チーム内部からQA組織を立ち上げて半年 ──品質文化醸成に向けて
こちらの記事は「Medley(メドレー) - Qiita Advent Calendar 2025」の22日目の記事です。
はじめに
こんにちは。株式会社メドレーでQAエンジニアをしている井津です。
私が所属する「MEDIXS レセコン」チームは、今年のM&Aを経てメドレーに加わりました。プロダクトはローンチから約3年が経過しました。これまでQAの専門組織はなく、仕様検討やテストは開発とCS(カスタマーサポート)が一体となって対応してきました。
しかし、プロダクトが成長期に入り、新機能開発のスピードよりも品質・安定性の確保が重要になったこと、そして外販拡大を控えていたことから、品質文化の醸成が急務となり、今年5月に開発者だった私がQA担当を務めることになりました。発足当初は、私自身を含め「そもそもQAをどう進めればいいのか?」という手探りの状態でした。
本記事では、この模索の中で実施した「社内勉強会」を中心に紹介します。チーム内部からQA組織を立ち上げ、品質文化の醸成に悩む方の参考になれば嬉しいです。
品質文化醸成の第一歩
チームの課題
QA組織の立ち上げ後、リリースプロセス改善など様々な施策を進める中で、チームには二つの大きな課題があると感じていました。
一つは、「なぜQA組織が必要なのか」「現状の進め方のどこに問題があるのか」といった課題認識が、チーム全体に行き渡っていないこと。もう一つは、品質改善はQAが主導して進めるものと捉えられがちで、各メンバーが主体的に取り組む意識が十分でないことです。
品質は組織全体で作るものです。私一人が改善を進めても限界があり、チーム全体が当事者意識を持たない限り、取り組みは局所的なものに留まり、スケールしません。
そこで、この課題をチームに共有し、主体的な行動につなげていくために、品質保証やソフトウェアテストの基本、QAの考えを共有する場として、社内勉強会を企画しました。
社内勉強会の実施
全3回の勉強会を実施しました。
| 回数 | テーマ | 時間 |
|---|---|---|
| 第1回 | QA(品質保証)とは | 30分 |
| 第2回 | テストの考え方とテストレベル | 1時間 |
| 第3回 | テスト技法 | 1時間 |
内容は、株式会社MIXIの松谷さんが新卒者向けに実施されていた勉強会(YouTube)を参考に、チーム向けにアレンジしたものです。
参加者は、チームの開発者とCSを中心に他プロダクトの開発メンバーも加わりました。普段開催している勉強会は開発者の参加が中心ですが、今回はCSメンバーも多く参加してくれたことが嬉しかったです。
内容をアレンジする際には、参加者が「自分ごと」として捉えられるよう、いくつかの工夫を凝らしました。
1. 開催意図の明確化
今のチームの課題感と、なぜこのテーマを扱うのかという意図を明確に示しました。

社内勉強会スライドから抜粋

社内勉強会スライドから抜粋
2. 自社事例の活用
事例や具体例はなるべく自社プロダクトの中から選びました。

社内勉強会スライドから抜粋
3. わかりやすさの徹底
開発者だけでなくCSも参加するため、わかりやすい表現で話すこと、基本的な内容も丁寧に伝えることを意識しました。

社内勉強会スライドから抜粋
それでも、一番心配だったのは、こうした熱意や内容がちゃんと伝わるのか、自分だけが空回りしていないかということでした。
フィードバックと手応え
勉強会を終えて、参加者から予想以上に前向きなフィードバックをもらうことができました。
<開発者からの声>
登壇の目的が今もがいていることを伝えた上での発表だったので、共感できて自分も発表内容を理解しようと思えた
仕様書通りでは、バグを発見できない。実際のユーザーは仕様通りに使うわけではない
自分ごととして聞くことができた。全てのエンジニアが意識すべき内容だと感じた
<CSからの声>
開発側で出なかったテストケースがサポートテストで追加された際、なぜそのケースが必要だったのか、理解して知見を増やしていこうと思いました
開発は仕様から実装に落とし込む際に外から中へ思考する。テストでは中から外(仕様外)へ思考を広げていく。だからこそ、テストでNGがあったときなど、実装者とテスターで観点が違うのかなと腑に落ちた部分がありました
特に印象的だったのは、「自分ごととして聞くことができた」という言葉です。品質改善に対する主体性が足りていないと感じていた中で、この言葉は、各メンバーが当事者意識を持って取り組もうとしてくれている証だと感じました。
今回の勉強会で、課題認識や主体性という土台は築けたと感じています。しかし、品質文化の醸成はその先にあるもの。ようやくその第一歩を踏み出せたと思っています。
これから
ここから最も大切なのは、継続的な働きかけと日々の実践です。チームメンバーが少しずつでも品質について考え、行動を変えていく。その積み重ねこそが、確かな品質文化を築いていくのだと思います。
私の役割は、その変化を絶えず促し、チームに伴走し続けることです。メンバーが品質向上の効果を実感できる施策を打ち、必要性に気づける機会を作り続ける。チームやメンバーそれぞれの状況に合った形で、着実に前進していきたいと考えています。
品質文化の醸成には時間がかかりますが、一歩ずつ進んでいきます。
おわりに
現在メドレーではQAエンジニアも募集中です!興味のある方、ぜひご連絡お待ちしています。
明日Medley Advent Calendar 2025 23日目は、@yacchinさんの記事です!お楽しみに。
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