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ログに何を残せば原因を追跡できるのか

に公開

FA設備における履歴設計の実務ポイント

MH Labです。

前回の記事では、

  • 履歴が重要になっていること
  • PLCだけでは履歴管理に課題があること

について整理しました。

では実際に、
どのような情報を残せば原因追跡に役立つのでしょうか。
本記事では、FA設備の履歴設計において
実務上重要になる観点を整理します。


異常コードだけでは不足する

設備停止時、

  • E001
  • E101
  • E205

のような異常コードが表示されることがあります。
もちろん異常内容を把握するために必要ですが、
実際にはそれだけでは原因が分からないケースも少なくありません。

例えば、

  • センサ故障
  • 通信断
  • 非常停止

のどれが先に発生したのか
によって対策は変わります。


発生時刻を残す

最も基本的な情報です。

しかし、

  • PLCごとに時刻が異なる
  • タイムゾーン設定が不統一
  • バッテリ切れで初期化される

といったケースもあります。

時刻が正しく記録されていなければ、
複数設備をまたぐ解析は困難になります。
実際の現場では、
PLCごとに時刻が数分ずれているだけで、原因追跡に苦労することもあります。


状態遷移を残す

実務では、
異常そのものよりも、
異常直前の状態
が重要になることがあります。

例えば、

  • 自動運転中
  • 原点復帰中
  • 手動運転中
  • 待機中

では同じ異常でも意味が変わります。

そのため、
状態の変化を記録しておくことが有効です。


操作履歴を残す

設備停止の原因が、
必ずしも機器故障とは限りません。

例えば、

  • モード切替
  • 設定値変更
  • リセット操作

などが影響する場合があります。

そのため、

  • 誰が
  • いつ
  • 何を実施したか

を記録しておくことが重要です。


設定変更履歴を残す

現場では、
「昨日までは動いていた」
という相談がよくあります。

しかし調査を進めると、

  • タイマ値変更
  • 閾値変更
  • パラメータ変更

が原因だったというケースもあります。

設定変更履歴は、
不具合解析だけでなく、
セキュリティやトレーサビリティの観点でも重要です。


全てを残せば良いわけではない

履歴設計で陥りやすいのが、
「とりあえず全部保存する」
という考え方です。

しかし、

  • 容量不足
  • 通信負荷
  • 検索性低下

につながる場合があります。

重要なのは、
原因追跡に必要な情報を整理して残すこと
です。


まとめ

履歴設計では、

  • 異常コード
  • 発生時刻
  • 状態遷移
  • 操作履歴
  • 設定変更履歴

などが重要になります。

また、
単に保存するだけでなく、
「原因追跡に活用できる形で残すこと」
が重要です。

近年は、
機械規則(Machinery Regulation)や
サイバーレジリエンス法(CRA)の影響もあり、

設備に対して、

  • 誰が操作したのか
  • 何が変更されたのか
  • 異常発生時に何が起きていたのか

を追跡できることの重要性が高まっています。

また、インシデント発生時の原因調査や、
変更履歴の確認が求められる場面も増えており、
履歴情報には単なる保全用途だけでなく、
トレーサビリティやセキュリティの観点も求められるようになっています。

MH Labでは、今後も
製造業の現場で使える安全設計・組込み制御の実務視点を発信していきます。

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