10 分で Google Workspace Flows のポイントを理解する
株式会社 MBK Digital 執行役員 CTO の岩尾です。
私たち MBK Digital は、日々 AI を活用した業務効率化の支援や研究に取り組んでいます。 その中でも、既に Google Workspace を全社導入している当社にとって、今回ご紹介する Google Workspace Flows は、業務の流れを劇的に改善する可能性を秘めた、非常に価値の高い機能だと感じています。
これを使いこなすことで、これまで手作業で行っていた「メールの仕分け」「フォーム回答の転記と通知」「スプレッドシートの更新チェック」といった日常の定型業務を AI に任せ、人はより付加価値の高い判断や創造的な仕事に集中できる環境が整います。
Google Workspace をお使いの皆様には、ぜひ本記事を参考に、まずは自組織での「お試し(Test run)」から始めてみてください。
1. はじめに
Google Workspace Flows(以下 Flows)は、Google Workspace 上で発生する様々な業務プロセスを、ノーコードで自動化・最適化するために登場した新しいプラットフォームです。Flows は「ただのトリガー→アクション」型の自動化を超え、AI エージェント(Gemini)を含む複数ステップのワークフローを構築できる点に大きな特徴があります。
ちなみに、類似のツールとして Opal がありますが、両者をサラッと整理すると以下のような住み分けになります:
- Flows:Gmail の受信やファイルアップロードといった 「イベント」を起点 とし、Google Workspace 内で起きる定常業務・判断・共有を 裏側で自動化・最適化 することにフォーカス。
- Opal:ユーザーが直接操作する 「アプリ」を起点 とし、自然言語やビジュアルエディタで「こんなアプリ/ワークフローを作りたい」という自由度の高いノーコード AI アプリ作成の領域。
このように用途・対象ユーザー・導入ハードルが少し異なるため、本記事では Flows にフォーカスして何をすれば始められるかを整理します。
2. 管理者設定:「アルファ機能」を有効にする
まずは管理者として、Flows を利用できる環境を整えましょう。
設定は5分程度で完了します。 以下の手順で進めましょう。
Workspace の管理者が確認・設定すべきポイントは以下の通りです。
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Flows の有効化と割り当て:
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対象プラン:
対象プランの例として Business Standard, Business Plus, Enterprise Standard, Enterprise Plus などが公式に挙げられています(Business Starter など一部プランは対象外)。実際の適用可否は、組織の契約内容・地域・管理者設定によります。 -
有効化と割り当ての手順:
- Google Workspace 管理コンソールにログインします。
- 左ペインから「生成 AI」>「Gemini for Google Workspace」を選択します。
- 設定画面の左側(または上部)に表示されるツリーから、Flows の利用を許可したい組織単位(OU)またはグループを選択します。
- 選択した OU またはグループに対して、「アルファ版 Gemini 機能」を「ON」にし、設定を保存します。
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対象プラン:
これらの設定が完了し、自組織がアルファ版の参加対象であれば、Flows の管理画面にアクセスした際に以下のページが表示されます。

Flows の管理画面
3. Discover にあるテンプレート(プリセット)を使ってみよう
設定が完了して Flows が使えるようになると、「Discover」タブから様々なテンプレートを選んですぐに試すことができます。
ここでは、非常に実用的で AI の特徴がよく出ているテンプレート「Get a daily summary of unread emails(未読メールの要約を毎日取得)」を例に、その中身を見てみましょう。

Get a daily summary of unread emails
プリセット例:未読メールの要約 → チャット通知
このテンプレートは、指定した時間に AI が未読メールを自動で分類・要約し、その結果をチャットで通知してくれる、というものです。
以下のスクリーンショットから、このフローの構成が読み取れます。

