Zed × JetBrains ACP 対談まとめ
What Is the Agent Client Protocol – and Why JetBrains and Zed Are Building It Together
こんにちは、JetBrains公式代理店NATTOSYSTEMのねばねばです。
本記事では、Jan-Niklas Wortmann氏(Software Engineer, JetBrains s.r.o.)をモデレーターに、
Ben North氏(Co-founder, Zed Industries, Inc.)、
Sergey Shandar氏(Software Engineer, JetBrains s.r.o.)
が語った対談動画の内容をもとに日本語でまとめました。
コーディングエージェントが急速に普及する中で、新しい課題が生まれています。
- エージェントごとに統合方法が違う
- IDEごとに実装が必要
- UIは似ているのに裏側が分断されている
この問題に対して、Zed Industries, Inc. と JetBrains s.r.o. が共同で取り組んでいるのが ACP(Agent Client Protocol) です。
なぜACPが生まれたのか
Ben North氏はこう語っています。
just about every company you can think of launched a coding agent
ほぼすべての企業がエージェントをリリースした結果、開発者には多くの選択肢が生まれました。しかし同時に、ユーザー体験は断片化しました。
Sergey Shandar氏によると、JetBrainsのIDE内でも次のような混乱が起きていたと言います。
- AIチャットパネルがある
- エージェントパネルもある
- UIは似ている
- しかし内部ロジックは別
ユーザーインタビューでは、どちらのパネルを使うべきか迷うケースが多発していたとのことです。
ここから、「エージェントとUIを分離する共通レイヤーを作るべきだ」という発想が生まれました。
ACPとは
ACPは Agent Client Protocol の略称です。
- ACP:エージェントロジックとクライアントUIを分離
Ben North氏は次のように説明しています。
ACP's architecture is pretty simple. It's JSON RPC sending messages in two directions between the agent and client.
技術的にはJSON-RPCベースの双方向通信。
「どのようなメッセージをやり取りするか」を標準化するプロトコルです。

JetBrains 公式サイトより https://www.jetbrains.com/ja-jp/acp/
+----------------------+
| IDE UI |
+----------------------+
|
| ACP (JSON-RPC)
|
+----------------------+
| Agent Process |
+----------------------+
M×N問題の解消
ACPの本質は、いわゆる M×N問題の解消 にあります。
- M個のエージェント
- N個のIDE
従来は、それぞれ個別に統合実装が必要でした。
ACPに対応すれば、
- エージェントはACP仕様を実装するだけ
- IDEもACP仕様を実装するだけ
それだけで相互接続が可能になります。
Sergey Shandar氏はこれを「m by n problem を eliminate する」と説明しています。
競合が協力
Zed Industries, Inc. と JetBrains s.r.o. はIDE領域で競合関係にあります。それにもかかわらず、共同で仕様策定を進めています。
Sergey Shandar氏は次のように述べています。
I didn't want to build a separate standard for the same thing.
同じ問題に対して複数の標準が乱立することは、エコシステム全体にとってマイナスになる。
結果として、両社は事実上「ひとつのチーム」のように仕様を磨き上げているとのことです。
設計思想:変化し続けるAIにどう向き合うか
ACP設計の核心は「柔軟性」です。
Ben North氏はこう語ります。
I don't know what's going to come next with AI. It's going to change.
AIは急速に進化し続ける。
そのため、プロトコルは次のバランスを取る必要があります。
- 必要最小限のみを標準化する
- エージェント側の自由度を確保する
- クライアント側のUI設計を縛らない
まとめ
ACP(Agent Client Protocol)は、
- エージェントとIDEの分離
- M×N問題の解消
- UIとロジックの疎結合化
- エコシステム形成の促進
Zed Industries, Inc. と JetBrains s.r.o. が競合を超えて標準化に取り組んでいる点も象徴的です。
エージェントが「前提」になりつつある今、その接続基盤の設計は今後の開発体験を大きく左右します。
ACPがどこまで普及するのか、引き続き注目していきたいテーマです。
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