システムディレクターへの転身で見えた「新しい視点」
はじめに
初めまして、システムディレクターの浜崎です。
私は元々フロントエンジニアとして、開発現場でコードを書いていましたが、
今後のキャリアを見据えて、2年程前にシステムディレクターという役割に転身しました。
今回は弊社のシステムディレクターについてお話ししていきます。
弊社のシステムディレクターとは
役割を一言で言えば、ディレクター(企画者・顧客)が求める「ビジネス的な要望」と、開発者が求める「技術的な整合性」の間に入り、落とし所を見つける仕事です。
また、スケジュールの管理や先方とのやり取り、必要であればコードを書くなどなんでもします。
『縁の下の何でも屋』という言葉があれば、役割としてこれほどしっくりくるものはありません。
現場を支える調整役
弊社のシステムディレクターは、企画者(顧客)と開発者(エンジニア)の境界線に立ち、プロジェクトを停滞させないための調整を担う役割です。「円滑な進行を担保するための潤滑油」に近い立ち位置です。
企画側は「今、これをやりたい」と考え、開発側は「将来にわたって安全に運用したい」と考えます。この両者の間に立ち、双方の意図を翻訳しながら、現実的な解を導き出すのがシステムディレクターの職務です。
もちろん、企画側からの要望を整理するだけではありません。
開発チームが抱える『今、メンテナンスをすべき理由』を技術的な視点から紐解き、ビジネス上のメリットやリスクとして翻訳して企画側に届ける。そうして現場主導の改善を案件化していくことも、私たちの大切な役割の一つです。
ステークホルダー管理という名の「板挟み」
この仕事において、避けて通れないのが「板挟み」の状況です。
スケジュールのジレンマ
「なるはやでリリースしたい」という要望に対し、システムディレクターはリスクを冷徹に判断しなければなりません。検証不足による事故を防ぐため、時には厳しい顔をしてスケジュール調整を打診し、リスク排除の重要性を論理的に説明します。
売上と安定性
「今月の売上目標のためにこの機能が必要だ」というビジネス的な優先順位を理解しつつも、それが既存システムに与える負荷や保守コストを天秤にかけます。
感情論ではなく「どうすればプロジェクト全体として破綻せずに済むか」という視点でステークホルダーを管理する、根気のいる調整が続きます。
理想の「夢」を、現実の「工数」へ
企画書には、ユーザーへの想いが詰まった「夢いっぱいの機能」が並びます。しかし、それがあまりに盛りだくさんすぎると、エンジニアに渡しても「不確定要素が多すぎて見積もりすら出せない」という壁にぶつかることがあります。
ここで「できない」と切り捨てるのではなく、エンジニアと一緒に頭を悩ませ、夢をいくつかの「現実的なパターン」に分解するのも私の仕事です。
- パターンA: 全ての要望を網羅するが、相応の期間とリソースを要する「理想追求型」
- パターンB: 必須要件に絞り、来月のリリースを死守する「スピード重視型」
- パターンC: 将来の拡張性を残しつつ、段階的に機能をリリースする「スモールスタート型」
このように、正解のない中で「今のプロジェクトにとっての最適解」を判断するための材料を揃えていく。 エンジニア時代に培った、技術的な難易度を肌感覚で理解できる強みを活かし、ビジネスサイドが納得できる選択肢を提示する。この泥臭い「翻訳作業」の積み重ねこそが、プロジェクトを前に進める力になると信じています。
実働するサービスと、チームからの信頼
決して楽な立ち回りではありませんが、だからこそ得られるものがあります。
頭の中のアイデアでしかなかったものが、自分の調整を経て、実際にユーザーが触れる「動くサービス」として世に出る。
その瞬間に立ち会えるのは、この役割の醍醐味です。
エンジニアから「仕様を整理してくれたおかげで開発に集中できた」、顧客から「リスクを事前に指摘してくれて助かった」といった言葉をもらうとき。
チーム全体が自分を介してスムーズに回っていると感じる瞬間に、強い充実感があります。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。
エンジニアからキャリアを変えて2年。
コードを書いていた頃とは違う種類の「産みの苦しみ」もあります。 けれど、現場の苦労もビジネスの熱量も、その両方を技術的な視点で理解できる私だからこそ通せる「一本の筋」があると信じています。
これからも、関わる全員が「このプロジェクトをやってよかった」と思えるような、納得感のある着地点を探し続けていきたいです。
この記事が、あなたのキャリアを考える上での小さなヒントになれば幸いです。