Get a daily summary of unread emails の設定
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スターター (Step 1: On a schedule):
「毎日指定した時間」など、スケジュールを起点にフローが自動実行されます。(例:毎朝 8:00 など) -
アクション (Step 2: Recap unread emails):
Flows の中核機能である AI(Gemini) が起動します。
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実行内容:
yesterday(昨日)の未読メールをスキャンします。 -
プロンプト(指示): ここが最も重要です。AI に対して、非常に詳細な指示が出されています。主なポイントは以下の通りです:
- 除外ルール: 広告、SNS 通知、スパム、自動の会議承諾などは除外
- 優先度分類: 返信や決定が必要なメールを「緊急のアクション項目」として特定
- テーマ別グループ化: コードレビューやプロジェクト更新など、類似する大量のメールは個別にリストせず「活動のハイレベルな要約」としてまとめる
- 出力フォーマット: 明確な見出し、会話的なトーン、リッチテキストや絵文字を使った読みやすい形式で整形
このように、単に「メールを要約して」という曖昧な指示ではなく、除外条件・分類基準・出力形式まで細かく定義することで、AI が実務で使えるレベルの要約を生成できるようになっています。
プロンプトの詳細な指示内容を見る
AI に対して、以下のような非常に詳細な指示が出されています:
- ゴール: 未読メールを分類し、プロモーションや不要なコンテンツは除外する。
- 除外(Filter): 広告、SNS 通知、スパム、自動の会議承諾などは除外する。
- 分類(Action Items): 返信や決定が必要なメールを「緊急のアクション項目」として特定する。
- 分類(Themes): コードレビューやプロジェクト更新など、大量・反復的なテーマは、個別にリストせず「活動のハイレベルな要約」としてグループ化する。
- 分類(Others): 「会議の更新」「FYI(参考情報)」に残りを分類する。
- 特殊処理(Digests): Google グループ等のダイジェストは、スレッドごとではなく「トップ 2-3 のトピック」のみを要約する。
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フォーマット:
- 「Let's get caught up on your inbox」という決まった書き出しで始める。
- 明確な見出し、会話的なトーンで、リッチテキストや絵文字も使って美しく整形する。
- メールがないカテゴリには「You're all caught up.」と記載する。
- 謝罪や言い訳など、指定外のテキストは一切含めない。
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アクション (Step 3: Notify me in Chat):
Step 2 で AI が作成した要約結果を、Google Chat(指定したスペースやDM)に投稿します。
この「未読メール要約」の例のように、Flows のテンプレートは非常にシンプルで分かりやすい構造になっています。
「Discover」タブには、他にも「フォームの回答をシートに転記してチャットに通知する」といった実用的なテンプレートが多数用意されており、その多くは数分で理解可能です。
Flows の優れた点は、画面下部や右上の「Test run」ボタンから、すぐに動作確認ができることです。
まずは気になるテンプレートをいくつか選び、「Test run」で動かしてみてください。そして、その仕組みを参考に、ステップを少し変更したり、新しいフローを真似して作ってみるのが、Flows 活用の最短ルートです。数分もあれば、最初の自作フローが完成するはずです。
4. まとめ&次のステップ
本記事では、Google Workspace Flows の「はじめの一歩」を解説しました。
今日からできるアクション
- 管理者の方: セクション 2を参考に、Flows の有効化を完了させる
- 利用者の方: Discover タブから「未読メール要約」などのテンプレートを Test run で試す
- 実務への適用: 自社の定常業務を 1 つ選び、Flowsで自動化できないか検討する
特に初めての方は、まずテンプレートを 3 つ試してみることをおすすめします。
動作を確認することで、Flows でできることのイメージが明確になります。
5. おわりに
私たち 株式会社 MBK Digital は、AI を活用した業務効率化(DX)の支援を得意としています。
「自社のこの業務、Flows で自動化できるか判断してほしい」
「実務で使えるレベルの AI プロンプトを一緒に設計してほしい」
「テンプレートのカスタマイズや、独自フローの構築を支援してほしい」
といったご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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