されていました。観光地として有名な万里の長城や故宮においても多くのカメラが設置されていました。
天網工程・雪亮工程・平安城市
中国政府はそれぞれのプロジェクトで監視カメラの設置と公共機関でのデータの集約、行政機関内での共有を進めています。Baiduによると、
- 天網工程 は都市部をはじめとした監視カメラの設置プロジェクトです。主に都市部の公道でカメラの設置を行いました。また、多くの都市において犯罪の抑止や犯罪調査の大きな材料となっているようです。
- 雪亮工程 は天網工程で普及したカメラとその効果を踏まえて、カメラの設置を地方にも広げるプロジェクトです。地域住民が交差点の様子を見ることができるなど、地域に寄り添って進めているようです。
- 平安城市 は監視カメラの映像やその分析に限らず、交通システムや都市管理システムなどのデータを統合することで、より安全なまちをつくるプロジェクトです。緊急通報やパトロール、犯罪調査のために利用されます。
GFW(グレートファイヤーウォール)
中国の代表的な技術でしょう。登大遊氏の講義で紹介されていたのが印象的でした。
万里の長城を指す、グレートウォールから命名されています。

現地で使ってみた
私はklookのesimを利用していました。香港の通信事業者が発行しているようで、制限なくインターネットを利用することができました。現地でSIMを契約したり、現地のポケットWiFiを契約すると支障があるかもしれません。
海外ローミング
海外ローミングはインバウンドローミングとアウトバウンドローミングに分類されます。アウトバウンドローミングでは、中国移動や中国聯通の基地局を利用するものの、日本のサーバからインターネットに接続します。これによってGFWの影響を受けることがありません。
回避に関する法令
中華人民共和国コンピュータ情報ネットワークの国際接続管理に関する暫定規定の第6条によると、以下のように定義されていることから、政府の許可したVPN以外の利用は違法と解釈できるでしょう。
国際ネットワークに直接接続するコンピュータ情報ネットワークは、郵政部の国家公衆電気通信ネットワークが提供する国際アクセスチャネルを使用しなければならない。
いかなる組織または個人も、国際接続のために他のチャネルを開設または使用してはならない。
QRコード決済
現地ではWeChatPayとAliPayがとても普及しています。現地の人に聞いてみても人によるみたいです。
どちらの方がメジャー?
その人によるかな。AliPayの方がUIが凝ってて機能もりもりな感じ。でもPayPayみたいな還元はどちらもないよ。
個人的にはチャットアプリも兼ね備えているのに、UIがシンプルなWeChatPayを利用していました。AliPayも複数回利用しましたが、どうも決済が失敗することが多かったです。
ほぼ全ての店で、QRコード決済が利用できます。現金不可でもQRコード決済は利用できます。利用できない店は一つもありませんでした。クレジットカードや現金で決済する人はほぼおらず、QRコード決済が圧倒的に普及しています。
とは言っても、現金は使えるので旅行の際は最低限の両替だけすることをお勧めします。(都市部)
身分証
中国では国が発行する唯一の身分証明書として居民身分証が用いられています。すべての国民は生まれた時点で終生不変の18桁の個人番号が与えられます。
Microsoftによると、個人番号の構成はすべて数字で、以下のような構成です。
- 住所コード 6桁
- YYYYMMDD 形式 8桁 (生年月日)
- 個人コード 3桁
- チェックディジット 1桁
KYC
本人確認APIを提供するDiditによると、身分証のNFCチップは個人番号に加えて、顔や指紋などの生体情報を格納しています。これによって、身分証を保持していることによる本人確認に加えて、顔や指紋認証による本人確認をサポートしています。
日常生活での利用
新幹線や飛行機、ホテルへのチェックインにはすべて、この身分証の提示が求められるようです。
現地の空港などでは身分証をかざし、カメラに顔を向けることで本人確認を行なっていました。
高鐵(新幹線)
高鐵は北京西-長沙南間で利用しました。高鉄の乗車には、身分証またはパスポートによる本人確認が行われるほか、手荷物検査も行われます。日本に比べて厳格です。一方で、チケットはWeChatやAliPayアプリから購入でき、気軽に買えそうです。

中国の新幹線は四縦四横と呼ばれる動脈から構成されており、今回乗車した北京ー広州線は最も利用されているようです。
速度
最高速度は350km/hで、日本の新幹線の最高速度320km/hよりも速いです。
ほぼすべての区間が直線かつ、速達列車は数時間停車しないこと、自然の多い環境であることから騒音問題も発生しづらいことから、この速度を実現できていそうです。
乗車した区間(1300km)を5時間程度で結ぶことから、その高速さがわかります。
運行
自分が乗車した列車は2分早発で北京西駅を出発し、原因不明で23分遅れて長沙南駅に到着しました。現地の人や日本人ガイドに聞いたところ、定時運行が多いことから運が悪かったです。
列車制御システムには中国列车控制系统(CTCS)が用いられています。
CTCS
Baiduによると、CTCSは欧州のETCSをベースとした列車運行制御システム(信号システム)で、0-4のレベルが存在します。
レベル3ではGSM-Rという通信方式を用いて、地上局間で無線通信を行うことで最高速度350km/hの路線の制御を可能としています。復興号(北京-張家口間)では、CTCSレベル3とATOを用いることで350km/hでの自動運転を実現しているそうです。
おわりに
実際に行ってみて、中国は良くも悪くも管理社会だと感じました。
一方で、日本人が思っているほどにそれは悪い側面ばかりでもないように思えました。身分証1つで全ての本人確認は済みますし、QR決済はすべての店で使えますし、監視カメラによって治安は守られています。
日本では、マイナンバーを扱う民間事業者は厳しく制限されていますし、行政の手続きには住民票の提出も必要です。(それくらいいい感じにデータ共有してくれよと思う。)
まあ、効率的な民主主義はむずかしいといったところでしょうか。
今後も幅広い視野で色々なことに触れていきたいですね。
イオン1%TAについて
日中の友好親善を目的としたプログラムで日中の学生80名が相互の国を訪問します。渡航費、宿泊費などは全額タダです。学校単位で全国から4校が採択されます。
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