👓

AVD 個人用デスクトッププールでのユーザ側のセルフサービス

に公開

Azure Virtual Desktop では共有ホストプールとパーソナルホストプール(便宜上本稿では個人用デスクトップと記載します)のタイプが選択できます。今回は後者の“個人用デスクトップ”にフォーカスします。

個人用デスクトップは各ユーザに専用のセッションホストが割り当てられ、ユーザは常に同じ VM にログインすることになり、個人設定やアプリケーションをユーザ自身が自由に扱うことができます。アプリケーション開発者や特別なツールを操作する専門職ユーザに割り当てられるケースがよく見られます。
個人用デスクトップはユーザーにとって快適ですが、管理者にとっては“設定変更の依頼が頻発する”という悩みがあります。本日は Nerdio Manager for Enterprise(NME)を使用して個人用デスクトップ利用ユーザにセルフサービスを許可する機能とその設定方法をご紹介します。

NME 個人用デスクトッププール向けのセルフサービス機能の一覧

NME では以下のセルフサービス機能を有しています。IT 管理者の方は自社の個人用デスクトップのニーズに合わせて自由にオプションを選択できます。

機能 説明 ライセンスエディション
START ユーザーがデスクトップを起動できる 標準
RESTART ユーザーがデスクトップを再起動できる 標準
STOP ユーザーがデスクトップを停止できる 標準
RESET FSLogixプロファイルをリセットできる 標準
RESIZE ユーザーがデスクトップのサイズを変更できる Premium
RE-IMAGE ユーザーがデスクトップを再イメージできる Premium
RESTORE 以前のバックアップからデスクトップを復元できる(ホストプールのバックアップが有効になっている必要があります) Premium
CREATE ユーザーがデスクトップを作成できる(プールに既存のデスクトップがない割り当てられたエンドユーザーのみが新しいデスクトップを作成できます。またホストプールの設定が動的ホストプールでのみ利用可能です) Premium
RUN SCRIPTED ACTIONS ユーザーがデスクトップ上で IT 管理者が事前に用意したスクリプト化されたアクションを実行できる Premium
INSTALL UAM APPS ユーザーがデスクトップに IT 管理者が事前に許可した UAM アプリをインストールすることを許可 Premium
UPDATE TAGS ユーザーがデスクトップのAzureタグを更新できる Premium
DISABLE auto-scale ホストプールのオートスケーリング設定から除外できる。(バッチ処理操作をおこなうユーザ等に有用なオプション) Premium
Show notification セルフサービスポータルに表示される通知を作成する Premium

以下では実際に設定とセルフサービスをどのように行うのかを、Resize 設定を許可するシナリオで試してみたいと思います。

個人用デスクトッププールのセルフサービス設定

1. セルフサービス設定全般

  1. セルフサービスを適用したいパーソナルホストプールの 3 点メニューを選択し Setting をクリックします。
  2. Settings 画面が開きます。User Self-Service Portal をクリックします。
  3. セルフサービス設定画面が開きます。有効にしたいサービスにチェックを入れます。

2. RESIZE の有効化

本稿では例として RESIZE(ユーザーがデスクトップのサイズを変更できる)を試してみます。RESIZE にチェックを入れます。以下のオプションが表示されますので任意の設定を入力します。

  • Allowed VM sizes: ドロップダウンリストから許可したい VM のサイズを入力します。空欄にすると変更を許可しない状態になります。
  • Allowed disk types: ドロップダウンリストから許可したいディスクタイプを入力します。空欄にすると変更を許可しない状態になります。
  • Allow disk size change: ディスクサイズ変更を有効にしたい場合はこちらにチェックします。
  • Restore desktops to their original size after: デスクトップを元のサイズに戻すまでの日数や時間を入力します。一時的な変更を許可したい場合にはここに入力します。
  • Restore when host: 元のサイズに戻すタイミングを設定します。Always(常に)/Has no Active Sessions(アクティブセッションがない場合)/Empty only(ホストにセッションがない場合のみ)を選択できます。

以下は例として「D4_v5 の VM への変更を許可」「3時間後に元の設定に戻す」「3時間経過後すぐに戻す」設定を行ったものとなります。

3. セルフサービスポータルアクセスの有効化

ここまではユーザがセルフサービスを行える項目の選択方法について記載しました。ここからはユーザ向けのセルフサービスポータル画面のアクセス許可を設定します。

  1. 左ペインのメニューから Environment をクリックします。

  2. Nerdio タブ -> User Self-Service Portal(Global Settings) を展開し、Self-service portal for administrators トグルを ON に切り替えます。

  3. 確認ダイアログが開くので OK をクリックします。

  4. User Self-Service Portal が有効になりました。

4. ユーザへのセルフサービス許可

セルフサービスポータルは NME の管理画面と同じ AppService を通じて提供されます。セルフサービスを実行できるようにするユーザには NME の管理画面へ限定的なアクセスを許可するため当該ユーザへのロール割り当てを行います。

  1. NME の左ペインから RBAC ROLES -> Assignments をクリックします。同じ画面から New Assignments をクリックします。
  2. Add Role Assignments 画面が開きます。以下を入力し、OK をクリックします。
  • Role: End-user
  • Users: セルフサービスを許可するユーザまたはグループ
  • Workspace: 当該ホストプールが含まれるワークスペース

5. セルフサービスの実行

ユーザがセルフサービスを実行できる準備が整いました。以下は実際のユーザがセルフサービスを実行する手順についてみていきます。

  1. セルフサービスを実行するユーザで NME の管理画面の URL(NME を実行している AppService の URL)へアクセスします。
  2. ログインが成功すると限定的なメニューのみが表示されます。Resize をクリックします。
  3. Resize Host 画面が表示され、先ほど許可した VM サイズの変更が選択できる状態になりました。
  4. では実際に変更してみましょう。例として VM Size と Duration を変更し、Run をクリックします。
  1. 変更中を示すアイコンが表示されます。当該セッションホストにログインしている場合、Resize が実行されると今回の設定では設定が即時反映されます。
  2. Workspace 画面から当該セッションホストの VM Size を確認します。VM Size が変更されています。

まとめ

本記事では Azure Virtual Desktop の個人用デスクトップ環境における課題と、それを解決するための Nerdio Manager for Enterprise(NME)のセルフサービス機能について紹介しました。

今回の例では Resize 機能を試しましたが、Premium ライセンスではさらに高度なオプション(再イメージ、バックアップ復元、タグ更新など)も利用できます。

NME を導入することで、個人用デスクトップの運用は「管理者がすべて対応する」から「ユーザーが自分で必要な操作を行う」へとシフトできます。
これにより、IT 部門の負担を減らしつつ、ユーザー体験を大きく向上させることが可能です。ぜひ使ってみてください!

Discussion