【個人開発】2年と20万かけて作ったクリエイター向けサービスを終了する話
はじめに
アニメ投稿サイト(あにしぇあ)を今年の1月17日にリリースしました。
2D、3D、実写など様々な作品が投稿できるような機能があり、無料で作品が投稿できるプラットフォームです。リリースしてから登録者数は258人で作品数が115作品あります。一ヶ月の利用者数は6480人です。

なぜ記事にするのか
- 利用していただいているユーザーになぜサービスを終了予定なのかについての説明
- 自分への戒め
失敗の原因
- 開発に時間をかけすぎてしまっていた
- R18がつらい
- 予算の問題
- ユーザーの拡散を甘く見ていた
- デザイン的な問題
- 本当にこのウェブサービスが必要とされているのか
- 認知されても使ってもらえてない
- 開発当初からわかりきっていたこと
- これから
開発に時間をかけすぎてしまっていた
あにしぇあの開発に2年ほどかかっています。平日(3時間)、休日(祝日も含む)、365日かけてこのサービスを開発をしました。ただユーザーから見た機能だけ考えれば、働きながら半年もかからずに本来リリースできます。なぜそこまで時間がかかってしまったのか。その理由としては過剰なまでのパフォーマンスの最適化と、無駄なスケーラビリティ、クラウドサービスに依存せずにシステムを作ることを目的としてしまった点です。これらを考慮しなければリリース自体難しいことではありませんでした。なぜクラウドシステムに依存させたくなかったのかについては「R18がつらい」にて話します。
R18がつらい
あにしぇあではクリエイターの自由なプラットフォームとして、R18関連の投稿も規制を設けて投稿を可能にしています。ただその影響により大手クラウドサービスのフルマネージドサービスの利用は止めらたときの考慮をすると必然的にそのサービスに依存しない設計にせざるを得ません。またStripeの決済が利用出来ないためマネタイズのハードルが高くなります。結果的に「開発時間の長期化」「ランニングコストの増大」「ユーザー体験の低下」「マネタイジングが難しい」問題が発生しました。開発してからリリースまでは本気でどんな作品でも投稿できるようにして、クリエイターの活動を応援できるプラットフォームを作るという気持ちでいました。ただ、実際にサービスを運営して厳しいという判断に至りました。もし仮にR18の投稿サイトを作りたいとならば、R18を禁止の投稿サイトを運営してある程度売上が伸び、成人向け決済関連の知識とそっち方面の業界とのつながりを持ちノウハウを十分に蓄えたうえで作るのが理想なのかもしれません。
予算問題
お金に関する認識がかなり甘かったです。クリエイター向けのサービスを作るなら自分の身銭切っても辛くないなと本気で思っていました。ただ、残業をして初めてお金の価値について改めて考えさせられました。会社で40時間ほど残業したのですが、毎日平日2時間残業をして残業時間40時間、固定残業20時間を含んでいるので、それで得られる残業代がプラスの3万円。これだけ働いてたったの3万円しか増えないのかと。前述した無駄なサーバー費用(月5万)と、広告費(2万)が重なりかなり精神的にきました。
ユーザーの拡散について甘く見すぎていた
リリース直後になり初めて拡散の重要性に気が付きました。ユーザーがいなければサービスは意味をなしません。それなのにもかかわらずユーザーが共有するような仕組みを作っていませんでした。サービスを作れば拡散されるされるという甘い認識でした。そのため、全く拡散されずまた継続的にユーザーが入ってくるような仕組みも考えられなかったため数年後でもユーザー数が増える見通しがたちませんでした。
デザイン的な問題
クリエイター向けのサービスといった点を考えると、ユーザーにとって使いやすいデザインなのかと改めて考えさせられました。私自身はバックエンドの知識にかなり偏っており、フロントエンドやデザインに関してはかなり浅いです。リリース当初はデフォルトのフォントを使っており、動けばいいもの本気で思っていました。ただ実際にリリースしてみると他のサービスとの違いに気が付きます。デザインの良さや、フロントエンドのこだわりを感じられ、自分の認識の甘さを痛感しました。
本当にこのサービスが必要とされているのか
実際にクリエイターの方のDiscordのコミュニティに入って宣伝活動などを積極的に行っていました。クリエイターの方に広告としてURLの記載などをご提案させていただいたところ、断れてしまいました。理由としてはコミッションサイトですでに収入があり、様々な投稿サイトが出来てユーザーが分散してしまうと収益が減ってしまうのではないかと気にされていました。クリエイターの方にも生活、人生がかかっているわけで、そのようなことを考慮をすると、そもそもの話今の自分のサービスに価値があるのかという疑問が湧いてしまいました。
認知されても使ってもらえない
サービスをリリースするまで作れば使ってもらえると思っていました。ただ実際には無料であったとしてもすべての作品をアップロードしていただけるわけではないです。また、クリエイターの方が、このサービスを認知したとしても作品を投稿してくれません。それもそのはずで、誰が作ったのかわからないサービスに自分の作品をアップロードしたいと思う人は少なく、わざわざアップロードするにもエンコード時間などが発生するので必然的にアップロードのハードルは高いです。ユーザーの心理的にはサービスが人気になってから作品をアップロードしようというような心理もあるのではないのかなと思っています。そうなるとアップロード控えという状態が発生し、もしなにかしらのタイミングでバズが発生したとしても作品数が少ないので、結果的にユーザーが定着しないという問題が発生します。
開発当初からわかりきっていたこと
この記事を書いていて改めて思いました。何をしているのかと。理想が高すぎたことが原因で最終的にはクオリティが低くユーザーが積極的に使いたいとデザインでもなく、サーバーはガラパゴス状態です。リリースまでは動かすこと頭のリソースが持っていかれていたのですが、リリースしてからはユーザーにどう使ってもらうかということについて考えるように明確に切り替わりました。冷静に将来性を考えたところかなり厳しいという判断になりました。メンテンナスし続けることよりも、他の新しいサービスを作るほうがクリエイターの方に対して新しい価値を提供でき、私自身のためにもなるのではないかと改めて感じました。
これから
自分自身でサービスを終了させておこがましいですが、これからもクリエイター向けのサービスを作り続けたいという気持ちは変わりません。ただやはりやり方は変えるべきでもっと他にやるべきことがありました。具体的には
やるべきこと
- ユーザーの体験一番に大切にする
- クリエイターのことを理解する
- サービスの設計の段階で最初から最後まで考える
- ユーザーに共有されるシステムを考える
- デザインをより意識する
- 強力なコア機能に特化
やらないこと
- バックエンド
- インフラ
- コア機能以外の無駄な機能
- R18
この二年間はずっと「あにしぇあ」を開発し続けていて、新しいことに挑戦できていませんでした。これを機会に新しいことにも挑戦していきたいです。
個人的にやっていきたいこととしては
- VRChat
- アニメーション
- Blender
- Live2D
- ロゴ制作
- 猫ミーム制作
クリエイターの声を聞いて新しいサービスのアイデアも5個ほどあるので爆速で作りたいです。
Discussion
サービスの開発と運営、これまでお疲れ様でした!
過程で得た学びを共有して頂いてありがとうございます。
読ませて頂いて、勉強になりました。
自分で開発したサービスって何となく半分自分の子供(?)のような気持ちになってくるので、終了の決断をするのも思った以上に寂しいものですよね。
Webサービスの"数字"としてはそこまで多くないのかもしれませんが、実際に258人もの人があにしぇあに価値を感じてくれていて、毎月6480人も訪問してくれた人がいたというのは、よく考えてみると普通に結構すごいことですね…!
次のサービスの開発記も、またzennで読めることを楽しみにしています!